【著述家・プロデューサー/湯山玲子】男性論から見るりゅうちぇる――女性マインドをもつりゅうちぇるは本当の意味で男らしく見える!

――テレビで見ない日はないと言っていい、大人気タレントのりゅうちぇる。なぜ、テレビ業界や視聴者にこれほどまでに受け入れられるようになったのか?あるいは、そのジェンダーレスなファッションと話し方は、日本社会に潜む“何か”を表象しているのか? この時代の寵児の本質を、複数の視点から解明していきたい。

湯山玲子(ゆやま・れいこ)
日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。映画、音楽、食、ファッションといった領域のほか、『スッキリ!!』(日テレ)などテレビでも活躍。著書に『女装する女』(新潮新書)、『男をこじらせる前に』(KADOKAWA)など。

女言葉を使うりゅうちぇるは、女にとって理想の結婚相手?

 今は男が男から逃げ出している時代なんです。昔、男の居場所といえば、パチンコ、居酒屋、スナックだったけれど、今そこにいる顔ぶれは50代以上。その下の世代の男たちがどこにいるかといえばカフェ。そう、“カフェ男”がはびこっています。

 その元祖が村上春樹。本人も、小説の中の主人公も、です。彼は全共闘時代に、イデオロギーや思想といった大義に背を向けて、コーヒーやジャズというお気に入りに囲まれた自分にとって居心地がいい空間や時間こそが信じられる、という感覚優位主義を打ち出したのですが、カフェ男はまさにそういう存在。とはいえ、その根底には「センスがいい俺」を競う男の競争原理があり、そんな俺を称賛する女が好き。すなわち、旧来の“男らしさ”は背負いたくないけれど、心の中では男的なマウンティングから抜けきれていない、というのがネックでした。

 そこでりゅうちぇるですが、彼は男でいながら完全に男らしさの呪縛から離れている。それでいて、ボクちゃんが一番というナルシズムではなく、“女を愛する男”というマッチョの原型は維持、というラインを打ち出しているのがスゴい。

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