版元も取次ももはや諦め気味?困難極める書店チェーンの経営事情

――アマゾンの席巻や電子書籍の普及で、本格的に書店の経営状況がヤバいことになっている、とはここ数年言われ続けてきた。そこにきて消費税増税で、この春夏も閉店・廃業を余儀なくされる書店の数は激増。紙媒体ではなかなか突っ込んで取り上げられないこの危機的状況を、現場の声を交えてレポートしたい。

全国書店店舗数

今、本稿を読んでいる人は、本誌をどちらで手にしたのだろうか。店舗型書店、オンライン書店、コンビニなどが考えられるが、「店舗で購入した」という人の数を聞くのは少々怖い。その数字に書店業界の深刻さが生々しく表れていそうだからだ。

もっとも、店舗で買おうにも近所に書店がないという声もあるかもしれない。昨今、街の書店がかなりのハイペースで姿を消している。1990年代後半から街の書店が姿を消している背景には、経営者の高齢化や後継者不足による転廃業、売り上げが伸び悩む中での競合の激化、資金繰り悪化による閉鎖などの理由が存在する。また、近年はアマゾンや楽天ブックスのようなネット書店の台頭が、店舗の売り上げをさらに圧迫している。

旧来の書店事業が立ち行かなくなりつつある今、時代の流れに合わせた在り方を本格的に模索しなければ、業界の存続は危うい。とはいえ、雑誌で頻繁に特集を組まれるオシャレな書店が、明日を担うモデルになるとも思えない。そこで本稿では、出版・書店関係者への取材を通じて、「本を売る」という書店の根幹たる業務がなぜこの時代に難しくなっているかを探り、これからの書店の在り方について考察したい。

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