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「知ってもらう」日本航空の機内安全ビデオの丁寧な作り

みなさんは、飛行機に乗ったときに機内安全ビデオを見ますか?

日本航空の機内安全ビデオが9月から刷新されます。

機内安全ビデオといえば、先にリニューアルされたANAのものが話題になりました。

飛行機が動き出したあと、すぐ目を閉じられる方、本を読まれる方、おしゃべりに興じられる方・・・。航空機の安全性の高さへの信頼の裏返しではありますが、機内安全ビデオに視線を向けている方は多いとは言えません。

そんな中「歌舞伎」をフィーチャーして、楽しく、かつ海外の方にも興味を持って「見てもらう」ことに力を尽くしているのがANAの機内安全ビデオ。
歌舞伎の「所作」や「お約束」を上手にとりこんで、最後まで飽きずに見切れるものに仕立ててあります。

一方で、JALの新しい機内安全ビデオは、特段目新しい印象は受けません。出演するのもCA(役の方)だけ。他はすべてCGです。

特徴的なのは「何がダメ」を延々と説明するのではなく、「ダメなことをしたらどうなるのか」を表現していること。禁止の理由を「知ってもらい」、乗客自身に「守ろう」という意識を持ってもらうことに心を砕いているのです。

多くの情報が氾濫する現代では、往々にして映像に「映え」や「インパクト」が求められるものですが、あえて伝えたいことを実直に映像化し、いざというときに実効性のあるものにしようとしたJALのみなさんと映像制作に関わった方の思いと努力が垣間見えます。

機内安全ビデオの視聴は、自身の、そして一緒に搭乗している乗客の生命を守るための第一歩です。離陸前の「ルーティーン」として「安全のしおり」に目を通すことと合わせて実施し、楽しいフライトをお過ごしください。


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