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レンタル移籍の半分が終わりました!(365日後にクルマ業界に帰る太田のnote(残り164日))

2022年1月よりクルマ業界からローンディールという仕組みを活用してレンタル移籍している太田です!

レンタル移籍が始まってもう半年が経ちました!この半年間は、想像もつかなかったことの連続で、あっという間に過ぎてしまいました。まさに「Time Flies」です。レンタル移籍した当初は、飛び交う言葉(単語)が分からなかったり、メインで使う業務ツール(アプリ)が違ったり、この先どうなることやらと不安な日々だったことを思い出します。「同じ環境に慣れ過ぎていたんだな」(クルマ業界に12年)といった恐怖さえ覚えたのを思い出します。
今回の記事では、そんな私がいかに奮闘して半年を過ごしてきたかと合わせて、CyberneX内での出来事も私なりの視点で書いていきます。

レンタル移籍前から今日までのライフライン

■私の半年間

私の半年間を一言で表すと「無知の知」だと思います。CyberneXにおける自分の付加価値(貢献できること)は何なのか?こんな自分への問いかけから始まりました。具体的に言うと、私自身は組織の論理から脱却して、「自分には何が出来て、何を約束できないか、自分とは何か」といった個の論理を起点に考え抜いた半年でした。

最初の1か月、CyberneXにとっての「必要なピース」は何か?を自分なりに探してみました。そもそも私は脳神経科学の専門家でなければ、ソフトウェアエンジニアでもありません。社内では聞いたことのない単語が飛び交っていました。あと、ビジネス用語だって意外に知らない自分に落胆しました。これはマズいなと思い、週末にUdemyでプログラミングに触れてみたり、読書をして言葉だけはキャッチアップしていました。

メンバーで脳波を見ながら喧々諤々している様子(専門用語が飛び交う汗)

3月に入ると、コロナまん延防止等重点措置等期間が終了して週末も外出が出来るようになりました。ちょうどその頃、CyberneXでリラクゼーションサロン事業を始める話が出てきました。メニューにはアロママッサージとマインドフルネス瞑想があります。この領域も私にとっては未知の世界です。外に飛び出して体験してみようと思い立ち、週末はマッサージサロンやマインドフルネス講座に足を運ぶようになりました。

そんな中私が見つけた「必要なピース」のひとつが、社内実験専属のセラピスト役でした。リラクゼーションサロンXHOLOSでは、お客様がどれだけリラクッスして頂けたかをレポートとして見える化(フィードバック)しています。リラックスの判定に脳波を使っています。ただ単に脳波をそのままお見せして、「〇〇波」が出ていましたね!なんて言っても理解してもらえませんよね。

CyberneXは「脳情報を日常へ」を掲げているため、より親しみを持ってもらえる表現にしなければいけません。我々が考えたのが「α Relax Score」と呼んでいる表現方法です。簡単に言うと、来店頂いた時の脳波状態と比べて施術によってどんな変化があったかを相対評価するものです。つまり来店時をスコア50として100点満点のスケールでフィードバックするものです。

リラクゼーションサロンの施術中は、マッサージによる揺れだったり、お客様の姿勢の変化による筋電の変化があったりと、欲しい脳波以外のノイズが乗ってきます。これらノイズを除去して体感に合うスコアを算出しなければいけません。

そこで我々は、オフィス内にリラクゼーションサロンを模擬して、アルゴリズム(ノイズ除去や体感とのマッチ)を造り込む実験を繰り返しました。この中で私は週末に受けてきたマッサージをお客様役のメンバーに再現する役でした。この実験データをメンバーで見返して議論しながらアルゴリズムの方向性を決めていきました。

脳波デバイスはサロン用にモデルチェンジしました。仰向けや、うつ伏せ、どんな姿勢でも使えるデバイスです。ハードウェアエンジニアを中心に開発が進められました。この過程でMVP(Minimum Viable Product)開発を伴走することが出来ました。3Dプリンターを使った試作の速さやコストの低さには驚かされました。また秋葉原に他社のイヤホンをベンチマークに行ったときは、東京のモノや情報の豊富さに圧倒されました。

クルマ業界にいては出来なかった経験や新しい人たちとの出会いが私の価値観をアップデートしてくれています。半年たった今でさえ「無知の知」です。

XHOLOS(リラクゼーションサロン)開業に向けたアルゴリズム開発のワンシーン。
セラピスト役を太田(左)、お客様役をデータサイエンティスト岡田(右)

■脳波は奥が深い!

突然ですが、皆さんは人の脳波をご覧になったことはありますでしょうか?

脳波は脳みそにある神経細胞が出す電気活動です。その電気活動を簡単に捉えるデバイス技術をCyberneXは保有しています。脳波の姿はリズミカルなサインウェーブをしています。これを見れば、その人がリラックスしているのか、緊張、集中しているかなどが分かります。

多くの人の脳波を測定して分かってきたことですが、人によってウェーブの形が違うようです。人の顔が違うように脳波だって違うんですよ。一般的に人は目を閉じるとα波が出るそうです。α波とは、心が落ち着いてゆったりした気分の時にあらわれやすい脳波です。
しかし、私は目を閉じてもα波が簡単には出てくれません(変わり種)。でも心配は不要で、訓練によってα波があらわれる心の状態をつくりだすこともできるのです。脳はトレーニングによって、変化するのです(脳の可塑性)。イメージとしては「筋トレ」によって腕が太くなるような感じです。
自分の脳波の変化を見ながら、自分が変化していくのに気付くって面白い体験です。脳波は目に見えるものでないのでスピリチュアルなイメージを持たれがちですよね。体温だったら触って分かるものだし、顔が火照ったりします。

CyberneXのWindowsアプリで見た脳波

でも一般の方に脳波の〇〇波が出ていますと言っても、直感的に伝わりにくいですよね。ですので我々は100点満点のスコアを使って、各々のリラックス度や集中度を表現することを考えたりしています。

ネガティブコントロールとして、不快な臭いを試したり、うんこの素をマスクに塗ってお風呂場に籠ったこともありました。脳波って、変幻自在に変わっていくものなんですよ。目を空けている時と閉じている時でも違いますし、その人の年齢や体調(e.g. 睡眠、ストレス)によっても変わります。

こんなことを言うと脳波は不安定で信頼して良いものか心配になるかもしれません。しかし、ひとりの脳波を通して観察していくと、その人の特徴が見えてくるものなのです。将来は指紋と同じような役割を果たす可能性すらあるという意見もあるようです。脳波を見て、「〇〇さんだ!」。こんな時代はまだ先ですのでご心配なく。

これが6月のリラクゼーションサロンXHOLOSの開業に繋がってきます。

これからもCyberneXでは難解でとっつきにくかった脳波を、日常生活にどのような形で溶け込ませるかを考えています。自分自身や相手の心理状態を察するよりも簡単にコミュニケーションが取れる手段として、さらには自分に「気づき」を与えるような、あったら良いなと思えるサービスとわくわくを考えていきます。

■会社の半年間

私の視点でCyberneXの出来事を書いていきます。もっとも大きな出来事はリラクゼーションサロン事業XHOLOSを始めたことだと思っています。年初は脳波デバイスの開発型スタートアップ企業だと思っていたのが、今ではアロマスタートアップになっている。社内のメンバーも半年前には誰も想像していなかったと思います。もちろん、CyberneXはアロマを極めたい訳ではありません。目的は取っつきにくかった脳情報の活用を一般の人にも体験していただきたいとの思いで、自ら箱庭をつくったという訳です。

予行演習のワンシーン(中央が私)

リラクゼーションサロン事業XHOLOSの立ち上げは、間違いなくCyberneXを良い方向に導いてくれるキッカケになったと思います。

これまでにハード、ソフトエンジニアから脳神経科学に詳しいデータサイエンティストまで揃っていました。しかし、集まったエンジニアたちも自分たちのエネルギーの矛先をどこに向けたら良いかが分からないといった閉塞感が多少なりともあったと思います。しかし、このリラクゼーションサロン開発(初の自社事業)は、みんなが一致団結する機会になったと思います。開業後はCyberneXへの問い合わせや取材が増え、歯車が良い方向へ向かい始めた感じがしています。

例えるなら、技術力を持て余してジャングルを彷徨っていたところ、新たに加わったビジネス開発メンバーが獣道を見つけて、とりあえず行ってみよう!と皆で旅に出たような半年間です。

事業フェーズも次のステージに移りました。これを桃太郎のお話に例えてみます。桃太郎(CXO=リーダー)は、鬼(社会課題)退治をして平和な世の中を創ろうといったビジョンを掲げます。そのビジョンに共感したメンバーが次々と集まってきます。支援者も現れて、みんながこのビジョンにワクワクし同じ方向を歩んでいっているイメージです。

事業フェーズを桃太郎で表現(目指せ!IPO)

なぜCyberneXに人が集まってくるのか?を考えてみたいと思います。

一般的な会社や組織において、メンバーがCXOについていくのは、CXOがリーダーシップを発揮したからではなく、ヒエラルキーによるものではないでしょうか。つまり、雇用する側とされる側の契約を守れば、給与が支払われ、日々の生活が成り立つのだとの認識からだと思います。

CyberneXは「権力や権限、仕組み」でメンバーが動いているのではない!ということです。メンバーたちが自発的に動いている姿が、私にとって刺激になっています。カッコいいビジョンだけでは、メンバーは付いていきたいとは思わなくなりますよね。サルの群れで例えてみますと、リーダー(ボス猿=CXO)は移動する時は先頭を歩き、みんながリラックスしたり、食事をする時は中央にいるそうです。なぜ、移動の時に先頭かと言うと、旅は危険だからです。自らが命を駆けている頼もしいリーダーの姿があるからこそ、みんなが付いて来て群れをまとめることができるのでしょう。

私は「組織におけるリーダーシップ」とはどうあるべきか?を考えさせられました。

老舗大企業とスタートアップ企業におけるリーダーシップは違うものかもしれません。またメンバーに求められるものも違うかもしれません。

レンタル移籍前の私は、所属組織が持続的により安定的に活動できるように、ルールを守り、誰もがいつでも同じように活動できるように意識してきました。こうなったのも必要とされる人材は、ルールに即して円滑にルーティーン作業を効率的に回せる人たちであり、これが評価されてきたと思っているからです。私自身、こんな決められた「やらされ仕事」をこなすのに慣れ切っていたと思います。全ての始まりは「標準」はどうなっているか?「実績」はどうなのか?こんなイメージです。

それに比べてCyberneXでは、皆が自分で絵を描いて新しい事をやろうと意見を出し合っています。これが出来るのも、世の中の流れをキャッチアップしているから出来ることです。とにかくメンバーの情報感度が高いと感じます。自由度は高い分、しっかりと自分たちで考え抜く力が問われます。私は本来、新しいものが好きなので少し羨ましく思ったりすることもありました。

隣の芝が青く見える状態だった私にメンター(※1)からもらったアドバイスの一つが印象的だったのでを紹介させて頂きますと、「スポーツで例えるならば「競技」が違うのだから、どちらが良いとか比べるものではない。事業フェーズや規模によっても必要とされることは違うものだよ」。なるほどな!と。ここでも「無知の知」だったことに気付かされました。

(※1:ロンディールの仕組みで移籍中はメンターが1人伴走する制度があります)

ビジネス開発サイドもエンジニアリングサイドも人財が厚くなり、次の半年後はもっと驚くようなことを始めているかもしれません。乞うご期待下さい!

■今後の抱負

「必要なピース」をあといくつ見つけられるだろうかを考え、リーダーシップとはどうあるべきかを考えていきたいと思います。よいお手本が見られるのも残すところ半年です。

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さ(青さ)を知る」。
空に向かって飛び出したカエル(私)は、空の青さをもっと理解して井の中(移籍元)に戻れるように、あと半年頑張ります!!

ぜひ、我らの自信作XHOLOSにお越しください!
エクゾロス 麻布広尾(XHOLOS)|ホットペッパービューティー (hotpepper.jp)

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