最終回

テロリストや放火魔の炎とともに、鬼達の猛攻も激しく、ネオ京に続き、マクリもまた炎に包まれていた。


激しく響くゴリラのドラミングと鬼の奇声。

強制労働の疲れが見えているゴリラ達には、逃げ切るだけの体力は残されていないようだった。


HONDA「急いで!鬼がすぐそこまで迫って来ています!」

爪「きぇーーーひぇぇぇぇぇ!!!大分逃げ足が遅くなってきたじゃない!!」

ロラ男「ええ。※さん相手はすぐそこですよ。」

爪「おい!俺は天下のマーケン社の役員だぜぇ!!今後は専務の立ち位置だって奪ってやろうと思ってるんだ!」

YU「は、はぁ。」

爪「専務だ。俺のことは※専務って呼びな!」

コンドル「いや、それは…」

爪「なにぃ!俺の言う事が聞けないってかぁ!」

FOJI「いえ!」

鬼達「専務の仰せのままに!」

爪「そうだよ。それでいいんだよ。」


更に歩みを進める鬼達。

ゴリラ達はすぐそこだ。


ニキ「BANI、MURATA俺についてこれるかい?」

HONDA「ニキ?」

ニキ「このままじゃ、ゴリラ全員また強制労働に戻っちまう。」

BANI「……そうだな。」


そういうとBANIは懐から酒を取り出しイッキ飲み。

狂戦士BANIへと進化を遂げた。


BANI「このままじゃよぉ!皆捕まっちまうぜぇ!!だからよぉ!社会の歯車になって!いっちょアタック決めてやるぜぇ!!」

MURATA「一生懸命、粉骨砕身、踏ませていただきます!!」

BANI「脚質バーチャルぅぅぅぅぅ!!」

MURATA「行きます。」

ニキ「ペガサス!流星拳!!」


ニキのニキが光を放つ。


鴨虎、爪「う!眩しい!」

BANI「GOGOGOGOGOGOGO!!」


3人が痛烈なアタック。


FOJI「イクイク!!」


何頭かの鬼は光に釣られるように追いかける。


爪「馬鹿野郎!そりゃ囮だ!そっちに行くなーー!!」


爪が叫ぶ声は届かない。

FOJIだけは戻ってくる。


FOJI「しむー。」

KENI「俺達もこの辺だな。」

HONDA「KENIさん?」

ドラゴン「逃げたいのだな?願いを一つ叶えてやろう。」

琵琶湖「もともと喘息で逃げ切れるような体じゃなかったんですよね。」

HONDA「待って下さい!皆で!」

工場長「人には大人になるときがあるんですよ。」

HONDA「工場長…」

工場長「星になって下さい」

KENI「六甲!!!六甲六甲!!!!!」

ドラゴン「さらばだ」

琵琶湖「GOGOGOGOGOGOGO!!!」


3人が鮮烈なアタック。


FOJI「イクイクーーーー!!!」

爪「だからぁ!!」


何頭かの鬼はKENIの大腿四頭筋に釣られるように追いかける。

FOJIだけが戻ってくる。


FOJI「きつー。」

爪「お前のせいだろ!!」


鬼達は混乱し、その数を減らしている。


HONDA「みんな…。」

SUKE「パワーオブドリーム。泣いてる暇はないぜえええええええええ!!」

HONDA「え?」

sasarchy「ゴリラ達のドラミングで鬼は散り散りだ。この先のダート区間。ここで一気に逃げを決めるぜ。」

HONDA「でも、皆が。」

SUKE「大人になるって、そういうことさ…。」

HONDA「sukeeeeeeeee。」

sasarchy「皆、準備はいいかい?間もなくダート区間。全員ドラミングで集団伸ばして鬼達に攻撃だ。あわよくばそのままワトピアまで逃げ切る!!!」

ゴリラ「ウホ!」

HONDA「これは大人へのエレベーターを登る為。キングコングになる為。」

sasarchy「全力ドラミング!GOGOGOGOGOGOGOGOGORILLA!!!!」


ゴリラ達が全力でドラミングしていく。

土煙が舞い上がり、集団は縦に伸び散り散りになっていく。


爪「し、し、し」

FOJI「しむーーーーーー!!!」

爪「俺のだから取るなよ!」

FOJI「すみません!初心者なので!」

爪「ハァハァ。役に立たねぇハァハァ。やつハァ。だぜ!ハァハァハァ。コンドル!YU!」

コンドル&YU「はい!専務!」

爪「俺を引け!集団に戻せ!専務命令だ!」

コンドル&YU「はい!7倍で引きます!」

爪「え?……しむーーーーー。」


3人は土煙に紛れて消える。

土煙の奥より、ロラ男と専務が現れる。


専務「やはり※ごときには任せていられませんね。」

ロラ男「元々任せる気なんかないのでしょう。」

専務「いい噛ませ犬になってくださいましたよ。楽しい余興でした。」

ロラ男「しかし、ゴリラを逃がしてよろしいのですか?」

専務「また集めればいいでしょう。トマトづくりのノウハウは既に我が社に。ですが、このまま負けるのもしゃくですね。ロラ男さん。あなた1人でゴリラをギャフンと言わせなさい。」

ロラ男「え?」

専務「わかりましたね?嫌と言うなら、あなたの性癖とベンジのお値段。ワトピア中に拡散してもいいのですよ。」

ロラ男「やりましょう。」


ロラ男はゴリラを追いかける。

もはや戦場は炎とドラミング、土煙のあまりの激しさに視界が悪くゴリラ達は混乱する。


HONDA「くそ!このままじゃ皆でワトピアに帰れない!」

ニキ「こっちだ!!」

HONDA「え?」

ニキ「ペガサス!流星拳!!」


ニキのニキが光り輝く。


鴨虎&鬼「う!眩しい!」


鬼が眩しさにやられて退散していく。

しかしロラ男はマジックミラーサングラスのお陰でニキのニキを視認している。


ニキ「さあゴリラ達!!この光に向かって走るんだ!!ペガサス!!流星拳!!」


ニキのニキが異世界への扉をこじ開ける。

そしてその先には俺達のシーサイドスプリントが見える。

幽☆遊☆白書の桑原みたいだ。ん?ちょっと似てる気がしなくもないな。

リーゼント姿のニキを見たいな。


ゴリラ達「ウホウホ!!」

畳「ぼん!!ぼんぼん!!!」

KOMURA「俺達の海だ…。」

KENTA「6.5倍で走れ!」

LEO「ワトピアまでもうちょっと。」

HONDA「やっと帰れる!シーサイドスプリントに。」


ゴリラ達がペガサスの光に導かれ、ワトピアヘの扉に飛び込んだ瞬間。

ニキのニキにロラ男が飛びついた。


ニキ「あん!!♡」

ロラ男「行かせないぜ!!俺の性癖とベンジの値段だけは墓まで持っていくんだ!!」


ロラ男がニキを締め上げる。


ニキ「ああん!!!♡」

ロラ男「あんたさえいなけりゃ、こんなことにはならなかったんだ!俺の平穏のため、あんたにはマーケン社まで来てもらう!」

ニキ「あああん!!!♡」

ロラ男「その光でネオ京を明るく照らしてもらうぜー!!」

ニキ「あーーーーーーーー!!!♡」

鴨虎「眩しーーーーーーーーーーーーー!!!」

ロラ男「ぐはっ!!」

ニキ「あーーーーーーーーん……♡」


ロラ男が激しくぶっ飛ぶ。

ニキは恍惚の表情だ。

何かと思えば、鴨虎が眩しさに釣られて1分全力スプリントで飛んできたのだ。


GOTO「こっちよ!☆」


魔女っ子が、箒で2人をシーサイドスプリントへ。

ニキは恍惚の表情だ。

ロラ男は飛んでいく。


ロラ男「どこが折れても、俺はまた戻ってくるからな!!覚えてやがれー!」


ロラ男の言葉を掻き消すように異世界の扉が閉まる。

静かな海の音を聞きながら、ゴリラ達は安堵の表情を浮かべ、ニキは恍惚の表情を浮かべている。


HONDA「戻ってきたんだな。」


ゴリラ達は束の間の休息に入るのだろう。

しかし、焼き払われたネオ京とマクリに取り残されたマーケン社の魔の手がこのまま引き下がるとは考えづらい。


ヒルクラ、鬼、ゴリラ、マーケン入り混じる大決戦や、節分鬼退治イベントの噂も囁かれているが、それはまた次のお話。


今はマクリに残してきた仲間達も心配しゴリラ達は仲間を思ってドラミングを続ける。



終わり。






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