見出し画像

岡山デニム生産者取材から見えてきた、メイドインジャパンが難しくなる未来

私たちCARL VON LINNÉ(以下 CVL)は、「未来のために、知性の上に着る」をコンセプトとし、高品質と生産者への適正対価のいずれも守り、着る人が楽しめるデザイン性をも追求した、サステナブルブランドです。

そんなCVLの2023年春夏コレクション販売がいよいよ3月11日(土)から開始予定です。

CVLではコレクションごとに国内の生産工場を実際に訪問し、生産者様の声を皆様に届ける活動をしております。生産者のこだわりやものづくりの現場を知った上で身に着ける商品は、きっと特別なものになるはず。このコラムを読んでそんな特別な気持ちを少しでも感じていただければ幸いです。


CVL初めてのジーンズ

2023年春夏コレクションではCVLとして初めてジーンズを取り扱います。ラインナップはクラシックジーンズとペインターパンツの2種類。どちらもスタンダードで履きやすい印象ながら、CVLらしい大人っぽく品のある印象になっています。

そんなジーンズの生産地として今回選んだのが岡山県。実は岡山県はデニム生産において国内トップシェアを誇っています。加えて、その生地や品質の高さから世界の高級ブランドにも数多く採用されており、岡山デニムは世界に誇るメイドインジャパンブランドなのです。

岡山県鷲羽山展望台から見た瀬戸内海


ジーンズの上流から下流まで

ところでジーンズ生産の流れをご存知でしょうか?実はジーンズはとても多くの工程を経て完成するんです。大きく分けて次の5つの工程によって生産されます。

1.紡績:綿花から糸を紡ぐ。
2.染色:紡いで作った糸を染め上げる。
3.織布:染色した糸を織って生地を作る。
4.裁断と縫製:デニム生地からジーンズを完成させる。
5.加工:”洗い加工”や”ダメージ加工”といったジーンズの表情を決める加工を行う。

これだけの工程を経てジーンズは完成するのですが、岡山にはこれらを行う工場が一つの地域に集まっており、一気通貫のものづくりが行われています。熟練の生産者が一箇所に集まって連携を取るからこそ、世界を相手にしたものづくりができているのだと感じます。

我々は今回、3の織布工場と、5の加工工場を取材しました。

織布工場では何台もの織機が大きな音を立てながらデニム生地を織る様子がとても印象的です。色味の異なるブルーの生地が並ぶ光景は美しくもありました。取材した「高木織物有限会社」の高木様からは、明治25年から4代続くジーンズ作りへのこだわりをお聞きできることに。世界のハイブランドへデニムを提供することに対する誇りと、高い要求に答え続ける難しさについて充実した表情で語る姿が印象的でした。

「機械も人と同じ。クセがある。」と話す高木様。その日の温度や湿度によって繊細に機械の調整を行いながら、生地の品質を均一に保っているのです。こうした高い品質管理能力も海外のハイブランドから高い評価を得る一つの要因と話していただけました。メイドインジャパンが評価されるのは、高品質なだけでなく、品質を一定に保ち安定的に供給できるからでもあるのです。

高木織物有限会社のシャトル織機

加工工場である「株式会社WHOBAL」では、水洗いして糊を落とす”洗い加工”の現場を見せていただきました。ジーンズの表情を決める最後の工程だけあって、大きな洗浄機で何本ものジーンズを洗い上げる様子は圧巻です。

加えてこちらの工場、働いているのが若い方ばかりなのが印象的。理由を尋ねると「社長が若く、熱意がある。」とのこと。高齢化が進むものづくりの現場を変える一筋の光を垣間見たような気がした瞬間でした。コロナ渦前に比べて減少する海外人材を補うよう工夫し手をつくす姿に胸を打たれました。


メイドインジャパンが難しくなる未来

取材した先で生産者が口々におっしゃっていたのが「この先、メイドインジャパンを維持することそのものが難しい」ということ。現場の高齢化が進む中、厳しい労働環境に飛び込んでくる若者は少ないのが現状。
技術の継承にも時間がかかるということで、将来を担う人材の確保に心を砕いていました。

また世界に誇る岡山デニムの技術を国内にアピールしようとしても、ファストファッションと比べて高価なメイドインジャパンジーンズを購入いただく機会は限られており、乗り越えなければいけないハードルがいくつもあると感じます。

改めて考えるCARL VON LINNÉにできること

世界に誇る岡山デニム、しかし多くの日本人には手が届きにくいという現実。生産者が表に立つ機会は少く、若い世代へ周知されづらい。CVLは高い原価率で国内の良質な素材を使った洋服を、国内の方々へ広く届けることができる。メイドインジャパンを身につける体験を届けたいと、取材を通じて改めて強く感じます。

こうした工場取材の様子を、コレクションまでのストーリーとして届け続けることで、消費者に国内のものづくりの現状や魅力を知ってもらうことができれば、これほど嬉しいことはありません。

ぜひこれからもCVLの活動について、応援をよろしくお願いします。

CARL VON LINNÉホームページ
https://cvl-japan.com/

公式LINE(最新情報が届きます)
https://page.line.me/258tiqkt?openQrModal=true

公式Instagram(商品や取材の様子が日々アップされます)
https://www.instagram.com/cvl_linne/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?