もののいいよう

昨年知り合った同世代の女性、とてもおとなしい方で、あまり自分のことを言いません。でも時々どうにも心のモヤモヤが晴れないとき、私に話してくださるようになりました。

その方の思考回路というか物事の受け止め方は私と似ていて、そこまで人の言動にセンシティブにならなくてもいいのに、と思うところで気にしてしまうのです。

ものの言い方というのは大事だなあと思って、人は自分のことを蔑ろにされると、多かれ少なかれ気になってしまう。そこでムッとしたまま黙り込むか、言い返すか、ウィットを効かせて上手く収めるか。私はだいたい黙り込みます。彼女もそうです。

自分が人に何か伝えるときに、意地悪な響きを含んでやしないか考えながら、考え過ぎて、うまく言えなくなります。もののいいよう、ほんと上手くなりたいものです。自分の言葉で誰かの人生の一日が憂鬱なものにならないように。なんとなく悪くないなと思えたら最上の喜びです。

20代終わりで帰郷して働き始めた頃と今の私は、めぐりめぐって同じ職場なのですが、あの頃の自分は50代の定年も見えてきた年代の先輩方に対して、そうとう生意気だったんだろうなと思い返します。たぶん今そのしっぺ返しをくらっているのかもしれないなあ、とか。家族との間でも日々悩むところですし、黙り込むことも増えました。

とりあえず今日は少し家の掃除をして見限った古い洋服をちょっと処分して、まだ今でも好きな服に袖を通してみました。

ことしも立春を迎えました。
あんまり腐らずに、また日々を重ねていきましょう。

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