自由について考えてみる

五月晴れの月曜日。雨に隠れてたけど、もう夏は来ていたみたい。夏の夜を味わいたくて、いつもよりゆっくり歩いて帰る。

「本当の自由を得るためにはルールが必要」と書いてあったのはどの本だったっけ。こんな夜道を歩くのにはなかなかいい題材を思いついたと思った。

自由にピアノを弾けるようになるには、ある程度の音楽のルールを身につけないと弾けないし、自由に泳げるようになるには正しい泳ぎ方を身につけないと泳げない。そんな具合に、自由はルールの上に成り立っている。
一方で、何の知識も持たない小さな子どもが何のルールにも縛られずピアノの鍵盤を叩く事もまた自由に弾いていることに変わりはない。けれども、そのような自由に憧れたりはしない。
ルールを身につけるというのは、具体的に知識や技術を身につけること、つまり訓練するということ。それは、決して楽しい事ばかりとは限らないし、難しくて投げ出したくなったり、退屈でやめたくなったりする時もある。
そうした時間を経て、知識や技術を身につけた先に自由はあるという事。
そのことについて知っているのと知らないのでは、自由への道のりが全く違うものになるだろうと思った。簡単に手に入らないからこそ自由に憧れるんだろうし、簡単に手に入った自由に対して違和感を感じるのはこのためだろうと思う。

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