ネット世代の現代女性が強いられる「汝、輝くべし」という過酷な“指令”

――現代女性がネットを中心に自己をさらし続ける、その背景にあるものとは? そこから見て取れる〝現代の病〟を、政治、フェミニズム等に詳しい女性学者が分析!

『ニューヨークの女性の「自分を信じて輝く」方法』(大和書房)

 少し前の話になるが、2015年の春頃、安倍政権が「すべての女性が輝く社会づくり」という取り組みを発表し、かなりの数の女性たちがそれにイラっとさせられた。

 このキャッチコピーの何が問題だったか答えるのは簡単だ。首相官邸がドヤ顔で使用した「輝く」という言葉に、女性たちをイラっとさせた一番の原因があったからだ。

 官邸の犯したミスは、「輝く」という言葉が女性たちに行使する強制的な力を見落とし、「輝くこと」自体が現代の女性たちの生きる文脈を規定し、環境を決定してしまっていることに無自覚すぎる点にある。

 いち早く「輝く(=luminosity)」という言葉に注目していたのが、イギリスの文化研究者マクロビーだ。彼女によれば、「輝くこと」を運命づけられた現代の女性たちが生きているのは、「自己の生産という活動に、積極的に参加させられ、自分自身へのジャッジを厳しくしなければならない(…)商業的な領域は、若い女性たちへの直接の呼びかけを激増させていて、その呼びかけを拒絶するか、それに応えきれない女性たちには厳しいペナルティが待ち受けている」(The Aftermath of Feminism, Sage, 2009)ような世界だという。

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