<恣意的>の意味

週末の読書会の準備のため、新書の「言語の本質」を読み返しています。言語学関係者と、言論人とで、<恣意的>の意味が、ま反対といっていいくらい違うことに気づきました。
言語の本質 P82 では、言語の形式と意味の間の関係は恣意的(必然性がない)であり、と<恣意的>の言葉を使われています。

文例:日本語コーパス少納言より

〇あらかじめどこかに唯一正しい範囲が決められているわけではない。しかしまったく恣意的(好き勝手)>に決まっているわけでもないだろう。

〇特定の価値判断に基づいて<恣意的(意図的)>に現実の資産格差の評価を行うことは適切ではない。

〇<恣意的(意図的)>な関税評価を排除するため,GATT第7条の規定の適用のための規制を詳細に定めている。

ネットや、CHATGPTで調べて見ると、

「恣意」は心を表す「意」と「ほしいままにする」という意味の「恣」からなっている。このことから「恣意」の基本的な意味は「心をほしいままにする」となり、そこから発展し「勝手気ままな考え」となる。だが、「勝手気ままな考え」が「偶発的」な意味であるのか、それとも「意図された」という意味を含むのかについては、断定されていない。つまりは、「恣意」は意図的な意味合いを持った「勝手気ままな考え」として使っても誤りとはいえないのだろうが、 本来的には「場当たり的な」「好き勝手する」という意味の言葉であり、「作為的」「意図的」という意味の使い方は誤用とされる。

英語のarbitraryは、近い言葉のようですが、英辞郎でしらべると、こちらも
まったく違う意味に振れています。
【形-1】〔個人の〕好み[判断]に任せた、任意の
【形-2】〔個人の〕気まぐれな、勝手な、恣意的な
【形-3】〔原則などによらない〕偶然による、無作為な
【形-4】《法律》専断的な◆法律によらず、裁判所や裁判官の専断によって判決を決めること。
【形-5】〔権力が〕専制的な、独裁の
【形-6】《数学》〔定数が〕任意の
【@】アービトラリ、アービトレリ、【分節】ar・bi・trar・y


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