病室のベッドの整備に気を配る重要性

看護師が行う環境整備の中で、最も大事なポイントがベッド周りの整備です。入院する患者さんは、日常の大半を病室のベッドで過ごすことになります。生活空間でもあるベッドで少しでも快適に過ごす事ができるよう、しっかりと気を配る必要があります。

ベッドの環境整備は、安全性を考えても重要なポイントになります。たとえば、ベッドの柵の高さやマットレスの厚みが適切でない場合、寝返りをうったときに誤って転落してしまう可能性があります。加えて、ベッドから降りる際に、脚が床につかない高さのベッドだった場合も、同じく転倒に繋がる恐れがあり危険です。ベッドの高さが患者さんの体格に合っていること、マットレスの厚みとベッドの柵の高さが適している事、ナースコールが患者さんの手の届く位置に置いてある事、この3点は安心・安全面の確保という点で最低限押さえておくべきポイントといえます。

そして、ベッド上を清潔に保つことも大切です。汚れていれば交換をする事はもちろん、シワのよったシーツの上に長時間寝ていれば、局所的に圧迫され循環障害を起こし、褥瘡につながることもあります。衛生面では、掛け布団を移動させて湿気を取り除いたり、食べかすや乾燥した皮膚などのゴミを除去したりと、きれいかつ快適な就寝環境に整えるようにしましょう。

看護師は、医療ケアから雑用的作業までの幅広い業務を請け負っています。そんな多忙な中、日進月歩で発展する看護スキルを学び続けるのは素晴らしいことです。しかしそこで、看護の初歩的業務ともいえる環境整備も忘れてはいけません。簡単な仕事だからといって気を抜く事がないよう、患者さん目線で寄り添い、環境整備の徹底を心がけるようにしましょう。