キャリアバラエティ Vol.37横田秀策さんの場合

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キャリアバラエティ、今回ご紹介するのは、この春に教員生活を卒業され、新たな事業を始められた横田秀策さん。教員になったきっかけや教員時代のこと、またキャリア教育に関わるようになった経緯やこれからのことをお聞きしました。



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【横田秀策さんのキャリアバラエティ 1/5】
福岡市で生まれ育った横田さんは、海上自衛官だったお父様から、警察官か教員か公務員になることを勧められて育ちました。中学時代は、理屈が通らないことには黙っていられない性分で、ずいぶんととがっていたとか。
成績は悪くなかったそうですが、真面目に受験勉強に打ち込まなかったこともあって、高校受験は苦い思い出になりました。合格発表を見に行くと自分の名前がない。不合格だったこともショックでしたが、それ以上に、努力もしていないのにショックを受けている自分に憤り、ショックを受けるくらいならはじめから努力すればいい、と思うに至りました。
無事に補欠合格で、高校に進学。入学当初の成績は芳しくありませんでしたが、歴史が好きになったこともあって徐々に成績は上がっていきました。高校受験の苦い思いを払拭すべく、大学受験時には勉強に打ち込み見事合格し、福岡を離れて大学に進学します。



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【横田秀策さんのキャリアバラエティ 2/5】
文学部に進学した横田さんがまず驚いたのは、大学には多種多様な人が集まってくるということ。高校の名前や偏差値ではなく、その人自身を見ることの大切さを学びました。
文学部から一般企業への就職は難しいと考えた横田さんは、教員になるか公務員になるか悩みます。教職課程をとっていたこともあり、資格を活かして教員になることを決意します。しかし、教員採用試験の対策や下調べをほとんどしなかったこともあって初年度は正式採用とはならず、1年間は講師として教壇に立つことになりました。翌年、正式採用され赴任した中学校は、いわゆる「荒れた」学校。毎日目まぐるしく奔走していたそうです。



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【横田秀策さんのキャリアバラエティ 3/5】
小規模校で経験を積んだ横田さんは、大規模校で教えたいと思うようになります。念願かなって大規模校に赴任しますが、ここも少々問題のある学校でした。教職員数も多いため、なかなか一枚岩になれないもどかしさもありましたが、一方で授業研究に力を入れ、研究発表を行うなど成果を上げていき、教育委員会へと異動します。
教育委員会での執務を経て、再び学校現場へと復帰。赴任した学校は、なんの問題もないように見えましたが、実際には様々な問題を抱えていました。横田さんは「生徒指導だけで解決できる問題ではない、これは生徒自身の生き方の問題だ」と考えるようになります。この学校での経験がキャリア教育に携わろうと思った出発点だったそうです。



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【横田秀策さんのキャリアバラエティ 4/5】
キャリア教育に携わろうと決意した横田さんはすぐさま情報を集め、キャリアコンサルタントの勉強を始めます。次に赴任した学校では、学級経営をキャリアの視点で考えたり、部活動の指導でも生徒の自立を促し、自分たちで考え活動できるチームに育て上げるなど、学んだことを実践していきました。
教頭として高等部のみの特別支援学校に赴任、その後に赴任した中学校では、対話を取り入れた授業など子どもたちのやる気を促す授業づくりを推進します。
ところが、まさかの小学校への異動。まだまだ取り組みたいことがたくさんあっただけに、かなりショックを受けられたそうです。小学校の教頭を2年間経験した後、今度は校長として小学校に赴任します。中学校では年間のスケジュールや体制がかなり早いタイミングで決まってしまうため、変革は容易ではありませんが、小学校では変更することは比較的容易でした。学校内の組織開発や人材開発など、できることはなんでもやろうと、初年度からさまざまな変革に取り組み、2年目に本格的に着手し、3年目には効果を上げるほとになっていたそうです。



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【横田秀策さんのキャリアバラエティ 5/5】
横田さんがキャリア教育に本格的に関わるようになったのは、友人からの相談がきっかけでした。高校生300人を対象としたキャリアを考えるプログラム(ワークショップ)を手伝うことになりました。
以来、ずっと続いているこのプログラムを、「この先も続けていきたい、そのためには後継者を育て、仲間を増やしたい」という思いから受け皿を作ることを考え始めます。キャリアコンサルタント仲間が集まると、話題はいつも若い人に向けたキャリア教育のことばかり。社会に出る前になんとかサポートしたいという情熱から、定年退職を機に独立、仲間と「キャリアにおける社会課題を解決する」ことを目標に事業を立ち上げました。
若者のみならず、障がい者雇用、不登校、ニートなどあらゆるキャリアにおける「課題」に向き合っていきたい、と語る横田さん。横田さんたちが新しく立ち上げられた事業は、きっとたくさんの人の力になることと思います。これから先の横田さんの活動が楽しみです。





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