Better late than never.

久しぶりに体育館でバスケをした。1年以上ぶりだった。外と体育館では使うボールが違う。やっぱり体育館のほうがしっくりくる。冗談を言いながらプレーをするのすらも懐かしい。「俺あんまり動けないから、任せたわ。」と言われたら、「任せとけ。お前はコーナーから動かないで、ボールが来たら3Pだけ決めてたらええわ。」と返したし、「シュートからやる気を感じないんだけど、決める気ある?」と言ったら、「お前もシュート外すなら、せめてリングに当てろや。」と返ってきた。お世辞にもシュートタッチはいいとは言えなかった。先週仕込んだ隠し玉はどうだっただろうか。自分的にはよかったと思うが、思うような反応は返ってこなかった。自分はディフェンスを割ってぶち抜くのが好きだ。周りはそれもわかっているから、2〜3歩下がってディフェンスをする。ドリブルのフェイクに対しては敏感に反応するけど、シュートのフェイクに対しては全く反応してこない。どれだけシュートが入らないと思われているかがわかる。だからほとんどノーマークでシュートが打てた。どの間合いなら自分がシュートが打てるかもわかった。周りの反応は、「今日めっちゃシュートが入る日だね。」だった。完全に運がいい程度にしか思われていない。そのうちたまたまじゃなくしてやるからな。シュートモーションに入ったら全力でディフェンスさせてやるからな。他にも試したいことは色々試した。オフェンス面ではドリブルをしている時に相手に取られない間合いを再確認するために、いつもより間合いをつめてから仕掛けたり、体の使い方を工夫してシュートするためのスペースを確保したりした。ディフェンス面では、手を使ってプレッシャーをかけられるように工夫した。試して1番良かったことは、「最初から自分でシュートを打てるようにオフェンスを組み立てる」こと。普段は味方が攻めやすいようにスペースを作るようにしたり、味方の動きを見てドンピシャでパスを出してシュートを打ってもらうようにして、シュートクロックが短くなってきたら自分でシュートを打つ。普段とは逆のことをしてみた。玉離れが良くなったし、選択肢が増えてディフェンスの穴を突きやすくなった。ディフェンスを引きつけやすくなって、味方がシュートを打ちやすいようにもなりやすくなった。意図的にミスマッチを作って、サイズに対してはスピードで対応もできたし、味方のミスマッチにもすぐ気づけた。

体育館に行けなかった期間に全くバスケに触れていなかったわけではない。YouTubeのおすすめはバスケばかりで、試合だけではなくフォーメーションの解説動画や、シュートポケットにボールを移動する前にシューティングハンドを動かすといったような細かいスキル解説動画まで見た。ドリル形式の本も読んだ。とにかくバスケIQを少しでも高めたかった。ただシュートタッチはどうしようもなかった。The basket looked like an ocean, and I was just throwing rocks in. アイバーソンの言葉を借りて言うなら、リングは針の穴に見えて、そこに糸を通すようだったよ。パスはそれでいいんだけどね。

その日はシュートタッチ以外は「調子がいい」で片付けるにはもったいない日だった。先週よりも少ない力でシュートが打てるようになっていた。余計な力を使わなくなってリラックスできるようになったからだろうか。ドライブのスピードが少しはやくなっていた。ディフェンスを抜いた後、後ろのほうから「…はやい」と聞こえるのが最高に気持ちがいい。対空時間も少し長くなっていた。いつもなら落ちはじめるタイミングで、まだ宙に浮いている。「…まだ浮いてる!」と自分で驚いた。跳んでから落ちるまでの間の視野も広くなっていた。ディフェンスの手の届かない最短の距離を狙ってダブルクラッチを狙える余裕があった。届きそうで届かないのがディフェンスする側にとってはかなりフラストレーションが溜まるはず。何よりもよかったのが、視界がクリアだった。過去が希望をくれる靴が本領を発揮したかもしれない。相手と勝ち負けを競っているはずなのに、相手の背中に自分の影が見えていた。それが嫌で靴を変えた。基本的には靴はすべてかなりのお気に入りだけど、それをひっくり返してまで変えた。ただ、過去の自分は否定したくないし、自分の中にはいてほしいから、今までの要素を全て無視しないデザイン・色を選んだ。影は薄くなったけど、その影と何度も目は合っていた。この日はその影が完全に消えていた。自分の影に隠れていた味方の動きが見えた。ゾーンとは違っていた。頭で考えてから体が動いていた。ゾーンに入っていれば考える余地もなく体が動いて、周りが見えているようで見えていない。次にまたバスケをした時に、自分の影が見えたら笑っちゃいそうだ。

影が消えた理由はなんとなくわかる。執着がなくなったことが理由だと思う。こだわりとは少し違う。ドライブが好きだったというのもあるけど、「俺にはこれしかない」と思っていたから。これがなくなってしまうことはアイデンティティがなくなることだと思っていた。今でも覚えているのは、小学校を卒業する時に当時の監督からもらったサインボールに「オリオンのドライブの勇気がチームを救う」と書いてあったこと。自分の好きなことで周りにも認めてもらえたのが本当に嬉しかった。身長が低い自分が身長が高い人とゴール下で渡り合えるのが好きだったし、そこで勝てると嬉しかった。身長があればもちろんダンクだってアリウープだってやりたいことは山ほどあった。それができないから身長が高い人に勝てる要素がそこにあって、何よりそれが好きだった。(もちろん他にも勝てる要素はある。)どんなに対策されようが、ドライブでは負けたくなかったし、ドライブでその対策を破りたかった。だけど、前よりも体が動かなくなってきて、自分がバスケをやってなかった期間に周りは当たり前だけどレベルアップをしてる環境で、それができなくなっていた。でも自分は3Pシュートの練習なんかしてこなかったし、「俺にはドライブしかない」と思っていたら、「前の自分はこうだったのに」とか、「前の自分はどうしてたっけ?」と潜在的に思っていたのかもしれない。ドライブでディフェンスをぶち抜くというのは1 on 1の中の1つの要素なだけであって、シュートが決まりさえすればそうする必要は必ずしもない。もしかしたら執着しなくなったというよりは、目の前の壁を乗り越える以外の方法を見つけたのかもしれない。壊したり、すり抜けたり、回り込んでみたり。結果的にはドライブが生きてきた。

体はここ数年で1番動いている。次の日に筋肉痛もほとんどない…と思っていたら上半身だけ2日後に遅れて筋肉痛がやってきた。体のケアも考えないといけない。

その日は気分が良かったのに眠れなかった。運動して目が冴えていることもあったと思うが、反省点がいくつも浮かんできた。一度いい形でシュートを決めれたら、別の手を使う前に相手に止められるまで同じ手を使ったほうがオフェンスのリズムがより良くなるかもしれない。どうしても新しいことを試したくてそうなるのはわかるけど。一度スクリーンが上手く使えなくても、逆サイドに向かってもう一度スクリーンを逆から使えるようにドリブルしてみようか。ディフェンスの時は声でコミュニケーションをとってスイッチしたりカバーできたけど、オフェンスのコミュニケーションが全然とれなかったなぁ。いやディフェンスも声は出せたけどまだまだかな。どこかで「自分がカバーに入ればいいや」って思ってるから、それはやめて味方を動かせるような声の出し方しないとダメかな。やっぱり右側から攻める回数が多いから、次は左から攻められるようにオフェンスを組み立てようか。ファイダーウェイのシュートが全く入らなかったなぁ。跳ぶ前にすでにシュートポケットにボールがあるから、跳ぶ直前までは別のところでボールを持っていようか。やっぱり3Pもキャッチ&シュートできるようになりたいね。1 on 1の起点がレッグスルーがほとんどだから、バリエーションも増やしたいな。もっとロール使ってもいいんじゃないかな。左にディレクションされたら、素直に左で勝負できるようにそのバリエーションも増やしたいね。

寝れないからといって、そんなことを考えていたら外が明るくなっていた。近づいてきた天井の懐を見るのは面白いね。


(突然見れなくなったりするので、色々貼っておく。)

アニメ「TIGER & BUNNNY2」のオープニング曲。10年ぶりの続編がNetflix独占で配信が決まり、オープニングもUNISON SQUARE GARDENで決まって、Netflixに登録するか悩み、悩むぐらいならと登録した。この曲ではじまるアニメが見たかった。アニメ配信に先駆けてこの曲の冒頭15秒が公開されていたけど、そこを聴いただけでこの曲が好きだとわかった。改めて曲を聴いても、ユニゾンといえばコレで、タイバニといえばコレ。タイバニに寄せて作ったのに、ユニゾンらしさはなくなっていない。むしろ豪速球。タイバニ関連の曲を順番に聴いてきたから刺さる部分もあるけど、とにかく歌詞が好きだ。これを聴いている間は自分の最大瞬間風速を出せる。これを聴き続ければ、時間制限なしにハンドレットパワーを使えるような感覚。

ハンドレットパワーは主人公の虎鉄とバーナビーが使える、5分間だけ身体能力を100倍にする能力のこと。このアニメの好きなところは、登場人物が持っている能力が必ずしも自分がほしかった能力ではないこと、そもそも能力なんていらなかった人もいるところ。


また次に向けて心と体を整えることにする。



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