教えて洞口さん(エブエブ鑑賞後)

Yoricoさん

とても久しぶりの往復書簡です。
ご体調はいかがでしょうか、どうかこの投稿も今は読み流してくださるだけで結構ですので、ごゆるりとお付き合いください。

きのう(4/29昭和の日)、よしもと南の島パ二パニシネマで『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観てきました。洞口依子さんが町山智浩さんの番組にリモート出演されたとき、今年のアカデミー賞予想をされていて興味を持ったのです。宮古島でもこんなに早く観られるなんて、下地館長に感謝です。

いやー、それにしてもこの映画…途中までほんと下ネタ多かったですね。メタファーどころか、そのモノずばりだったり、ジェイミー・リー・カーティスの机の上にあったアレは、やっぱりそうなるのかあと呆れたり笑ったり。「情報量が多いので引きで観るのがお薦め」と仰っていたのを思い出し、スクリーンから離れて座ったのは正解でした。途中のあのくだらなすぎる格闘シーンあたりまでは「わ、私はいま何を観せられているんだろう?」と自問自答する幾つかの瞬間もありましたが、エンディング近くではぐっとこみ上げたり、不思議な映画でした。

映画の序盤、イライラした主人公、階段までものがはみ出した片付けられていない部屋、反抗期の子供、高齢の父親など、私も含め中高年には身につまされる描写がたくさんあった辺りから、監督コンビのダニエルズはその世代の観客の心をぐっと掴んだのでしょうね。

そして、もうひとつ私が主人公と自分を重ねたのは、うまく「標準語」を話せないこと(言葉遣いやイントネーションに自信がないから)、そのため口ごもってしまうこと。国税庁の監査官に、英語の堪能な通訳を連れてくるよう言われてしまう場面などは、タフに生きているように見えても肝心な場面で言いたいことが言えなかった移民だったり沖縄の人たちの悲哀を思ったのです。アカデミー授賞式でのミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァン、ダニエルズのスピーチや涙は心に残るものでした。

ところで、映画のマルチバースの中に女優さんが登場し、私は洞口さんを思い出しました。洞口さんはハリウッド製作のドラマ『SHOGUN』撮影時に『エブエブ』をカナダの映画館でご覧になったとのことですね。現実世界で女優として長年さまざまな人生を演じてきた洞口さんには、この映画がどんなふうに映ったのかなあと、鑑賞後とてもお聞きしたくなりました。

質問その1 洞口さんは近作『終点は海』、今秋公開予定の『白鍵と黒鍵の間に』で、母親役を演じられました。エブエブのミシェル・ヨーは母親母親した役柄でしたが、洞口さんは母親役を演じるときに影響を受けた俳優さんや、近しい人物はいらっしゃいますか。

質問その2 洞口さんは映画『エンパイア・オブ・ライト』の主人公を演じてみたかったと過日ツイートしておられましたが、同じようにこれまでに「この映画(ドラマ)のこの役は、私が演じたかった!」と感じるような作品はありましたか。もしリメイクするなら演りたい映画なども含めて。

質問その3 もし女優という仕事を選んでいなかったら、今頃どんなことをされていたと思いますか。

いまはどうぞ引き続きお身体ご自愛ください。
いつかお気が向いたら、回答をきかせてくださいね。

追記:先日「ガス・ヴァン・サント」監督の名前を思い出したときのスッキリ感! この頃いろいろ忘れてばかりですので、この質問も忘れないうちに書いておきました。ではでは。

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