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GAFAやAIがあなた以上にあなたを知っている・・・わけないやろ。

私は、メーカーで研究戦略の策定をしている。
技術トレンド分析などをしている時に、研究者やアナリストなどが以下のようなことを言うのを見ることがある。

・もはや、GAFAやAIはあなた以上にあなたを知っている
・Googleはあなたのすべてを知っている

悲劇的なこととしてなのか、それに陶酔しているのか、それとも希望をもっていっているのか発言者によりそれぞれのニュアンスがあるようだ。

私はこれらの言葉を見るたびに、この言葉を言う人にとっての「あなた」とは何かについて疑問を持つ。あなたは、それが「あなた」でいいんですか?

ここでいう「あなた」は、私たちの中の表面でしかない、と私は断言する。

GAFAやAI、多くのデータを持つ企業などが知りうるのは、あくまでお金につながるか、という視点でしかない。クリック数が正義の基準でデザインされた世界の「わたし・あなた」は、あくまでその切り口から投影された影でしかない

レコメンドサービスは、ダメな執事のようなものだ。
ご主人の望むものを、それがご主人にとって長期的に良いものかは一切関係なく、ただ欲しがるものを与えて堕落させる。

私と違って、自立した人は問題ないのかもしれない。自分に必要なことを長期的にちゃんと考えることが出来るのであれば、うまく使えるだろう。

でも、世の中がフェイクニュースであふれたり、SNSやニュース掲示板が暴力的な言葉であふれている状況、Youtuberとそのフォロワーの哀れな様子を見ると、うまく使うことが出来ていない人が多いのであろう。

私は、レコメンドなどを利用しはするが、システムに利用されてより多くのお金を払うようにはなりたくないし、あなたはこんな人だなんて定義されたくない。(実際は多少はその罠にはまっているのだろうが)

この感覚を持つ人はある程度いるのではないだろうか。

AIなどのテクノロジーすべてを否定するつもりは全くない、危ない・つまらないけれど誰かがやらなければならない仕事をしたり、人間よりも制度の良い診断や処置で命をより多く救うといった力がある。

そういった部分でより活用されて、豊かな世界ができるといいと思う。

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