キャリアバラエティ Vol.39 みねせりかさんの場合

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 キャリアバラエティ、今回ご紹介するのは、おかたづけのプロであり、夫婦のパートナーシップや対話をサポートするみねせりかさん。「父親であることを楽しむ」ファザーリング・ジャパン九州のメンバーや、街をキャンパスに人と人が学び合うテンジン大学のスタッフとしても活動中のみねせりかさん。就職活動期にはやりたいことが特になかったというみねさんが今の仕事や活動を始められたきっかけや、これまでのことについてお伺いしました。


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【みねせりかさんのキャリアバラエティ 1/5】
 福岡生まれ、福岡育ちのみねさん、社会人になるまでは地元で暮らしていました。
 小学校時代に、先生から誘われたことがきっかけで、演劇部で活動を始めます。人前で話すことには苦手意識もありましたが、自分ではない他の誰かになれることが面白く、演劇に夢中になったそうです。高校時代の演劇部はかなり本格的で、裏方も含めて様々な役割があることが面白く、ますます没頭して取り組んでいました。その結果、勉強が少々疎かになってしまい、成績が下がったことを理由に泣く泣く断念。大学受験時には福岡県外に出たいという思いもありましたが、地元の大学へと進学します。


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【みねせりかさんのキャリアバラエティ 2/5】
 大学時代はマンドリンに明け暮れていたみねさん。演奏を聴いて、それまでマンドリンの経験はまったくなかったものの、「おもしろそう!いい!」と直感で始めたそうです。
 就職活動の時期になると、進路に迷いが出始めます。きっとどこに行っても真面目に働くだろうと確信していたものの、やりたいことは特になく、いろいろな会社の選考を受けたり、公務員試験を受けたりましたが、なかなか「これだ!」という仕事、会社に出会えませんでした。そんな中で内定を得た会社がありましたが、就職直前で会社にトラブルが発生。その状況下で働くことに不安があったため、内定を辞退し、大学に残りながら就職活動を行います。再び公務員試験を受け、見事合格。なかなかやりたいことは見つからずにいましたが、この町が好きなこと、この町の人のために何かしたい、という気持ちは強く、公務員として働くことが決まってからは前向きな気持ちになっていったそうです。


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【みねせりかさんのキャリアバラエティ 3/5】
 仕事を始めてからは、さまざまなギャップに苦しみます。「市民のために」と一人ひとりに寄り添って仕事をしたいという思いはあるものの、ある程度ビジネスライクに対応しないとならないことも出てきます。自分ではできると思っていたことが思ったようにできないこともあって、体調を崩してしまいます。ただ、辞めようとは思ったことはなく、持ち前の責任感から「働いていく上ではこの程度の負荷は必要だ」とも考えていたそうです。
 4年間在籍した後に異動した部署では、仕事内容もガラッと変わり、対応相手も変わります。環境が変化したこともあって、穏やかに楽しく仕事ができていたそうです。
 産休、育休を取得し、職場復帰後、再び異動となります。チーム単位で分担しながら進めて行く体制や、人間関係、職場環境など、みねさんを取り巻く環境は大きく変わり、決して居心地のよい職場ではなかったそうです。この頃から、この状況を改善、解消するためにはどうしたらいいだろうか?自分の力が発揮できることは何だろうか?と考えるようになりました。


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【みねせりかさんのキャリアバラエティ 4/5】
 第2子の育休中に、「ライフオーガナイザー®」という資格に出会います。ライフオーガナイザー®は単なるおかたづけのアドバイスだけではなく、思考や時間など生活すべてを整えていくものです。直感的に「これだ!」と思ったみねさんは、パートナーに「資格を取りたい」とドキドキしながらプレゼンテーションしたところ、「いいと思う。これまで自分でやりたい!って言ってこなかったよね。やりたい!ことをやればいい」と背中を押され、育休中に資格を取得します。
 資格を取得すると、この考えをいろいろな人に伝えていきたいという思いが芽生え始め、テンジン大学でおかたづけの授業を先生として担当することになりました。先生として一方的に伝えるだけではなく、参加者と双方向にやりとりがしたいと「おかたづけ部」を発足。人前で話すことは苦手だと思っていたみねさんですが、参加者のみなさんに喜んでもらえることが楽しく、徐々に活動の幅を広げていきました。同時に、自分ができること、力を発揮できることが広がっていく感覚でもありました。


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【みねせりかさんのキャリアバラエティ 5/5】
 しばらくして復職しますが、おかたづけを中心とした活動に重心を置きたいと考え、退職。そして、2020年4月に独立します。ちょうど緊急事態宣言が発令された大変な時期の船出となり、スタート時はなかなかうまくいかないこともありました。おかたづけのプロと呼ばれる人はたくさんいて、個人での発信も容易になってきている中で、自分ならではの軸はなんだろう?と考えます。おかたづけと言えば女性、主婦、ママが対象になってしまうのはなぜ?男性不在では?パートナーシップが大事なのでは?と、かつてライフオーガナイザー®の資格取得の際にパートナーに応援された経験から、夫婦・パートナーを軸にしていくことが大切だと思うに至ります。
 現在は、未来に向けてパートナーとのコミュニケーションを重ねる夫婦会議®や、「笑っている父親」を増やす活動を続けるファザーリング・ジャパン九州のメンバーとして、パートナーや夫婦の対話のサポートを行っています。
 やりたいことが見つからなかったみねさんが、仕事をしていく中でたどり着いたのは「夫婦のパートナーシップを支える人になりたい」でした。この先、みねさんの周りから、笑顔の夫婦が増えていくこと、パートナーとの対話が増えて行くことが楽しみです。


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