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優勝へのラストピースとなれるか?昇格したシャイナーを分析

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

本日、開幕2試合目にして右手中指を剥離骨折して離脱していたシャイナーが一軍昇格となりました。多くのカープファンは二軍成績を見てあまり期待していないであろう助っ人を、本noteでは各スタッツを確認しながら分析していきたいと思います。

※データは全て7/9終了時点のものになります


基本成績

 まずは基本成績の確認です。

打低環境とはいえ悲惨すぎる成績

 100打数以上の出場機会を与えられながら、打率/OPSは.171/.504でWARは-1.2となっています。一軍でもスタメン剥奪は間違いなしの数字を、二軍で残してしまっていては期待しろと言われても無理な話です。

Pitch Value

 続いて球種別得点増減の確認です。

ほぼ全てがマイナス。1つだけ得意球種が…?

 ほとんどの球種がマイナスとなっています。打率が1割台のため当然といえば当然でしょう。ただ、その中でもフォークだけは2.87とプラスになっており、縦変化の球種は苦手としていない可能性が考えられます。

Plate Discipline

続いて打撃内容の確認です。

待球タイプでアプローチは粗め

 スイング率は平均以下ですが、ゾーン外の数字が高く、ゾーン内は低くなっています。バッティングスタイルは慎重で、振るべき球を振れているかとは聞かれればそうとは言えなさそうです。

コンタクト能力は優秀で空振りは少なめ

 一方で、コンタクト率は平均より4.3%高く、コンタクト能力には長けているようです。ゾーン外コンタクト率が8.6%高く、ボール球に手を出してしまっているものの食らいつくことはできているようです。また、空振り率やWhiff%も当然平均以下となっており、外国人によくある空振りが多いタイプではないことが推測されます。

Batted Ball

続いて打球性質の確認です。

最も打球価値の高い打球が多い

 ゴロ率が平均以上となっていますが、ライナー率が15.5%と平均の倍近くとなっており、必ずしもグラウンドボールヒッターとは言えなさそうです。最も打球価値の高いライナーを多く打てていることは明るい材料です。

センターから引っ張り方向が中心

 打球方向は流しが10%台、引っ張りとセンターが各40%台となっており、センターから引っ張り方向への打球がほとんどとなっていることが分かります。広角に打ち分けるわけではありませんが、プルヒッターというわけでもなさそうです。

安打を放つためのバッティングはできている

 Soft%、Hard%がそれぞれ平均より優れた数字となっており、捉えた打球が多くなっていることが分かります。安打を多く放つためには、当然弱い打球を少なく、強い打球を多くする必要があるため、シャイナーは安打を放つためのバッティングはしっかりとできているということになります。

Advanced

続いて打撃結果の確認です。

選球眼はそれなり。結果は悲惨

 四球率と三振率は平均より悪くなっていますが、極端に悪い数字ではなく、BB/Kも平均0.54に対して0.43と壊滅的ではありません。打率~OPSは全て平均以下とやはり結果は出ていません。ただ、ISOは平均を上回っており、長打力は多少は発揮できていたようです。

BABIP

BABIPとは?

 本noteで最も重要視しなければならないスタッツ、それはBABIPです。前回の常廣のnoteでも少し触れましたが、BABIPとは【本塁打とファールを除く打球が安打となった割合】です。このスタッツは出場機会が多くなれば平均値=大体3割前後に収束していくものであり、セイバーメトリクスに精通していない野球ファンでも運要素の強いスタッツとして耳にしたことがあるかもしれません。ただ、実は打者は投手よりも運要素が弱く、高いBABIPを維持し続ける選手もいます。あのイチロー選手もそのうちの一人です。そのため、運が悪いかどうかは選手自身のBABIPがどれくらいで推移しているかを確認しなければなりません。これまでのシャイナーのBABIPが1割台で推移してきた可能性が考えられるためです。

低打率は不運によって引き起こされたものだった

 .286~.333の間で推移しています。念のための確認でしたが、やはりシャイナーの.195というBABIPは本人の実力から推測されるものよりかなり低くなってしまっていることが分かります。シャイナーはかなりの不運によりここまで結果を出せていないと結論付けて問題ないでしょう。

Fielding

 最後にシャイナーの守備に軽く触れておきましょう。

エラー多めワンバン捕球はまずまず

 主にファーストとして出場し、守備率は.976、スクープ成功率は4/5成功で80%でした。エラーはやや多めですが、ワンバウンド捕球はある程度出来ているようです。

守備範囲×確実性△

 RngRが-2.4、ErrRが-0.7でUZRは-3.1となっています。守備範囲はかなり狭く、確実性にも欠けているようです。守備でプラスを叩き出すのは難しいでしょう。

まとめ

打撃内容は良く、今の打線であれば救世主となる可能性もあり

 以上、シャイナーの各種スタッツの確認でした。
 結果は悲惨ですが、それは不運によるものであり、打撃内容自体は希望が持てるものでした。ただ、これはあくまで二軍でのスタッツのため、BABIPが収束して一軍で本来の実力を発揮できたとしても、ジャイアンツのヘルナンデスのように大活躍できるかは微妙なところです。しかし、今の悲惨な打線、特に固定できていないファーストとして出場できることを考えれば、一軍で試す価値はあるでしょう。昨年AAAで30発の打棒を発揮してくれることを信じるしかありません。

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