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グリーンカード(永住権)申請までの道のり

グリーンカード(永住権)を申請する理由

 多くの人はグリーンカードを申請する人はアメリカに永住する人だと考えると思います。当然ですよね、永住権っていいますし。私が永住権申請を本気で考え出したのは渡米して4年が過ぎた時でした。理由は永住を決心したわけでなく、とにかくビザでアメリカに滞在し続けるのは何かと不便!というのが主な理由になります。

 ビザはだいたい1年から3年くらいで切れてしまうため、そのたびに更新手続きをする必要があります。滞在許可証(JビザならDS2019、HビザならI-797)を更新するのはアメリカ国内でいいですが、国外に出る予定があるのなら日本に戻ってビザスタンプの更新をする必要があります(アメリカ国外であればできるのでカナダやメキシコなどでする人もいますが)。そしてビザが切れたり、住所が変わるたびに自動車免許証の更新も必要になります。ビザの更新もすぐに終わればいいですが、コロナ禍の影響もあり家族のH4ビザの延長申請には10ヶ月を要しました。子供が大学行くのにも永住権を持っていないと州立大の学費がほぼタダになるような奨学金の申請ができません。JビザやHビザだと子供にソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)が発行されないので、コロナ禍に3回もらえたはずの経済支援金をもらえませんでした(今回、グリーンカード申請したことで、今年のタックス・リターンでその分を貰えた気がしています)。日本に一時帰国などアメリカ国外に出たあとアメリカに再入国するときにグリーンカードの列に並べないので入国審査の列が異常に長い時があったりします。そしてHビザだと家族は働けないし自分も副業ができません。・・・と長くアメリカに住めば住むほど永住権がないことでめんどくさい手続きを踏む必要がありますし就業の制限もあります。

 そこで7年アメリカに住んでみた私の感想ですが、「5年から10年以上アメリカに滞在する予定がある、もしくは子供がアメリカの大学に通う可能性がある人はグリーンカードを申請しておいたほうが何かと便利」です。もちろん、前回の記事で紹介したように申請するだけでもかなりのお金がかかります。手続きも書類の作成など考えると準備初めてから承認されるまで2年近くはかかっているので気軽に申請はしずらいかもしれませんが、それでも将来を見据えてみるとやる価値はかなり高いと感じています。

手続きが実際にはじまるまで

 話をもとに戻します。そんなこんなで2019年10月私はついに動き始めました。10月30日に知り合いの日本人の移民弁護士さんにどういったカテゴリーで申請できるのか、費用がどれくらいかかるのかを相談。ちょうど仲良くしていた研究留学仲間のご家族がグリーンカード申請をしていたので、その人から聞いた成功報酬で対応してくれる移民弁護士グループに無料見積もりをお願いしたのが翌日の10月31日でした。ちなみにこのときの移民弁護士グループからは私の業績からEB-2のNIWを勧められました。同時進行でラボのボスにも相談しました。そもそも元々の相談内容は「生活費が足りないから給料あげて欲しい」だったんですけど、「給料上げるためには昇進するしかない」→「すでにAssociate Research Scientistまで昇進させてるので次はResearch ScientistかAssistant Professorになるしかないけどかなりの業績が必要」→「すぐの昇進は難しいけどH1Bビザだから副業もできない」→「副業できるようにグリーンカード取るしかない」という流れだったので、じゃ、大学をスポンサーにしてグリーンカードを申請しようとなりました。

 大学スポンサーでグリーンカードの申請をするためには、ラボのボスからの署名だけでなく、Departmentのchairの署名(うちの場合は外科の教授)、そして大学長の署名まで必要になります。そんなこんなで書類の準備に時間がかかり人事部の了承がとれて大学が契約している移民弁護士に依頼がいったのが2020年の1月16日でした。そしてどのカテゴリーで申請するかなどを相談するために移民弁護士、大学の人事部の人たちと電話カンファレンスを1月23日にすることになりました。

EB-1B vs. EB-2 PERM

 電話ミーティングは私がもっともストレスを感じる会話形式。通常の会話以上に聞き取りにくいので、当日はかなりの脇汗をかいたのを思い出します。あらかじめラボのボスに何言われているか分からない可能性が高いので、何を議論したのかあとで教えてくれと頼んでおきました(実際、EB-2 PERMを勧められたことは分かりましたが、その理由は全然分かりませんでした)。私の場合は大学がスポンサーとなることが決まっていたので、提案されたカテゴリーはEB-1BかEB-2 PERM(労働認定証を申請するEB-2)の2つでした。その当時は、トランプ政権下でちょうど新型コロナがアメリカでも流行が始まったときでした。その関係もあってか、EB-1Bは申請は受け付けているけど審査が停まっている状態で審査が始まるまでに1年かかると言われました。そのためEB-2 PERMは求人広告を提示している期間の分、長くなるけど最終的に早く承認される可能性が高いのでEB-2 PERMで申請しようという結論になりました。
 EB-2 PERMがどのように進むのか(求人広告を出してからの流れ)の書面をもらいましたが、労働省から労働認定証(労働許可証)を無事もらえることになったとしても申請日から4-6ヶ月かかるとあり、それが済んでからやっとForm I-140の申請が始まると書いてありました(労働省から監査が入るとさらに長くかかるようです)。2月は移民弁護士から要求された書類を準備したり、求人広告を出すためにどのような人材が必要となるのか私がやっている業務内容を伝えたりしていました。私がやっていることを素直に列挙して提出したら、それだと業務が高難度すぎて求人広告がだせないと却下されました(心臓外科医がブタを使って開心術やったりしてるので難しいのは当然なんですけどね)。3月には求人広告の下書きができたんですが、4月になってもそれの承認待ち。そして5月。2回目の電話ミーティングが開催され「やっぱりEB-1Bにしましょう」とさくっと告げられたのでした笑


参考資料

EB-2 PERMの求人広告の手順書 page1
EB-2 PERMの求人広告の手順書 page2


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