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大学の同級生からネットワークビジネスの勧誘を受けた話

7年ほど前の話ですが大学の同級生からネットワークビジネス(俗に言うマルチ商法)の勧誘を受けたことがあります。もちろんお断りしたのですが人生初の勧誘を受け内心ワクワクしていたのを覚えています。

一応断っておくとネットワークビジネスをやっている方を卑下するつもりはありません。しかし強引な勧誘や別目的で呼び出して勧誘することはそもそも禁止ですし、そういった方はどうかと思っています。

記憶が曖昧な部分もありますが思い出しつつ書いていこうと思います。

1.事の始まり


勧誘してきた方(仮名:山本さんとします)は大学の同じ学部の同級生ですが、大学時代はほとんど喋ったことがありませんでした。共通の友人は多かったのでお互い顔は知っているけどすれ違っても声をかけるほどではないくらいです。

大学卒業後、同じ地域で働いていた友人達とはたまに遊んでいたのですが、ある時友人の1人が仕事の都合で引っ越すこととなりました。そこで近場にいる大学の同級生を集めて送別会をやろうという話になり、山本さんにも声がかかりました。

山本さんは当日用事があったようで送別会の途中で抜けてしまったのですが、その時は「忙しいのにわざわざ顔出してくれて良い人だな」と思っていました。今思えばネットワークビジネスの勧誘か集会があったのでしょう…

山本さんとは送別会でLINEを交換し、後日「大学の同級生達を集めて飲み会を企画しない?」というメッセージが届きました。「なぜ数人いる中でそこまで仲良くない僕に声をかけるんだろうか」という疑問はありましたが、楽しそうだったので快諾し2人で幹事を務めることになりました。

この時期は山本さんとLINEで飲み会の計画や雑談をやり取りすることも多く、友人に話すと「急に距離詰めてきて何かの勧誘だったりして笑」と言っていました。その時は単なる冗談だったのですが実はこれが大正解だったのです。

2.話が噛み合わずさんざん振り回される

山本さんから「同級生飲み会の前に幹事同士交流深めるために2人で飲みに行かない?」とのお誘いが。OKして日程を提案すると「その日友達とゲーム大会するから良かったら来ない?」と誘われました。

怪しいしそもそも趣旨変わってると思いつつも参加で回答。ただちょっと不安だったので友人も一緒に参加してもらうことにしました。すると山本さんから「ゲーム大会の会場がいっぱいでこれ以上参加できないみたい…」との連絡があり、「だいぶ振り回してくるな〜」と感じていました。

結局ゲーム大会の話は流れて同級生飲み会の計画を立てていたのですが、山本さんとなかなか話が噛み合わず少しずつイライラしてきました。山本さんが雑居ビルのよく分からないお店を予約してくれたのですが、直前になって最低保証金額があって人数が揃わないと高くつくと言われ、最終的に別のお店になりました。

その後も、作戦会議したいから仕事後に会えないかと言われ19時頃に会う約束をしていたら、当日になって21時に変更してくれと言われたことがありました(2時間も待つのは嫌だったので断りました)。結局その日電話で作戦会議しようということになったのですが向こうが寝落ちしていて電話できずでした。既に山本さんへの信用は塵ほどもありませんでした。

飲み会はたしか15人ほど集まり(サークルの先輩や友人の会社の同期も誘ったので同級生飲み会ではなくなっていましたが)交流が広がって楽しかったです。


3.だんだん尻尾を見せ始める

また同級生飲み会をやろうという話になり、前回の数ヶ月後に飲み会が開かれました。今回も山本さんがお店を取ってくれたのですが、前回最低保証金額の件でNGだったお店が会場でした。怪しい雑居ビルの中にあり絶対に自分では見つけられない感じのお店でした(褒めてはいない)。料理は値段の割に少なく、おそらく山本さんが会費をピンハネしていたものと思います。

前回来ていなかった方も参加しており、途中で1人の女性が現れ何人かと会話し30分もしないうちに退場していきました。柚木さん(仮名)という方で山本さんとは親しいようです。その時は分からなかったのですが、おそらく近場の別の店で同じような飲み会が開かれておりちょっとずつ顔を出しては勧誘候補者に唾をつけていたのだと思います。

後日山本さんから「前の飲み会に来てた柚木さんにたまに会って元気もらってて、良ければ今度一緒に行かない?」とのお誘いが。これは上司を帯同させて勧誘してくるやつだなと思い、山本さんはネットワークビジネスの勧誘目的だと確信しました。

怪しいのでここで終わりにしても良かったのですが、いけるとこまでいってネタにしたいという気持ちが勝って承諾してしまいました。ハロウィンの日、繁華街のカフェに21時半集合というトチ狂ったアポを提案されます。難色を示したのですが柚木さんは多忙でそこしか時間が取れないとのことでしぶしぶ了承しました。


4.ネットワークビジネスの上司との対面

ハロウィンで人がごった返す中、社畜のコスプレ(仕事終わりなのでスーツ)で約束のカフェに向かいます。心配してくれた会社の同期達が近くまでついてきてくれました。

山本さんは約束の時間のやや遅れくらいで登場しましたが、柚木さんはいないようです。どうやら忙しいので遅れるらしく、その間は山本さんと2人だったので「現状に不満はないか?」とか「将来の夢は?」とか聞かれた気がします。

結局30分ほど遅れて柚木さんが現れたのですが特に謝罪はなく、「現状に不満はないか?」とか「将来の夢は?」とかさっきも言ったことを聞かれた気がします。そしてとある有名な本(マルチ商法 バイブルで検索すると出てきます)をお薦めされました。

最後に連絡先を教えてくれたのですが、明らかに捨てアドっぽいGメールアドレスでした。当時は格安simも普及しておらずキャリアメール全盛期だったので、連絡先としてGメールアドレスを教えてきたのはこの人だけでした。


5.そろそろ勧誘してきそうな予感

数日後、山本さんから柚木さんの上司(仮名:浜田さん)を紹介したいから時間取れないかとのメッセージがありました。さすがに山本さん、柚木さん、浜田さんの3人がかりで強引に勧誘された場合逃げられないと思い「今回は遠慮しとくよ」とお断りしました。

すると山本さんから「今度みんなでワイワイするから来ない?」とのお誘いがありました。だんだん誘い方が適当になってきたな…
自分「それってゲーム大会みたいなの?」
山本さん「なんで分かったの?」
自分「前1回誘ってくれたからそうかなと思って。ちなみにキャッシュフローゲームってやつ?」
山本さん「あれ、ゲーム何するかも言ってたっけ?」
自分「いや、聞いてないけどそうかなと思って」

ネットワークビジネス勧誘について調べ、キャッシュフローゲームで不労所得の喜びを刷り込ませるのが定番と知ったので、ゲームと聞いて絶対これだと思ったのです。山本さんは手の内がバレたと思ったのかゲーム大会に誘ってこなくなりました。

山本さんからのお誘いがストップしてしまったので「前おすすめしてもらった本読んだよ」と餌を撒いてみました。すると「感想聞きたいから今日の夜11時頃電話して良い?」とのメッセージが。OKしたけど平日ど真ん中の夜だったのでなかなか辛かったです。しかしこれまでの非常識な行動の積み重ねによってこれくらいでは動じなくなっていました。


6.ついに最終決戦

当日の夜になり「電話やっぱり11時20分頃でも良い?」とのメッセージが。こいつはほんとに約束守らんな。一応OKして11時20分頃に山本さんから着信がありました。

電話の内容はほんとにうろ覚えなんですが、まずは本の感想を聞かれ面白かったとか無難な感想を伝えました。その後将来の夢とか(前も話したけど)を聞かれ、山本さんから「一緒に夢に向かって頑張っていきたいと思っている」と曖昧な言葉でネットワークビジネスへの勧誘を受けました。

自分「せめてどんな会社なのか教えてほしいんだけど」
山本さん「…」
自分「会社の名前とか教えてもらえる?」
山本さん「うーん… ネットで検索するつもりなの?」
自分「まあそうかな、どんなのか分からないビジネスやるとは決断できないから」
山本さん「でもネットの情報ってアテにならないし…」
ネットワークビジネスやってるのにネットの情報は信用できないとはどういうことなんでしょうか。

自分「ビジネス内容はどんな感じ?」
山本さん「ざっくりいうと人材とか物流みたいな感じかな…」
人身売買してるとしか思えない回答でした。

お粗末な勧誘過ぎてガッカリでしたが丁重にお断りして電話を切りました。すると10分後くらいにまた電話があり再度勧誘されましたがお断りしました。おそらく上司の柚木さんに報告してもう一度かけろって言われたんだろうなーと思います。

ちなみにその後、年明けのタイミングで山本さんから「今年はお世話になりました。また集まろうね。」みたいなメッセージがカフェご飯の写真とともに届きました。鋼のメンタル過ぎる…


一連の出来事や電話の内容は友人達にすべて報告して楽しませてもらいました。どうやら山本さんは自分以外の同級生も勧誘しており友人をだいぶ失っているようでした。

山本さんの行動は1から10までずさんでしたが、もし山本さんではなく口達者な人に目をつけられネットワークビジネスの勧誘を受けていたら自分も暗黒面に堕ちていたかもしれません。身を挺してネットワークビジネスの恐さを教えてくれた山本さんには感謝です。

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