『荒地』を愛でる「火の説教」 5

Musing upon the king my brother's wreck
And on the king my father's death before him.
White bodies naked on the low damp ground
And bones cast in a little low dry garret,
Rattled by the rat's foot only, year to year.

https://poetry.hix05.com/Eliot/eliot09.sermon-2.html#google_vignette

わしの難破した兄の王のことや
それ以前に失くなった父の王のことを冥想しながら。
裸の死骸が低い沼地の中で白くさらされたり、
小さい低い乾いた屋根裏に捨てられた骨は
毎年鼠の足でカラカラ鳴るばかりだ。

荒地 https://amzn.asia/d/5kw3Eji

わが兄弟である王の難破について
その前のわが父の死について思い巡らしていた。
湿った低い地面には裸の白い身体が
乾いた低い屋根裏部屋には投げ捨てられた骨が、
来る年も来る年も、ネズミに踏まれてカタカタ音をたてるだけ。

http://www.shumpu.com/portfolio/727/

兄の王は、ジョイスとすれば
父の王とは、パウンドかもしれない。
あくまで私の場合は超読だから話し半分にして欲しいが
同年に「ユリシリーズ」は出ているしエリオットはそれを称賛している。
「ユリシリーズ」は「オデュセイア」が下敷きになっている。
また、パウンドも「キャントーズ」もあるから、超読をしてしまう。

骨なんかは、エゼキエル書の預言もある。
つまり、彼らは死んだかもしれないが、復活するのだ。

鼠は土手(bank)でヌルッとしていたが、
屋根裏部屋(garret)では、カラカラとしている。
戦争は、国益で勃発する。
それは勝てると踏んで仕掛けるのみでなく、負けるかもしれないが参戦するということがある。
(Bank)の要請だったのかは、分からないが、(garret)→政治家たちの枯れた骨がある。
そこには、鼠がいる。(何を指すかは分からない)
昨日と今日は数行の違いだからイメージ引力が強い。
鼠の動きのイメージの対比である。
つまり、異なる同じイメージが用いられている。
だから、私は、皮肉ではないかと読む。

超読だから話し半分で読んで欲しい。

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