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1月 19 | 一年で聖書を:創世記 46-48 ; マタイ 13:1-30
創世記46:家畜
47:祭司たちの土地
48:祝福
マタイ 13:1-30:種、御国
(2) 「毒麦」という語彙
テキストを見ると分かるように、25~30節の各節に「毒麦」と訳された語彙が登場します。36~43節のたとえの解説の部分も含めると、全部で10回、そのうちの2回が「代名詞」です(28節と39節)。
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右図にあるように、左側が「毒麦」、中央が「小麦」、右側は「大麦」です。成長するとおのずと違いがはっきりとしてきますが、発育の初期はいずれも似ているようです。「毒麦」と訳された語彙はすべてギリシア語の「ジザニオン」(ζιζάνιον)の複数形「ジザニア」(ζιζάνια)です。「毒麦」は小麦の間から出て来る一種の雑草で、ある種の毒があると言われています。また毒麦を抜こうとすると、小麦の根は弱いため、いっしょに引き抜く危険があるので、収穫まで毒麦をそのままにしておくと言われています。ちなみに、「麦(小麦)」の方は「スィトス」(σῖτος)で、なぜか単数形です。
ヘブル語の新約聖書では「毒麦」のことを「ゼヌーニーム」(זְנוּנִים)としています。これも複数形です。あるいは「ズーネー」(זוּנֵי)、「ハッズーニーン」(הַזּוּנִין)とも訳されています。しかし、旧約聖書で「毒麦」という語彙は一度も出て来ません。新約聖書でも「毒麦」はマタイの福音書の13章にしか登場しません。珍しい語彙なのです。ところで、「ゼヌーニーム」(זְנוּנִים)は「姦淫、売春、淫行、神への背信、偶像礼拝」を意味します。特に、ホセア書でイスラエルの民を言い表すのに多く使われます(1:2, 2:6, 4:12, 5:4など)。「ゾーナー」(זוֹנָה)で「遊女」。「エーシェット・ゼヌーニーム」(אֵשֶׁת זְנוּנִים)で「姦淫の女」。語幹となる動詞「ザーナー」(זָנָה)で、「淫行をする、みだらなことをする、姦淫をする」ことを意味します。これらは、神の敵である悪魔の働きによるものであることは言うまでもありません。
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