まして若さは

 先輩後輩とは上手くやれるのに、同級生とは上手くやれない。インターネッツ・人間関係は上手くやれるのに、現実人間関係は上手くやれない。なんでかなあなんでかねえと思っていたが、つい先日解決しました。素がめちゃくちゃにクソカスだからでした。もうええわ。ありがとうございました。

 良妻賢母という言葉があるが、良先輩賢後輩の猫をかぶれるのに自分本体は悪で愚か。旱のときは涙を流し寒さの夏はおろおろ歩いているのに。でくのぼうが素だ。おそらくは。もう分からないが。「求められてできる範囲」までが自分なのか、「快楽と無知のままに他を蹂躪する発作」をもが自分なのか。美女と野獣を一人でやっている。蝶であれ花であれ陽を向けばより黒くなる影。

 結局のところ「上手くやれている現実世界の同級生」というのは、自分の邪智暴虐に耐えられているだけだ。姉が自分と仲良しだと思い込んでいるのと同じで、きっと本来は「××(言ってはいけないのだろうが巣食いそうになる考え)」と考えているに違いない。と言ったら多分それは認知の歪みじゃけんカウンセリングしましょうね^〜と返されるので言わないが。「そんなことないよ、大丈夫だよ」が嘘で内心鍋の底を焦がしているということは、これもまた嘘なんですがこの世界中で自分が最もよく知っている。このド失敗したベーキングパウダー四倍のパウンドケーキを欠片まで飲み下してにっこり笑うのが、自らの贖いであるね。しかし謝らない。その罪を。本当に愚か。まったくもって。謝っただけで楽になりたいなどと、という綺麗事が全部だったらこんなに罪を重ねていなかったかもしれない。根本的に頭が悪いのだろうか。単純に、謝ろうと口を開けば「あのとき自分も大変で、××(言ってはいけない考え)」が出てしまうから。そんなのセカンドレイプなので。相手からしたら、自分に人生を壊された挙句「赦さざるを得ない」状況にさせられるってワケなので。そんなのワイだけで十分ンゴねえと偽善的に思おうとするが、もう既にそれをやってしまった。ごめんね。と言えない。やはり愚か。恨まれたらどれほどよかったでしょう。やはり「赦し」は最大の復讐である気がするね。

 ワイは爆運や。爆運なんや白石。ラッキー千石も首がスッ取れそうな気分になるくらい爆運や。死にかけたときは「理解のある人間くん」が現れ、少なくとも精神的に依存し、無意識あるいは自動的に前後上下左右に「味方」が現れ隊列をなす。その「理解のある人間くん」はワイの被害者やし「味方」は騙してしまった人間なんや白石。
 被害者になるほど弱いというわけではなく、自分が爆運で爆力スキルを持ってしまっただけである。また騙されるほど単純というわけではなく、自分が爆運で爆魅スキルを持ってしまっただけである。全部が自分のせいと思うのは、精神的に未熟で自他の境界が不確かだかららしい。ピザみたいにハーフ・アンド・ハーフで、自分はあの頃の「大人びた子ども」から歳をとっていないし、爆スキルを所持してしまっている。最近はハーフという言葉が良くない疑惑でダブルと呼ぶらしいですね。それって逆に自我が二つある感じになりませんか。大丈夫そ?

 世の中の人間に優劣なんてなく、各々が別のベクトルで動いているだけだと思っている。それなのに「自分は怠惰なのでは」「あの人は逃げただけなのでは」と頭をよぎりかけ、少しずつ畳の黒いシミみたいになっていく。蛆も食わねば高楊枝。動かないことも逃げることも別に悪いことではないのに。現在の常識だと、時間は進み続けているらしいので。振り返って塩の柱になろうともそれは「停止」ではなく一秒毎にラヴ・フォー・ユーしている。小説は最後から読みたい派です。それは果たして異端です。叩かないで。叩かないで。

 近頃鍋の底で焦がしていたり薪にしていたりしたものたちが、ワイの不注意で鼠さんたちのおうちに流出してしまっている。嫌バージョンのおむすびころりんである。それを「××」で片付けかけ、「××」に煩悶し、しかしもうそれを止められない。罪ばかりが重なる。早くワイを檻に閉じ込めてクレメンス。みんな。みんな。お化けだお。油断するんじゃないだお。逃げてほしいんだおね。

 悪循環。何かされたとき用の銛を磨きながら仲良くやっていこうとしたら、自分だけ信頼されなかった。愛さず、だから愛されず。このままじゃ幻聴が聞こえてきちゃうよ。なんでお前が辞めなかったんだ。あいつは優しいやつだったのに。

 煮物の材料でケーキを作ろうとしている。人間との関わり方なんて、暴力とトラウマと諦めと依存しか知らないよ。どうしたら世の中の皆さんみたいにオールキャラギャグイチャラブハッピーエンド本になれるんだろう。本気で、何も原理が分からないよ亜久津。俺が上でお前が下だってポルナレフも言っていたのに。パワー。
 可愛くないから要らない、看護婦さんに返してきて。今はその呼称の限りでもない「看護婦さん」が精々苦笑いしてくれただろう、きっと、そう信じることでしかワイの誕生の瞬間を祝福できない。自分の存在は、姉が生きたぽぽちゃんを求めたことが始まりだと認識してしまい、今もそこから抜け出せない。子どもって別人なのに勝手にそれを生み出したいと思うって、エゴじゃん。という考えに至る時点で商業ハピエン本は読めないわね。
 殴られる、泣く、泣いた顔がウザいからまた殴られる、可愛くてモテるからいじめられたという、その憂さ晴らしに。それもまた社会構造の問題なので、人格自体を否定してはならない、負を再生産してはならない、赦さねばならない、赦して自分だけは大人にならねばならない、なぜなら大人は上だから。幼稚な人間は下、大人びた人間は上。感情で他人を振り回す行為は下、いつも同じ情緒を見せられる状態が上。違うんだな、それが。メーン。そう思わなければとっくのとうに壊れていたなんて言い訳は赦されない。なぜなら言い訳は下だから。と自分が最も自分にランク付けしている。人には人の乳酸菌と他人を励ますのに。窮屈だね。
 そんな毎日をやっているから他人との接し方が本当に分からなくて、本心から嫌がらせをコミュニケーションだと思ってしまう。

 聞きました!? 今のが言い訳です。口を開けば。貸出カードを調べて君と話したかったんだよ、では済まない。すみませんではすみません。こういうのを本当に言いたくない。なぜなら結果自分が罪を重ねたのは事実だから。なのに昔の話になれば「実はあのときうちが」と言って赦されようとする。自分が十年間血を滲ませた痛みを他人にも分けようとしている。自分が楽になりたいから、そのためだけに。たるんどる。こんなんじゃ常勝できるわけがないよ真田。ああ、たるんどる。でも死んで詫びたら相手が悪人にされるしさあ。どうしたらいいんだろう。謝られたことがないから謝り方が。またこういうこと言い始める。たるんどる。たるんどるぞ。もう辞めよう。無かったことにしよう、家のこと。言い訳をするくらいなら忘れてしまえばいい。でも鍋の底を、薪を再び焦がし始めるそのマッチ一本はやはり、家のことばかりだ。火事の元火の元。鬱はマッチポンプな戦争。

 おそらくは、母親と共依存なんだろうねと、そう思う。自分は「共」の方。姉がまた何やら不穏になって母親が可哀想だから、頓服をどっさり貰っても言わないし転職は慎重に行わなければならない。自分の人生なのにね。母親の方が人生経験が長くて、ある一定の覚悟を持って子を産んだのにね。でもこんなことになるとは思っていなかっただろうからね。可哀想にね。結局自分も「理解のある子どもくん」だ。負の再生産だ。だから爆魅スキルという名の依存させスキルが高いのだろうか。親孝行しようとしただけなのに、結果として親からのラインを何か月も放置する。言い訳をしてもいいですか。いいよ。だめです。心配をかけたくないし攻撃してしまうならいっそ離れていた方が。だめです。世の規範に従ってください。子は親にこまめに便りをしなさい。出された食べ物は全部食べなさい。決められた時間におうちに帰りなさい。親の前では笑顔で過ごしなさい。社会の普通になりなさい。家庭を築くか定職につくかのどちらかは漏れなく行いなさい。盆と正月には帰りなさい。親と酒を酌み交わしなさい。腕の傷痕を隠しなさい。黄色い救急車の話はやめなさい。普通の女の子になりなさい。早く。早く早く。もういくつだと思っているんですか。永遠の十八歳から出てきなさい。たかし。そろそろ出てきなさい。お父さんもお母さんもいつまでも元気じゃないんだから。たかし。たかし。返事して。
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 誰かこいつを庭に埋めた方がいいぞ。

 あの人は病気だから。その後に省略されている言葉を知っている。だから赦してあげて。耐えてあげて。病気ではない貴方の方が「上」なのだから。二重に失礼な気がするが。君、健康状態に上も下も無くないですか。えと……爆億円のみが勝利ですが。でも検査で見えない部分はそれが罷り通っていますよね。精神も、能力も。というのが「××」です。考えてはいけないと何度も毎日頭を振り払っているけれど、じりじりと既に背中が塩の柱になっていっているのが、分かる。確実に。夢の中でもぬいぐるみのミルクにザバーンよ。逃げようぜ、どっかに。どっかって、どこに。どっかさ。どっか遠いところに。

 曲がった棒は曲げ直しても真っ直ぐには戻らないのに、再び万力と対面したとき曲げられに行かねばならない。負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じ抜くこと。焦げちまえ、椅子のひとつかふたつ。いいえ、物を大事にしましょう。はい。謝ることいっぱい。
 あの人は病気だから。壁の穴。傷と痣。声と隈。夜の朝。こんな場所にいるはずもないのに。それを十年かけて上位存在になって赦して、罪を重ねながら贖いながら戸惑いながら僕たちは不確かな道探して砂利に頬を擦りつけて生きてきたのに。俺は俺について行かせてもらうわ最期までしていたのに。貴方は私と違って障害じゃないから。知能検査で平均以上だったから。貴方は手帳も診断書も出ていないから。毎日仕事に行けているし仕事中急に泣き出したりしないから。貴方は私と違って健康なんだから少しくらい荷物を持ってくれたっていいじゃない。少しくらい労ってくれてもいいじゃない。冷たいなあ。そういうところが友達になれないんだよなあ。なんで貴方はあの人と違って気が利かないのかなあ。
 というのが幻聴です。「××」です。リリイ・シュシュのすべてです。本当は誰もそんなことを言っていない。幻です。しかし聴こえる。可哀想に。朝からずっと大騒ぎ。しかし自分は健康らしいので、健康状態が良好なら列車に乗らねばならないらしいので、もう何も分からないよドラえもん。僕は傷付けないだけで精一杯だよというのは言い訳で、言い訳は下なので、しません。上記の内容も愚痴で、愚痴は下なので、本当の本当にしたくなかった。ありがとうごめんねという挨拶、大事すぎることにめちゃくちゃ気付く。普段この素振りを見せずに日々を過ごしていることに賞が欲しい。いいえ、欲しがってはいけない。むしろその素振りを見せることは悪なので。みんな違ってみんなwin。自分だって迷惑をかけて生きながらえているのだし、いつ足下が崩れ無くなるか分からないのだから。エーン。近頃は嫌なおむすびころりんになってしまって、自分で自分の鍋も管理できず、本当に自分のことが嫌になる。お前はこんなに弱くなかっただろう。あれがライオンさんで、俺は人間さん。頑張れ頑張れ。ファイト。
 やっぱり俺一人が辞めた方が、世界って上手く回ってました? また俺、何もかもやっちゃいました?
 と言っても「そんなことないよ」が全部から返ってくることを知っている。「そんなことないよ」と言われるような言い方で言っているから。内心こいつ面倒臭えと思われていることを知っている。自分で最もよく知っている。全知全能なので。ぽわ〜〜ぐちょぐちょぐちょ。

 また夏が始まるね。暑いね。俺は瀕死だぜ。燃える非を浴びて、俺のデュエルディスクもギタメタに終わってるぜ。
 誰かワイを檻に閉じ込めてクレメンス。



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