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Prodrive Hunterに関する考察

ダカールラリーお疲れ様でした。
(カバー画像→https://www.bahrainraidxtreme.com/prodrivehunter)
(記事中敬称略)

序論


さて今回のダカールラリーにも参加していたProdrive Hunter、今年Hiluxからスイッチしたもののフロントハブキャリアやサスペンションアームの破損に見舞われたN.アル=アティヤには競技途中で三行半を突き付けられ、長らく乗っているS.ローブもペースは見せるものの数えきれないほどのパンクに見舞われるなど足廻りの弱さを露呈していたが、その原因について素人考察したいと思う。

基本構成

さて、改めてProdrive (BRX) Hunterの構成についておさらいしておくと、イアン・カラムのデザインを採用した結果、バギーと小型ピックアップトラックに大別されるT1/T1+カテゴリとしては珍しいクーペスタイルの流麗なボディを持つHunterだが、中身も異様で、例として昨年までN.アル=アティヤが駆っていたToyota Hiluxと比較すると特徴的なのはキャビンにめり込むように配置されたエンジン位置と床下ではなく車体脇に配置されたスペアタイヤが挙げられる。このあたりについてはB Sportの下記の動画が詳しいので参照されたい(動画はT1時代だがT1+となっても殆ど変わらない)。


やはり重心か

以上の事を考えると、Hunterは完全クーペボディ+大型リアウィングも重なり信頼性の高いHiluxと比較して重心が高いと考えられる。このことによりロールオーバー耐性が低くなり、それを補うべくスプリングレートが増加(硬化)、結果として石やジャンプといった入力時に足回りへの応力が増加、パンクやパーツ破損などを招いたと考えられる。
尚、Hunterと同じくスペアタイヤを車体脇配置としながら総合優勝を成し遂げたAudi RSQ e-tronは車体がバギー型であることと駆動用の巨大なバッテリーが床下配置となっていることで高重心化を免れたと考えられる。

ぼくのかんがえたさいきょーのHunter T1+

以上を踏まえて、筆者なりにHunter T1+改修案を考えたいと思う。
まず、HV化は一つの手法ではあるが、コストや改修箇所が膨大になるため今回は除外する。そのうえで、スペアタイヤを床下配置とするのはマストであろう。ただ、そのためには排気管の配置を変える必要があるが、これはセンタートンネルと通して後方から排気することで解決可能であろう。
さて、そうするともともとスペアタイヤがあった位置に開口部が残るが、ここをラジエーター用のエアインテークとしてはどうだろうか。もちろん現状ではリアタイヤがむき出しなのでカバーして飛び石を防ぐ必要はあるが、これによりルーフ上インテークの廃止、さらにラジエーター配置も低めに変更できれば更なる低重心化が狙えるであろう。

Hunter T1+改修レイアウト案

最後に

素人ながらここまで頻発する足廻りトラブルの考察と改善案を示した。
この通りになるか否かを問わず、来年度以降のProdrive Hunter T1+の活躍を願って筆を置くことにする。