大本教誕生の地・綾部――京都・まほろばの里「志賀の七不思議伝説」の謎

――里山深い綾部市には、いまも語り継がれる数々の伝説がある。大本教の聖地でもある同地の、神話に通じる場所をめぐってみた。

苔生す神社には、様々な伝説が伝わる。ちょうど小雨が振りそぼり、なんだか幻想的な雰囲気に……。

 綾部市志賀郷の村落には古い神社や神木がひっそりと息づき、奇譚や霊験に彩られた伝説が「志賀の七不思議伝説」として今も語り継がれている。

 1400年以前の古代から文化が開け、ジンド古墳、山尾古墳など、古の記憶が染み込んだ土地は、室町時代には“まほろば”の地として「吾雀の里」と呼ばれた。

 33代崇峻天皇の時、丹後の悪鬼を退治した金丸親王 (聖徳太子の異母弟)は、里々の神仏のお陰として志賀の五つの神社を厚く敬い、その子孫金里宰相も五社の神を信心し、千日詣をしたという。そして、成就記念に五社に「藤」「茗荷」「竹」「萩」「柿」を植え、子孫や都の繁栄と豊作や吉事を祈願した。

 この五社の神に「しずく松」と「ゆるぎ松」の霊験を加えた七つを「志賀の七不思議伝説」と呼んでいる。この伝説の中で、今なお現存する二つの不思議が神事として残っている。

 その内のひとつ、阿須々岐神社を訪れた。小雨の煙る天候のせいもあり、しっとりと湿り気を帯びた山林の中に古びた鳥居が神聖な霊気をたたえている。スピリチャル系の人々の間ではいわゆる「パワースポット」にも数えられている場所だ。

 阿須々岐神社では節分の日「茗荷」占いをし、豊凶を神意に問う神事が残っている。また10月17日の大祭には、氏子から選ばれた射手により金的を撃つ大弓の神事や太刀振り、風流踊り、狂言などの郷土芸能が奉納される。

 しかし、過疎化、高齢化の影響はこうした神事にも及んでいる。太刀振りの神事は、その土地の小学生を集めて行われてきたが、氏子の金河内町の小学生は今やわずかで、神事を行うのは難しい状況となりつつあるという。

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