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ボタン電池の数字の後ろのローマ字は?

ボタン型やコイン型の電池については前回その概略を説明しました。今回はもう少し詳しく説明します。


|数字の後ろに続くローマ字はなにを示す?

前回もちょっと説明しましたが、
 LR41とSW41W /SR41SW は、大きさ・形状は一緒
だが、電池の材質が違う。その結果、特性にも違いがあるのです。

具体的には、
 LR41の電圧は1.5V
であるのに対し、
 SW41W /SR41SW は 1.55V
電圧の差が0.05V程異なります。

LR、SW、SRも、その後のサイズを示す数字が同じ「41」なので、電池ボックスに収まるし、わずかな電圧差なので使用上は余り支障がないといえます。

|「W」や「SW」がつくものは?

それででは、腕時計などに多く使用されている酸化銀電池の品番の末尾に「W」や「SW」の表記がある製品がありますが、
  ”W”、”SW
で違いがあるのか?互換性はあるのでしょうか?

まず、素材である電解液に違いがあります。

Panasonicの例

上記はPanasonicのHPの記載ですが、電解液の違い、用途の違いが表示されています。
どうやら電力、電流の違いがあり、強い電力(大きな電流)を出すことができるか、弱い電力で長く使えるタイプなのかの違いがあるようです。

”W”の方が強い電力を出すことができる強電流タイプ
であり
”SW”弱い電力を長期間出すことのできる弱電流タイプ
になっているのです。
※ご案内かと思うが、電力に関する重要公式は、
 電力[W] =電圧[V]×電流[A]
であり、電圧が一定であれば、電力が大きくなるということは、電流が大きくなるということになる。

素材の違いが結果として電池適用規格に違いが生じているといえます。

そしてSR○○○WSR○○○SWという電池の品名についている「W」という文字は、腕時計用電池の規格を満足していることを表しているのです。

具体的には
○ SR○○○Wというように数字の後に”W"という文字の付いている電池は、
 腕時計用電池の規格を満し
バックライトやストップウォッチ、アラーム機能などが付いた多機能(デジタル)時計に適しているハイレートタイプ(重い負荷に耐えられる強電流タイプ)です。

○ SR○○○SWというように数字の後に”SW”の付いている電池は、時計の針だけを動かすようなアナログ時計に適したローレートタイプ(軽い負荷用、弱電流タイプ)ということになっています。

○ SR○○のように"W"の表記が無いものは「一般用」であり、腕時計用電池の規格を満足することを保証していません

本来「W」の文字の入った電池を使用すべきデジタル時計にSWタイプの電池を入れると、それらの機能が正常に働かなかったり、時計が止まるといった不具合の原因となる可能性があります。

機器を正常に作動させるためには、デジタルや多機能時計にはWタイプの電池を、アナログ時計にはSWタイプの電池を使用するなど、適切な使用をすることが極めて大切です。

※メーカーHPより転載

具体的な例では
○ ボタン電池SR43は、主に時計以外の一般機器に使用する。
○ ボタン電池SR43Wは、主にバックライトやアラーム機能などが付いた多機能腕時計に使用する。
○ ボタン電池SR43SWは、主に時計の針だけを動かすタイプのアナログ腕時計に使用する。
ということになります。

参考まで、以下のパナソニックのホームページ記載の内容を転載させていただきました。

PanasonicのHPより引用

|おわりに

ボタン電池にもいろいろありますね。
基本的には、機器の取扱説明書等をご確認の上、同じ品名、番号の電池と交換することにしましょう。


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