福田美里|tiny lights を開催中
ただいまCyg art galleryでは、宮城県石巻市を拠点に活動するペインター・福田美里の個展「tiny lights」 を、盛岡市紺屋町のBOOKNERDと同時開催しています。
色鮮やかに物語るのが特徴的な福田の作品ですが、どこか自分の体験とも重なるような親しみも感じます。
福田は、河川敷や花壇の草花、友人たちの何気ない仕草、道端で通り過ぎていく景色などありふれた日常の一場面を覚えては、そこに存在する小さなきらめきを見出し、絵として留めおきます。映画や本、音楽などのカルチャーから、イメージのヒントを受けることもあるそうです。実際の風景を描くこともあれば、空想的に思い出や頭のなかのイメージを組み合わせて描くこともあり、また色から着想を得ることもあるといいます。
わたしは、そんな作品群をみて、どこかの誰かと緩やかに繋がっているという充足感と安心感を覚えます。そして、自分自身の日常もパッと絵になる瞬間に溢れているのかもしれないという希望と心地良いあたたかさを感じました。
今回は、福田美里作品に迫るために、作家から聞き取りした数点の作品の背景を少しだけご紹介します。
CygスタッフC
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《Goldenrods》2019
和名をセイタカアワダチソウ(アキノキリンソウ属)という外来種の植物が河川敷に生い茂っている様子を描いたもの。根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出すアレロパシーという現象を持っている植物です。最近は、植物の侵犯してくるような力強さに興味を持ち、生茂る植物をモチーフとすることが多いとのこと。
《The bed kingdom》2020
The Sofakingdom/PUNPEE というアルバムから着想を得た作品で、好きなものをコラージュするようなイメージがあるそうです。今年の新型コロナウイルスを取り巻く状況に影響を受けた部分も大きく、友人と友人のベットを箱庭のように見立て、周りに思い出やお気に入りを詰め込んでいます。
《tiny lights》2020
展覧会タイトルにもなっているtiny lightsは、より日記的にありふれた風景をドローイングしています。草花や食べ物、友人たちの様子など、福田の身近な出来事が絵として切り取られています。
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福田美里作品の背景を少しだけご紹介いたしました。
展覧会は10月18日(日)まで開催中です。中津川を挟んで徒歩8分ほどのBOOKNERDと併せて、ぜひ会場でご覧ください。
※感染症への対策については、Cygウェブサイトからご確認いただけます。
福田美里|tiny lights
2020年10月3日(土)-10月18日(日) Cyg art gallery・BOOKNERD同時開催
○Cyg art gallery 11:00ー19:00/火曜・水曜定休
○BOOKNERD 12:00ー18:00/火曜・水曜定休
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また、オープニングトークとして“街に小さな火をくべる”というテーマで、作家の福田美里、BOONERD店主、Cygキュレーターが、語り合った映像も配信中です。
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Cygまでなかなか足を運べないという方に向けて、今回の出展作品から一部がオンラインショップでもお求めいただけます。こちらもぜひご覧ください。
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