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【データ分析】2023年を振り返る ーニック・ターリー投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日はニック・ターリー投手です。


選手詳細

ニック・ターリー(Nikolas Carlyle "Nik" Turley) 投手 34歳 193cm104kg 左投左打

基本成績

一軍

二軍

寸評

力強いストレートと鋭く曲がるスライダーを投げ込む左のサイドスローリリーバー。今季はイニング数・勝利・ホールド・防御率・WARなどあらゆるスタッツで昨季を上回り、チームのAクラス入りに大きく貢献した。年齢や腰痛という不安要素があって契約更新とはならなかったが、来季は楽天でプレーすることが決まっている。

分析

※二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。

Pitch Type

 ストレート・スライダー・カーブ・チェンジアップの4球種で構成されています。割合は昨季と大きく変わってはおらず、ストレートとスライダーが投球の軸になっていることが分かります。
 平均球速は1km/h低下したものの、151.4km/hと常時150km/hは出ていたようです。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-はマイナスに転じており、昨季と比べて投球テンポは速くなっていたことが分かります。Timer Equiv.は9.3とピッチクロックが導入されても問題ない数字となっています。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でもTempo+/-はマイナスとなっており、投球テンポの速さは変わっていなかったようです。Timer Equiv.は19.3とこちらもピッチクロックが導入されても問題ない数字になっています。ただ、20秒にかなり近い数字となっているため、投球テンポの見直しは必要となってくるかもしれません。

Pitch Value

 ストレート・カーブ・チェンジアップがプラスとなっています。スライダーは曲がりが大きくボールゾーンへ投じるケースが多いこともあってか、昨季に続いてマイナスとなっています。ただ、昨季は大きくマイナスだったチェンジアップはプラスに転じており、今季の成績良化の1つの要因となっていることが推測されます。

Plate Discipline

 コンタクト率・空振り率・Whiff%は昨季より良化しており、平均よりも良い数字となっていました。特にゾーンコンタクト率が平均87.1%に対して79.5%と低くなっており、ストライクゾーンの中で空振りを多く奪えていたことが分かります。Pitch Valueがプラスとなっているストレートとチェンジアップが大きな要因となっていることが推測されます。

Batted Ball

 昨季はグラウンドボールピッチャーでしたが、今季はフライボールピッチャーとなっています。ライナー率も14%と高くなっており、打球に角度をつけられるケースが多くなっていたことが分かります。

 Soft%とHard%は大幅に悪化しており、どちらも平均より悪い数字となっています。防御率などを見ると圧倒的なピッチングをしていたようにも思えますが、実際はフライとライナーが多く、捉えられた打球も多いという危ないピッチングとなっていたことが推測されます。

Advanced

 K%・BB%ともに良化し、K-BB%は平均12.3を上回る15.5となっています。DERが昨季の.796から収束して.649になった影響もあってか、被打率は.264とかなり高くなっています。それもあってか、与四球は減ってもWHIPは1.31と上昇してしまっていました。ただ、HR/9が0.22と大幅に良化し、FIPとtRAはどちらも2点台と優れた数字となっています。
 来季に向けての最大の懸念点はLOB%の高さです。今季のリーグ平均76%に対して84.2%と2年連続で80%台となっており、来季以降にこの数字が平均へと収束していくことが考えられます。LOB%が低くなれば当然失点も増えるため、来年以降はかなり防御率が悪化することも充分考えられます。

Win Probability/Value

 全てのスタッツが良化しました。特にWPAは1.31と高く、40イニング以上のリリーバーではリーグ5位となっています。重要な場面で抑えるケースが多かったことが分かります。WARも0.7となっており、リリーバーながらチームに大きく貢献していたことが分かります。

まとめ

 空振り奪取能力も高く、三振も多く奪うなどリリーバーとして優秀な数字を残したシーズンとなりました。ただ、高いHard%やLOB%、ライナーの多さなど不安要素も多いシーズンでもありました。契約を更新しなかった時には疑問を抱きましたが、34歳という年齢や腰痛持ちであるということ、より若い左のパワーリリーバーであるハーンを獲得できたことを考えると、退団もやむを得なかったのではと考えるようになりました。もちろん、FIPやtRAなどの数字は素晴らしく、来季以降も良い数字を残す可能性も充分に考えられるため、来季から安楽を欠く楽天のブルペン陣を救ってもらいたいところです。

画像引用

データ参照


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