キャリアバラエティ Vol.36陣内幸史郎さんの場合

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 キャリアバラエティ、今回ご紹介するのは、キャリアコンサルタントや研修講師として活動されている陣内幸史郎さん。パフォーマーとしてインプロ(即興演劇)やバンド活動もなさっています。いろいろな顔をお持ちの陣内さんに、今の働き方に至るまでやこれからのことをお聞きしました。



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【陣内幸史郎さんのキャリアバラエティ 1/4】
 佐賀県鳥栖市出身の陣内さんは、お隣の久留米市にある中高一貫校に進学します。既にその学校に通っていたお兄さんが、とても楽しそうな学生生活を送っていたことに影響されてのことだったそうです。自由な校風の中学校でしたが、成績がいまひとつ振るわなかったこともあってか居場所がなかったといいます。
 高校では、同じクラスの友人に誘われて演劇部に入ることになりました。人前でパフォーマンスをするだけではなく、演劇には裏方も含めてさまざまな役割があることや、他校との交流を通じてそれまでとは違う世界を知ります。そのほかにも、お兄さんの影響で音楽に傾倒し、バンド活動にも精を出すように。
 個性的な友人たちと自由な校風の中で学生生活を送っていましたが、受験が近づくと、進学校だったこともあって周りは一気に受験モードに。陣内さんは人間や心理に関わることを学びたいと考えるようになり、京都の大学を志望します。残念ながら1年目は不合格、1年間の浪人生活を経て、合格、京都での大学生活がスタートします。



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【陣内幸史郎さんのキャリアバラエティ 2/4】
 大学では、東洋史学を専攻しますが、演劇とバンド活動に明け暮れていたとか。当時、もうひとつ演劇と夢中になっていたのがサッカーチーム「サガン鳥栖」の応援。「京都サガン鳥栖愛好会」を設立し、会報制作や、同郷の友人と交流するなど、かなりのめり込んでいたそうです。
 卒業、就職を考え始める時期、周りの友人たちはそれぞれの道、進路を決めていきましたが、このまま演劇を続けるのか、大学院に進学するのか、就職するのか…いずれの踏ん切りもつかずにもやもやとした日々を過ごしていました。
 そんなとき、サガン鳥栖のマネジャー職に欠員が出たことを知ります。自分が合流することでチームに何か役に立てるのではないか?と考え、直接交渉。条件面などはほとんど気に留めず、とにかくチームの役に立ちたい一心で入社、チームに合流します。



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【陣内幸史郎さんのキャリアバラエティ 3/4】
 サガン鳥栖に合流した陣内さんですが、実はサッカーのルールをよく知らなかったとか。最初は社内で交わされる言葉も理解できず、仕事をするにしても分からない事ばかりで、つらい日々が続きます。やがてチームのメンバーやスタッフ等、周囲の方々との関わりが次第に楽しくなり、特に勝利をおさめたときの充実感は格別だったそうです。しかし、経営陣と意見が合わずに志半ばで退職することになりました。
 退職後は友人の紹介で営業職を経験しますが、体力の限界を感じて退職。その後、職業訓練校に通いながらスキルを身に着けていたときに、お父様の中国出張に帯同します。ここでの体験が刺激的だったこともあり、その後上海に留学。1年間みっちりと学んで帰国したときには、何をやっても生きていける自信がついていたと仰います。
 帰国後はご縁のあった社長に誘われ、機器メーカーに転職。小さな会社でしたが、大手とも互角に渡り合える技術力や戦略に魅力を感じ、転勤先の東京でも仕事に邁進していました。しばらくするうちに、仕事のプレッシャーと家庭の事情が重なって体調を崩してしまい、地元に戻ることを決断します。



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【陣内幸史郎さんのキャリアバラエティ 4/4】
 地元に戻った陣内さんは、海外進出のサポートを行うシンクタンクに就職します。企業と大学の連携やインターンシップ支援などがあり、大学や専門学校で教壇に立って教える機会も出てきました。「人にわかりやすく伝える」「人前で話をする」など、演劇の経験も生かされ、また、キャリアコンサルタントの資格を取得するなど、充実した日々を送っていましたが、ある日突然、自由契約となってしまいます。とはいえ、職業訓練や就職指導、研修などの仕事の依頼は継続的にあり、フリーでも十分にやっていける手ごたえを感じていたため、そのままフリーランスとして活動することになりました。
 その後、研修講師などの仕事は続けながら、学生と地元の企業をつなぐ取り組みの事務局スタッフとして働くようになりました。この仕事を通じて、たくさんの縁ができ、関係性も広く、太くなり、今に繋がっていると仰います。
 昨年から続く新型コロナウィルス感染症の影響もあって先が見えない状況ではありますが、「一人ひとりに向き合って、自分が関わることでよい影響を及ぼせたら嬉しいし、学生だけではなくいろいろな人のサポートをしていきたい。インプロ(即興演劇)などパフォーマーとしても発信していきたい。」と力強く語ってくださいました。支援者としても、表現者としても、これからの陣内さんの活動がどう広がっていくのか、とても楽しみです!

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