オタク以外に誰が観るの?地下アイドルが主演するインディペンデント映画の功罪
――ここ数年、活動しているアイドルグループの数と同じぐらい量産されているアイドル主演の映画。成功を夢見る自主映画監督と、もっと推されたいアイドルたちの努力の結晶のはずが、低予算ゆえ、いざこざが絶えず、また、応援してくれるはずのファンたちも乗り気じゃないという。それでは、誰がアイドル主演の映画を観て喜ぶのか? 各人の思惑と、その可能性/悲惨さを考察していく。
第6回きりゅう映画祭にて上映され、ネットを中心に話題を呼んでいる映画『堕ちる』。監督・脚本は乃木坂46・NMB48などのMVを制作してきた村山和也氏。
無口で真面目な熟練織物職人が、ふとしたきっかけで地下アイドルにハマっていく様を描いた映画『堕ちる』(16年)が、局地的に人気を博している。この30分程度の短編映画には、アイドルグループLuce Twinkle Wink☆のメンバー錦織めぐみが出演していることもファンの間で話題となったが、実はこの1~2年だけでも、ニューウェーブ系アイドル・ゆるめるモ!の『女の子よ死体と踊れ』(15年)、ヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolの『リリカルスクールの未知との遭遇』(16年)、インディーズ女性アイドルとして日本初のオリコン1位を獲得し、“最強の地下アイドル”を謳う仮面女子の『仮面女子映画シリーズ』(16年)など、アイドル映画が数多く公開されているのだ。
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