正気です。

どこにもいけない気持ちの夜
帰り道にイヤホンの音量を3つ上げて
街の騒音を音楽に変える瞬間だけが救いです

空を見上げてみても東京の夜はずっと明るくて
いつもひとりぼっちの気分になります

人集りに目を向けると倒れている人が見えました
沢山の人が手を差し伸べていました
私は何もできませんでした
怖くて一歩も動けませんでした

明るいあの子の腕にも傷跡があります
おじさんは笑いながら涙を流しました
先生は大人のふりをした子供でした
私は、どこにもいけずに迷子です

ギターをピカピカに磨くけれど
その輝きよりも皮の剥けた指先の方が
勇気を与えてくれます。

あんなに嫌いだった地元が
今はあたたかく感じてしまって、
最近はカントリーロードのことを
よく考えています

人が死ぬ映画を見ないと生きてることを
実感できなくなってしまいました

あの空の向こうには宇宙が広がっていて
私の悩みなんて宇宙に比べたらちっぽけなもの
、、、だなんて思えません
私は宇宙の広さなんて知りません
でも、知らないままなのは嫌なのです

本を4冊も買ってしまいました
好きなバンドマンのポケットから
タバコが落ちた時目を逸らしました
もう自分の存在を確認することすら辛いです

天井の電球を月に見立てて夜を迎えます
思い立ったように立ち上がってみるけど
気持ちは何にも変わりませんし
むしろ虚しさだけがのこります

ずっとカーテンを閉めているので
夜か昼かも雨か晴れかも分かりません
SNSの上ではみんなが晴々とした顔で
写真の中にいます、きっと私もそうです

甲本ヒロトのインタビューばかり見ています
全て、全てわかっています
分かっているのにそれができない人間だと
最近は自覚してしまいました

冬の寒さに目が覚めてしまって
自分の不甲斐なさにやるせなくなってしまって
どもこにいけない気持ちをどうにかするために
布団の中で丸まっては伸びてを繰り返し
力強く毛布を握ってみて、私は私を殺します

最近は夜のブランコに座るのが好きです
でも冬なのでそう長くはいられません
帰る場所があるのに帰りたいと思ってしまう
いつか、ここだと思える居場所が見つかりますように

私のことは心配しないでください。元気です
まだ、まだやれます。大丈夫です、正気です。

皆さんも、どうか。

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