【無料公開中】相次いだ大物タレントの結婚と出産── 挙式費用は5億円!!“結婚と出産”の経済学

――師走の最中、何かと騒がしい芸能界。今年の芸能ニュースを振り返ってみると、結婚、出産などのオメデタ報道が多かった(気がする)。現在ではファックス1枚、ブログの更新などといった“報告”である。だが、かつては一流ホテルで行われる豪華な会見から、披露宴の中継もザラだった……。

最後の独身大物男性タレントと言われた福山雅治もついに結婚!

 芸能ニュースの花形といえば大物タレントの結婚報道が挙げられる。東出昌大・杏に始まり、堀北真希・山本耕史、福山雅治・吹石一恵、TOKIOの国分太一、千原ジュニアと、大物クラスが次々と結婚を発表し、芸能メディアを賑わせたことは記憶に新しい。

 だが、サイゾー読者世代には周知のことだろうが、いずれのケースでもかつての結婚報道と比べれば、盛り上がりに欠けていることは否めない。80年代から90年代にかけて、芸能人の結婚発表は、一流ホテルにマスコミを集め、金屛風の前で記者会見を開くことが一般的だった。さらに芸能人同士の結婚は、テレビ各局がこぞって派手な披露宴を中継し、高視聴率を獲得。また、妊娠、出産ともなれば、退院の際、病院の前に各社の芸能記者が集結し、新生児の披露とともに、大々的にワイドショーで取り上げられた。芸能人の結婚と出産には、それだけの報道価値があったのだ。

 ところが現在、タレントの結婚は事務所のホームページやファンクラブの会報、個人ブログを通じて発表。記者会見もなく、披露宴も身内だけで済ませてしまうというケースも少なくない。

「かつて芸能人の結婚披露宴中継はある種の商売であり、売れている芸能人のステータスでもあった。テレビ中継する場合、会場費、料理、引き出物といった数千万円単位の費用の多くをテレビ局が持っていた。それでも3時間のドラマを作れば優に5000~6000万円はかかるし、特番を制作すると考えれば、局としては十分にペイできていたんです。ところが現在はテレビの凋落に伴って制作費が縮小している上、視聴率も以前ほど期待できない。中には売名的に、費用を折半してでも中継してほしいという話が持ち込まれることもありますが、よほどの話題性がないと難しい」(テレビ局関係者)

 一方で、タレント側の考え方にも変化が見えているという。

「ひとつの潮目は、“3億円挙式”といわれた03年の田村(谷)亮子の中継あたりでしょうか。視聴者側にも芸能人側にも、さすがにあそこまでやってしまうのは下品で格好悪いという風潮が生まれたのでは。07年の陣内智則・藤原紀香の5億円挙式も話題にはなりましたが、その後の離婚などもあって、いまや笑いのネタにされていますしね。もちろん福山や堀北など、視聴率が見込めそうな大物には中継オファーが殺到しているそうですが、すべて断られているとか」(同)

 こうした状況を見るだけでも、芸能界の結婚事情は昔に比べてずいぶんと変わったことがわかる。これまで所属タレントの結婚を何度もマネジメントしてきた大手芸能プロ幹部が解説する。

「今のタレントは仕事とプライベートは別にしたいという考えが主流で、なるべく静かに済ませたがるようになっています。それは決して悪いことではないんだけど、タレントは公人でもあるし、やっぱり世間に報告する義務がありますからね。にもかかわらず、ほとんど何もしない事務所が多いのは、昔に比べて事務所がタレントをコントロールできなくなっているということでもあるんです」

 ここ数年、年末年始にかけて入籍を発表するケースが増えているのも、目立たないようにするための手法だ。これまで芸能報道の本流を担ってきたのはテレビやスポーツ新聞、雑誌だが、紙媒体はお盆や年末年始といった長期休暇に合わせて合併号を出すためタイムラグが生まれ、テレビも通常の情報番組が特番編成になり、話題にされにくくなる。

「事務所によっては特定のメディアにスクープさせて貸しを作るやり方もありますが、ほとんどの場合、冠婚葬祭は横並び報道が基本ですからね。また傾向が変わってきた一因として、ブログなど、ネット環境が成熟したこともやはり大きい。以前はテレビや紙媒体を通じて報告する手段しかなかったものの、今はタレントが直接、情報を発信できるからコントロールしやすい。逆にファンの声もじかに届くようになっているため、タレント側の感覚も一般人と近くなっていることもあるのでしょう」(同)

 ただし、すべてにおいてタレントの意思が優先されるわけではない。当然、スポンサー企業や広告代理店、テレビ局といった仕事先への報告や根回しは最低限必要であり、こうした状況をクリアした上で公表のタイミングを計ることになる。

「今も昔も芸能人にとって結婚はデメリットのほうが大きい。事務所としては、売れてるタレントには結婚してほしくないというのが本音です」(同)

 そうはいっても、プライベートを強制することは難しい。それなりの年齢で、人気や実績もあるタレントが「結婚したい」と言ってくれば、事務所としては認めざるを得ないところ。「結婚が許されるのは、いちグループに1人だけ」という不文律があるとされてきたジャニーズ事務所ですら、先の国分太一の結婚では、ジャニー喜多川社長が「(立場上)奨励するわけにはいかないけど」としながら、「遠慮なく適齢期になったら結婚すべきです」と発言したことが話題を呼んだ。

 さて、今年も年末年始にかけて、新たなニュースが飛び交うことが予想される。当特集では、そんな芸能人の結婚、そして出産を“お金”の視点から見ていきたい。

(取材・文/常松裕明)

大物芸能人が多かった!(気がする……)
2015年に結婚・出産した主な芸能人

1月
【結婚】

東出昌大×杏、菊地凛子×染谷将太、佐藤江梨子×一般男性、杉崎美香アナ×一般男性 ほか

2月
【結婚】

薬師寺保栄×一般女性 ほか
【出産】
北陽・虻川美穂子×イタリア料理店シェフ ほか

3月
【結婚】

観月ありさ×実業家、巨人・長野久義×下平さやかアナ ほか
【出産】
安めぐみ×東貴博、松たか子×佐橋佳幸 ほか

4月
【結婚】

一青窈×山口周平、後藤理沙×一般男性、yui×一般男性 ほか

5月
【結婚】

椿鬼奴×グランジ・佐藤大、室伏広治×一般女性、みひろ×下川真矢、シャルケ・内田篤人×一般女性、豊川悦司×一般女性 ほか
【出産】
あびる優×才賀紀左衛門、中澤裕子×一般男性 ほか

6月
【結婚】

吉井和哉×眞鍋かをり、秋山莉奈×ボートレーサー・後藤翔之 ほか
【出産】
クワバタオハラ・くわばたりえ×一般男性、絢香×水嶋ヒロ、森三中・大島美幸×鈴木おさむ、伊東美咲×実業家 ほか

7月
【結婚】

前田有紀アナ×一般男性、スギちゃん×一般女性、尾野真千子×会社役員、山岸舞彩×一般男性、松平健×一般女性 ほか
【出産】
東原亜希×井上康生、宇多田ヒカル×イタリア人男性、小雪×松山ケンイチ、広末涼子×キャンドル・ジュン、井上和香×飯塚健 ほか

8月
【結婚】

永井大×中越典子、持田香織×スポーツトレーナー、山崎弘也×一般女性、上地雄輔×一般女性、山本耕史×堀北真希 ほか
【出産】
佐藤江梨子×一般男性、藤本美貴×庄司智春、菅野美穂×堺雅人、上戸彩×HIRO、AKINA×ビビる大木、加藤あい×一般男性 ほか

9月
【結婚】

TOKIO・国分太一×元TBS社員、高嶋政伸×一般女性、千原ジュニア×一般女性、福山雅治×吹石一恵、麒麟川島明×一般女性 ほか
【出産】
中村仁美アナ×さま~ず・大竹一樹、国仲涼子×向井理 ほか

10月
【結婚】

爆笑問題・田中裕二×山口もえ、釈由美子×実業家 ほか
【出産】
はしのえみ×綱島郷太郎、中山エミリ×飯沼誠司、熊田曜子×一般男性、眞鍋かをり×吉井和哉 ほか

11月
【結婚】

中田有紀アナ×山田貴洋、吉澤ひとみ×会社経営者 ほか
【出産】
木下優樹菜×FUJIWARA・藤本敏史、蛯原友里×ILMARI、関根麻里×K、一青窈×山口周平 ほか

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