中世イスラム最大の医学者が登場する 『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』その中身とは…
本文でも紹介した映画『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』は、11世紀のイングランドとペルシアを舞台にした医学冒険物語とでもいうべき映画。その時代、イングランドでは理髪師が医療を担っており、口八丁の医療で渡り歩く理髪師のもとで旅を続ける青年が主人公。その旅の過程で、ユダヤ人たちから、世界で一番進んだ医療が学べる学校がペルシアにあると教わり、医学を究めたい一心で過酷な旅へと旅立っていく。
そのペルシアの世界一の医師というのが、イブン・シーナ。世界史に詳しい向きなら聞き覚えがあるかもしれないこの人物は、11世紀に実在した医学者で、その学問は神学・数学・天文学・医学・哲学にわたり、著書『医学典範』は12世紀から17世紀にかけて西欧でも医学の基本書として用いられ、「アヴィケンナ」のラテン名でも知られている。当時ヨーロッパでは忘れ去られていたアリストテレス哲学を土台とした彼の学問は、世界の最先端だったのである。
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