夢の話と記憶の断片「姉と喧嘩」

【夢の話】

 時間は昼過ぎか夕方。場所は恐らく姉の現在宅、または自分達家族が昔住んでいたアパートの台所(もしかしたら現実家の台所か洗面所かもしれないが記憶が曖昧である)。
 母親が買い物に出かけたため、姉と2人で留守番をしている。姉は自分に延々と暴言を吐き、それに耐えかねた自分は遂に姉にカッターナイフで斬りかかる。姉も爪で引っ掻いて応戦し、結果としては自分が右の手の甲に大きないくつかの切り傷、左足の外側のくるぶし辺りに大きく皮膚の抉れた傷ができる。姉にも血が付いていて恐らく怪我をしたのだろう。
 母が買い物から帰ってくる。しかしその頃には不思議と互いに仲直りをしている気分なのだ。自分も姉も母親には何も言わず、何事も無かったような顔をしている(事実自分達の中ではもう解決した話なのだ)。
 なぜかこの場のどこにもいないM(大学の友人)の声で「何も無かったって言える感じじゃないだろう」と聴こえ、その瞬間視界は自分の目から離れて自分を頭上から見下ろす形に変わった。

【記憶の断片】

・よく分からない家の台所か洗面所だが、これはひょっとして自分が幼少期に住んでいたアパートかもしれない。記憶がない。
・姉とこのような殴り合いの喧嘩をしたのはたった一度だけある。真夜中に自室に入ってきた姉に初めて反撃したのだ(現実では互いに素手である)。その時姉は伸びた爪で自分の足首や脹脛を刺した。母親は泣きそうな声で止めていた。
・夢の中で姉を切りつけたあのカッターナイフ(黄色いダンボールカッター)は確かに現在自分が所持しているものであり、ダンボールカッターで自傷をしたことのあるY(隣人)に関係する記憶かもしれない。
・喧嘩をしたのに何事も無かったような顔で母親を出迎えるということは夢の中でも少しイレギュラーなことをしたように思っていた。事実こういうことがあったのだろうか、この頃については記憶があまりない。
・M(大学の友人)の声がなぜ突然聴こえたのか分からない。恐らく夢の中の自分は中学生か高校生であるがゆえにMの声を確かに「知らない人」と瞬時に認識し、しかし同時に何かを思い出した。憶測だが、Mに一度説教をされそうになったとき自分がただ無言で睨みつけ続け、それが怯えからくるものであった記憶が関係するのかもしれない。

 この頃は無限に眠い。夢から思い出すことが確かにある。きっと自分は人間が怖いのだろうな。

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