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僕と関東旅行 第一回「出発編」

どうもこんにちは、「最近、眠い。」だ。

筆者は8月17日~8月20日の間、関東近郊に旅行をした。この文章はその4日間の出来事を記した体験記の第一回である。全五回を予定しているので、よろしくお付き合い頼む。

ちなみ筆者は、読者諸君の住んでいる世界より時間の流れが遅い世界に生きている。故に投稿頻度がかなり遅くなる。
これはあくまで時の流れが遅い世界の所為なのだが、一応筆者が謝罪しよう、すんません。


旅行の予定と概要

最初に今回の旅行の全容を以下に書き記す。

  • 旅行期間:2023年8月17日~8月20日

  • 同行者:筆者の盟友・TRON2049

  • 旅行先:東京都・千葉県

  • 日程:

    • 8月17日:筆者の居住地・岩手県を出発。TRON氏と合流後、東京都・豊洲PITで行われるジェイコブコリアー単独ライブを鑑賞

    • 8月18日:TRON氏と共に国立科学博物館で行われる”ある展示”を鑑賞。その後、東京都内を観光し千葉県へ移動

    • 8月19日:千葉県で行われる音楽フェスティバル・SUMMER SONIC 2023の1日目に赴く

    • 8月20日:筆者の巣窟・岩手県に帰宅する

以上が同行者・TRON2049とともに策定した今回の旅行の予定である。
今回の旅行に係り、TRON氏と筆者はとあるモットーを掲げていた。それがこちら…

旅の真理

そう、「予定は必ず崩れ去る」。重要すぎてカラフルになってしまうほど重要なことである。
そしてこの旅行、概ねこの言葉の通りとなる。

8月17日:朝

8月17日午前7時30分、筆者は自宅寝室にて目を覚ました。

「(知ってる天井だ…)」

とりあえずそう考えてみる。なぜなら、これから暫く知らない天井で目を覚ますことになるからである。
コーヒーを淹れ、飲みながらX(旧Twitter)を眺める。今日も世の中は嫌なニュースで溢れ、その嫌さが筆者の眼を床から離れた世界に繋ぎ止めた。

「(あ、ヤバい)」

筆者の胃を猛烈な痛みが襲う。そう、筆者は腹が弱いのである。コーヒーを飲むたびに普通に腹を下してしまうが、コーヒーが好きなので一日に三杯は飲んでいる。

そんなこんなで時刻は午前9時過ぎとなった。さて、そろそろ出発の時刻だ。東京へ向かう新幹線は午前11時50分頃発だが、筆者宅の最寄りのバス停には1日に4本しかバスが来ない。
よって最初の便に乗り遅れると、時間の都合上、新幹線の出る盛岡駅まで汗だくになりながら2キロも歩く羽目になる。
旅行前に汗だくになるのはちと不快なので、「吉幾三のバス本数よりはマシ」と自分に言い聞かせ、バスで駅まで向かうこととした。


筆者は急いで身支度を済ませ、家を飛び出した。
9時30分ごろ、最寄りの停留所でバスに飛び乗り、凸凹道に揺られること十数分、目的地の盛岡駅に到着した。

と、ここで筆者はある緊急事態に直面することとなる。

やることが無ェ

そう、やることが無ェのだ。
盛岡駅到着時点で、新幹線の出発時間まで残り2時間。2時間もの間、人類最大の敵「暇」と相対することとなったのだ。

さぁ、聡明な読者諸君なら2時間の暇をどう潰すだろうか。じゃあ、そこのメガネをかけた君、答えて。

”TwitterやインスタなどSNSを見て暇つぶしします”

ふむ、君は落第だ。
筆者の膨れ上がった傲慢で下劣な自尊心と自意識はそれを許さない。人前でSNSを見ることは人に自分のアカウントや個人情報を晒すも同じ。すなわち人前で下着を脱ぐようなものだ。おバカな君にはもう解答権あげない。
じゃあ次、チェックの服を着たそこのレディ。

”スマートフォンでゲームをします”

君は先ほどの話を聞いていたか?
「自分がどんなゲームをプレイしているか」「自分のゲームの腕前はどの程度か」のような恥部を、自意識コギト猛獣絶対領域ATフィールド6.6尺モンスターが晒すと思うか?レベル5からやり直したまえ。
じゃあ最後、右端にいるセサミスリートのTシャツを着た君。

”家から持ってきた本を読みます”

さすがセサミストリート好きだけある。悪く無い解答だ。しかし少しだけ違う。ここで正解を言おう。正解は…

「盛岡駅近くの交流施設『アイーナ』内の図書館にて、誰にも見られないようにコソコソと本を読む」

これが正解だ。
盛岡駅のすぐ隣にある施設「アイーナ」。この施設は岩手県立図書館を併設しており、ある程度暇を潰せる。駅に戻ろうと思えば5分で戻ることができるので、こういう状況では便利だ。
さらに、田舎の図書館であることが幸いし、平日の日中は人が少ない。よって、自意識過剰な筆者でもどんな本を読んでいるか周りにバレずに読書タイムを過ごすことができる。

ということで、筆者は図書館を訪れた。古い本の香りと静寂が筆者の体を包む。筆者は自然科学の棚に赴き、そこで一冊の本を手に取った。
それは統計学に関する学習書であった。筆者は昔から統計が苦手である。この2時間を使って克服してみるのも悪く無いだろう。


結果から言おう。読み始めて4分で棚に戻した。難しかったからとかではない。この本の冒頭部では高校生が習うような二項定理などが説明されていた。書物を律儀に順番通り読むタイプである筆者は、順番通り読み、すでに知っている内容に飽きてしまったのだ。
こうして筆者はまた一つ知的能力を下げ、社会性から遠退いたのだった。

統計の本を戻し、ふと本棚を見上げると、そこには仰々しい名前の本があった。

「タイヒミュラー空間論」

キタコレ、筆者のための本だ。これこそ筆者の知的能力に見合う人類の叡智。


結果から言おう。読み始めて15分で棚に戻した。今回は紛れもなく、完膚なきまでに難しかったからである。
街で筆者を見かけても、複素関数論のことを尋ねないでほしい。きっと筆者は君のことを嫌いになってしまう。

「数学」という名の万里の長城に返り討ちにされた筆者は、少し自信をなくして図書館を出た。
時計も大して進んでいない。これは困った。

さて、ここで賢明な読者諸君に質問だ。
草むらから「暇」を1時間20分抱えた筆者が飛び出してきた。君たちはどう救うか。
じゃあ、そこの頭が7つある君、答えなさい。

”スタバで時間を潰します”

君は陽陽師みょうみょうじか?
筆者は陰陰師おんおんじだ。スタバに入ると溶解するので入れない。
じゃあ次、右端にいるセサミストリートのTシャツを着た君。

”家から持ってきた本を読みます”

さすがセサミストリート好きだ。悪くない。しかし少しだけ違う。
正解を発表しよう、正解は…

「盛岡駅内の本屋で誰にも見られないようにコソコソと本を立ち読みする」

これが正解だ。
やはり陰陰師おんおんじの自意識過剰便所虫である筆者にとっては、日の当たらない本屋の隅で本を立ち読みするのが「暇つぶし」の限界なのだ。


筆者が最初に手に取ったのは、SF小説「三体」の作者が執筆した短編集「」だ。
読み始めると、これが中々面白い。独特な世界観と少しブラックなユーモア、必要な物だけ詰め込んだちょうどいいSF感が楽しい。あっという間に最初の短編を読み終わってしまった。

「(これは”買い”だ)」

筆者はそう思った。
しかし、今ここで購入すると旅先での荷物が増えてしまうので、筆者の改造されたヲタク・アイから「あとで買うからねビーム」を本の背表紙に向け照射し,
その場を離れた。


次に筆者が手に取ったのは…えぇと…あ!そうだ!!

「鉄・病原菌・銃」だ!

あれ?

「病原菌・鉄・銃」

ん?

「鉄・銃・病原菌」か。

まぁ細かいことはどうでもいいのである。とにかく筆者はこの本も少し読み、同じく「あとで買うからねビーム」を照射して本屋を後にした。
(2冊とも帰宅後に購入しました)

「銃・病原菌・鉄」はこちら


盛岡駅内の長い本屋を抜けると、そこは盛岡駅だった。

新幹線の発車時間まで残り50分ほど、この程度であれば駅の待合室で時間を潰せる。筆者は近くのコンビニで飲み物を購入し、待合室へ向かった。
待合室では涼しい冷房の風が筆者を出迎えてくれた。空いている席に座り、盟友・TRON2049からのLINEに返信する。

TRON氏からは事前にこんな連絡が来ていた。

From TRON2049

「(この分だと東京に着いた後も多少時間に余裕を持って行動できそうだ)」

そう考えた筆者は、少しゆとりを持った行動予定を脳内で構築した。

そんなこんなで、そろそろ新幹線出発の時間である。
筆者は新幹線ホームへと向かい、やってきた新幹線に乗車した。運の良いことに、乗車した段階で周りの席にはあまり人がいなかった。
ゆったり過ごせると踏んだ筆者はAirPodsを装着し、声が聞こえる最小限の音量で、RTA in JAPANの「メカクシブレワイ」を視聴し始めた。

そして午前11時50分ごろ、筆者を乗せた鉄塊は320km/hで日本最大の海上要塞都市「TOKYO」へ向けて走り出した…

盛岡駅新幹線ホーム(時間がなかったのでブレブレ写真である)

8月17日:昼

「うわぁ、ここが東京かぁ!広いなぁ~!人いっぱいだぁ~!!」

午後2時ごろ、筆者は東京駅へ降り立った。
ここから、山手線→東京メトロ丸ノ内線→ゆりかもめへと乗り継ぎ、予約した豊洲付近のホテルへと向かう。
真夏の豊洲に照りつける暑い日差しを潜り抜けて順調に道を進み、ホテルが見えてきたところでTRON氏から連絡が来た。

「(よし、思ったよりも早く合流して2人でお茶とかできそうだぞ)」

な~んて思っていた当時の筆者の前顎部を、これを書いている筆者は思いっきり砕いてやりたい。


ここで明かさなければならない事実がある。実は旅行の少し前に予定の変更があったのだ。
本来は8月18・19・20日が旅行予定日だったのだが、TRON氏の都合により17・18・19・20日へと日程が拡張されていた。

そのため17日のホテルは

  • 宿泊日直前でも空きがある

  • ジェイコブコリアーの公演会場に近い豊洲付近である

ことを満たしている必要があった。
夏休みシーズンであったため安ホテルは満杯であり、多少高くつくとわかっても、空きがある豊洲周辺のホテルを取るしかなかったのである。
ホテルを予約した時、筆者は「少し高いけど、夏休みだし偶には贅沢もいいかな」などと考えていた。


筆者は驚愕した。
目の前にはチェックイン待ちの大行列ができていたのである。しかもよく見ると、行列を構成する人々はどこか「育ちの良さ」のようなものが漂っており、シンプルだけど高そうな生地の服を着ているのである。

筆者は思った、「しまった」と。

「身の丈」という言葉がある。
筆者はこれまでの人生で、この言葉に中指を立てて生きてきた。身の丈も、階層も、様々な格差も、馬鹿が他人を都合よく区分するために作り出したものであると、そう考えていた。
しかし、このホテルの行列と筆者の間には火を見るよりも明らかな「差」があったのだ。

身も蓋もない言葉で言おう。
目の前に並む彼らの顔には、こう書いてあった。

「私は金を持っています」

そして、筆者の顔にはこう書いてあったのだ。

「I have NO money.」

(To be continued…)

第一回まとめ

第一回はここまでである。次回はついにTRON2049登場&ジェイコブコリアーのライブについて記していこうと思う。

さて、上記した長文を読むのが面倒くさい皆さんのために、ここで簡潔に今回のことをまとめておこう。

  • 筆者「最近、眠い。」は旅行のため、生息地の岩手県を離れ、東京へ向かった

  • 旅行目的は音楽家のジェイコブコリアー氏の単独公演や、夏フェス「SUMMER SONIC 2023」の鑑賞など

  • 此度の旅行は盟友であるTRON2049氏が筆者を帯同してくれたものである

かなり長引いてしまった。これ、5000文字に迫る勢いの文章である。しかもまだ本題に入っていない。今から次回分を執筆すると思うと気が滅入る。

それではまた次回!

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