学徒出陣80年目のレクイエム

一橋いしぶみの会編 学徒出陣80年目のレクイエム 還らざる学友たちへ
セルバ出版 2023.12.23
編者の一人Nさんに勧められて、購入し、拾い読みしました。小平市図書館も購入されています。文系の大学だった、旧制東京商科大学(現一橋大学)は、学徒出陣に学生がすべて採られる状況でまさに、存亡の危機でした。一橋大学国立西キャンパスの南隣り、佐野書院の前庭には「戦没者学友の碑」があり、そこには「還らざる学友(とも)よ 君たちの志は ここ国立に 永遠(とわ)に生き続ける」とあるそうです。Nさんのお父さんは、学徒出陣され、1944(昭和19)年卒業とされました。「その期の同期会は、元号の「19」を「いく」と読ませ、「郁水会」と称した。「郁水会」には、通常の会合では戦争の話をしない、との不文律があった。同じ感情で共有できぬことを、彼らは暗黙の裡に了解していたと思われる。生き残った負い目もあったろう。残虐な戦いが多感な若者に与えた心傷が大きすぎて現実社会に戻れなかったケースもあった。等々」小平の一橋大学と津田塾大学の傍に玉川上水緑道があり、同大学の学生がデートする「ラバーズ・レイン」と言われていたそうです。1943(昭和18)年10月、小平の一橋寮の窓下で津田塾女子学生10数名が讃美歌を歌い、戦地へ赴く予科生への餞別とした交流があったそうで、女子学生の中のお一人は後に学長となられ、津田塾を支えられた。とのことです。鎌倉橋から中央公園、鷹の台駅にかけての上水緑道を歩く機会がよくあります。あの木々の中でそういった思いをはせるのも感慨深いことです。ちなみに、佐野書院の近くには、知人が経営する、おしゃれな衣料雑貨のお店「いふがお」がありこちらもお薦めです。一橋大学関係者の経済学等の本もたくさん読んで、マネーゲームに流されすぎず日本と世界の経済社会を深く考えたく思います。

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