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私の頭の中に現れるフリーザ様

国民的アニメ「ドラゴンボール」に登場する悪役キャラであるフリーザ様。
最新のアニメではネタキャラにされつつあるようですが、子供の頃リアルタイムでフリーザ様のド畜生っぷりを拝見してきた私にとっては、悪役の頂点とも言えるキャラです。
悪役ながら物腰柔らかいあの感じが恐怖を更に引き立て「物腰柔らかい=ド畜生」というイメージは、その後の別のアニメでの悪役キャラにも大きく影響を与えたのではないでしょうか?

そんなフリーザ様が仕事中よく頭の中に現れます。
私はしがないトラック運転手なのですが、トラックには「デジタルタコグラフ」なるハイテクマシンが装着されてます。※義務ではないので全てのトラックに装着されてる訳ではありません。

今ドライバーがどの辺りを走っているか、制限速度を守っているか、急の付く運転はしていないか、空ぶかしをしてないか等々、あらやる悪行を監視されています。
守らなければ「制限速度を守りましょう」や「旋回前は充分に減速しましょう」「ウインカーは早めに出しましょう」といった具合に機械音声が注意してきます。
それと同時に本部にも「〇〇号車で急ブレーキを感知しました」と通知される仕組みです。

そう、この機械音声こそがフリーザ様の声に脳内変換されるのです。それも少し付け加えられて。

「ウインカーは早めに出しましょう、○しますよ?」

「旋回前は充分に減速と言ったでしょう?」

「制限速度も守れないなんてガッカリですよ〇〇さん。」

といった感じで。

フリーザ様に注意されぬよういつも心掛けてはいるのですが、少しでも気を抜くとすぐにやって来ます。

しかし次第に運転に慣れてくると、フリーザ様が現れない日の方が多くなってきます。
もちろん良い事なのですが、少し寂しかったりします。

そんな中、機械音声とシンクロしなくても、直接脳内にフリーザ様が現れるようになりました。


この仕事をしていると毎日のように見かけるトンデモドライバー達。



「子供が乗ってます」のステッカーが貼られた、ながらスマホのミニバン。

フリーザ様は言う。


「あなた、ながら運転の恐ろしさが分かってないようですねぇ…一緒に乗っている子供がどうなっても知りませんよ」


制限速度で走っている私の横をとんでもないスピードで駆け抜けてく初心者マークの軽自動車。

「おやおや、私は60km以上は出しませんよ。やはりサイヤ人は下等生物ですねぇ」


はたまた制限速度を超過して疾走していく型落ちワンボックスカー。

「そんな速度で走って…木っ端微塵になりたいんですか?あの地球人のように」



一時停止で止まると「なぜ止まるの?」と言わんばかりに衝突寸前で急ブレーキを踏む後続車のタクシー。




「まだこんなナメック星人が残っていましたか」




凄い勢いで煽ってくるイケイケな黒塗りセダン


「初めてですよ、私をここまでコケにしたおバカさんは。まぁいいでしょう。行かせてあげなさい」



不思議な事に、イライラする気持ちもフリーザ様が払拭してくれます。

ネット上で「フリーザ様は理想の上司」なる記事を見かけた事はないでしょうか?
そう、正にその通りなのです。


そんな私の月給は…53万(の半分以下)です。

無理やりなオチでしたがフリーザ様、これからもこんな部下の私を宜しくお願いします。

皆様も運転中イライラする事があれば参考にして下さい。
※ドラゴンボール世代限定

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