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花ざかりの森・憂国 三島由紀夫

こんな人におすすめ!

花ざかりの森・憂国」は、三島由紀夫自身が厳選し、解説も担当した短編集です。この作品は、以下のような人々におすすめです。

  • 三島由紀夫作品に触れたことがない人:この短編集は、三島作品に初めて触れる方にも適しています。

  • 文学好きな人:多彩でミクスチャーな内容で、純文学から荒唐無稽な作品まで幅広いテーマ性を持っています。

  • 三島由紀夫の生き様に興味がある人:『花ざかりの森』と『憂国』を含む全13作品は、三島の生き様や哲学的な問題を凝縮しています。

  • 三島作品の難解さに挑戦したい人:特に『花ざかりの森』は難解な作品ですが、巻末の三島本人による解説を読むことで理解が深まります。

読み方のコツとしては、まず巻末の解説を読み、『詩を書く少年』、『海と夕焼け』、そして『憂国』の三作品を読む順番がおすすめです。

あらすじ

詩を書く少年

15歳の少年は詩を書くことに夢中で、自分を詩の天才だと確信していました。詩作の幸福に酩酊していた彼は、ある親しい先輩の恋愛の告白を通じて、自分の無意識のナルシシズムや滑稽さに気づき、自意識に目覚める物語です。

海と夕焼け

文永九年(1272年)の晩夏、鎌倉建長寺の年老いた寺男である老フランス人の安里は、村童から仲間はずれにされている聾唖の少年を連れて、美しい夕焼けを見るためによく裏山の勝上ヶ岳を登ります。安里は頂きから見える稲村ヶ崎の海を眺めながら、遠い故郷フランスでの少年時代を思い出します。彼は少年に自分の昔の出来事を母国語のフランス語で語り始めます。

憂国

昭和十一年二月二十八日、二・二六事件から三日目に竹山信二中尉と妻の麗子が自害する様子から始まります。信二は反乱軍の汚名を着せられ、麗子と共に死を選びます。

著者はこんな人

三島由紀夫(みしま ゆきお、1925年1月14日 - 1970年11月25日)は、日本の小説家、劇作家、随筆家、評論家、政治活動家であり、戦後の日本文学界を代表する作家の一人です。 彼は卓越した言葉力と美意識を持ち、日本語の枠を超えて国外でも広く認められました。
晩年には政治的な傾向を強め、自衛隊に体験入隊し、民兵組織「楯の会」を結成しました。彼の死は社会に大きな衝撃を与え、新右翼運動などに影響を与えました。三島由紀夫は、昭和時代の日本の興廃や盛衰の歴史的出来事と相まって、その時代の持つ問題点を鋭く照らした人物として語られています。

作風:

修辞に富んだ絢爛豪華で詩的な文体を持ち、古典劇を基調にした人工性・構築性にあふれる。

代表作:

『仮面の告白』(1949年)
『潮騒』(1954年)
『金閣寺』(1956年)
『鏡子の家』(1959年)
『憂国』(1961年)
『豊饒の海』(1965年 - 1970年)

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