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Pelican VAULT V100 ケース


サージカルルーペとヘッドライトをそれぞれ別のメーカーで用意したため、専用のケースなどは当然存在しない。そのため、この2つの製品を一気に持ち運ぶには何らかのケースを加工して、専用品をこしらえる必要があった。そこで登場するのがかねてより興味のあったPelicanケースであった。

Pelican VAULT V100


こちらはPelican社のケースラインナップの中でVAULTというシリーズ。
用途としては名前にある通り、拳銃などを保管・携帯する用のもののようだ。

事実アマゾンのレビューなどをみてもアップロードされている写真は拳銃をしまっている写真が多い。

ある程度の防水性と堅牢性を兼ね備えており、かつデザインが割と好みなのでこちらの製品を使うことにした。

色は水色にした。なぜなら目立つ色だからである。

デカいがコンパクト(?)な、このサイズ感。



自身の特性的に、物忘れ、置き忘れが多さがあり、それを考えると目立つ色にする必要性が高かった。

オレンジや赤は相当に目立つ。警告色的な要素がある。それゆえに、職場の特定の場所でみると、なかなか目立ちすぎるきらいがある。
あたかもAEDのような重要なものに見紛う色は避けようと考えた。

そこで周囲から浮き立つ色として選んだのが水色だった。


ケースのサイズ


サイズに関しては、あらかじめモノをどうやって入れるかをシミュレーションした上で購入した。
実際に入れてみると、案外余裕がなくピッタリ収まるようだった。

仮に、ここに同様に仕事で使う一眼レフやリングライトを入れるとなると、それこそ旅行鞄レベルのサイズ(1500シリーズでは足りない!)が必要になるため、そこまでは要求せず、当初の予定通りルーペとライトのみのケースとした。

ケースは現在派手な色は廃盤となっている。しかし、国内でも旧ラインナップを購入可能な通販サイトもあり、そこで購入した(8000円程度)。


到着

ケースが届いた。

まず第一印象として、想像より重い。
…これは当然である。ソフトケースでしかルーペを持ち歩いていなかったため、ハードケース自体の重さに驚いた。そんなことはわかりきっていたが、その重さゆえにしっかりしたつくりを期待した。


構造について

表面の質感は若干のざらつきがあり、古い球場においてある表面がざらざらしている椅子のような質感。

2つのプッシュボタンラッチと呼ばれる機構で閉じられている。見た目の大きさに反して、操作感は比較的かるい。硬いプラスチックの蓋を開けるときのように指が痛くなる要素は全くない。ここは想定外に良い印象を抱く。

内部はスポンジが複数レイヤーで設置されている。
蓋側は2層、箱側は3層にスポンジが入っており、Pelican社の他の製品についているPick n Pruckタイプではない、ただの平たい板状のスポンジである。

一番表層にあるものは縁までギリギリのサイズになっているが、2層目はやや小さく、箱側3層目はもっと小さくなっている。ここがすこし残念だった。機能面では全く問題はないが(加工時にこのサイズの不一致が若干の面倒を生んだ)。

ラッチのさらに外側には穴が2つあるが、これは肩ひもを付けるための穴ではなく、おそらくは錠前を取り付けるためのものだろうと思われる。穴の内腔は金属で裏打ちされている。


いよいよ加工

加工に移る。大きく分けると工程は以下のようになる。

①物品の型取り
②仮合わせ
③スポンジの成形


①物品の型取り

まずはルーペとライトの部品をそれぞれ段ボールで型取りした。

ルーペに関しては、製品に元から付属しているソフトケースのスポンジ形状を大いに参考にした。いっそソフトケースのスポンジを丸ごと移植する方法も考えたが、Pelicanケース側のスポンジは大きく切り取ると後戻りができない(当然)。まずは必要最低限のスポンジ加工で済むようにした。


鼻あての部分の造形が大事そう


ライトに関しては、複数のパーツの組み合わせになる。大まかに、バッテリー2つ、ケーブル1本、ライト本体1つとなる。ケーブルに関してはスポンジで挟んで固定するからよいとして、ほかのパーツの型を取った。


②仮あわせ

重量バランスを考えつつ段ボールの型をスポンジに配置する。ケース自体のサイズに余裕があるので、問題なく配置できた。

ライトのバッテリーのどの面を上にするかでしばらく悩んだが、蓋側にはみ出る量が多くなると蓋の加工を行う必要性が生じるようだった。
先も問題とした通り、いったん切ると後戻りができないので、今回は横向きに配置する方針とした。

ライト本体に関してもケース内に配置できるようにしたが、結局ルーペ側に取り付けっぱなしとなった。蓋側のスポンジに圧迫されたとしても、機器側に負担がかかっていないようなので、いちいちライトをルーペから取り外すよりはよいだろう。

③スポンジの成形

いよいよここが加工の本番である。

youtubeで予習した分には、アメリカ人が七面鳥を切る用の電動のこぎりのようなもので加工していたが、うちにそんな気の利いたものはない。
スポンジに段ボールでつくった型紙を合わせて、クラフトテープを型に合わせて貼る。これがなかなか大事かもしれない。
そこからカッターナイフで切ってゆく。

これは後からわかったことだが、カッターナイフに関しては新品を使うのが圧倒的に良い。間違いなく良い。
古いものを使うと、刃こぼれや錆の引っ掛かりのせいで、スポンジ断面が汚くなるうえ、カスが大量に出ることになる。後悔先に立たずである。
大量のカスと戦うために、手元に粘着のコロコロのやつや、クラフトテープを置きつつ成形したのだった。

曲線は古いカッターナイフでの成形が難しい
断面がぼそついてる

また刃の動かし方だが、糸鋸で切るように、奥まで一気に刃を貫通させて縦に出し入れして切るのが良いようだった。通常の刃物の使い方のようにして何回かに分けて切ると、引っかかったり、あるいはずれたりしてうまく切れなくなることが経験された。

また2層のスポンジを重ねたまま成形する際には、クラフトテープで固定すると非常にやりやすかった。

スポンジで切り抜いたものはそのままとっておくと、嵩を稼ぎたいときに有用だった。
それを薄くしてそのまま戻すことでうまく嵩を稼げる。もしくは、蓋として使用することもできそうだった。そのため一応切ったスポンジはすべて保管することにした。

そして完成

完成したのが作成開始から1時間近くたった夜の12時頃。当然眠いが達成感もそれなりにあった。

カッターナイフが古かったために断面がガタガタになってしまった場所もあるが、おおむね問題ないと判断。

ケーブル類が意外と収納しにくく、現在箱と蓋のスポンジに挟み込む形で収めているが、これに関しては今後の検討事項になりそう。案としては外周に1cm程度の余白を残して溝を作り、そこにぐるっと留置する方法を考えたが、今すでについている線の”癖”を乱しそうなのであまりやりにくい。

ルーペのレンズを拭く用のクロスの収納場所は、現在2層目と3層目の隙間に入れているが、これもどこかよい収納法があれば変更したいところ。


今後Pelicanケースを購入する人の助けになれば。

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