「中原めいこ / 君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」 ~日本のポピュラー音楽史を創った曲 Vol.92~
「中原めいこ /
君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」
~日本のポピュラー音楽史を創った曲 Vol.92~
作詞:中原めいこ・森 雪之丞
作曲:中原めいこ
編曲:新川 博
(動画URL:できれば再生しながら、お読み下さい)
https://www.youtube.com/watch?v=UxpMy1AZNe4
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1984年リリース、6thシングル。
私個人としては、'80年代にデビューした、数多くの女性シンガーソングライターの中でも、最重要人物のひとりに入れたい方です。個性的な名曲がたくさんあります。
「君たち~」は、彼女の音楽の特徴の一つである、ラテン風味を押し出した、代表曲です。
ここでは一応「AメローBメローサビ」の3つの部分に分けましたが、実際は「AメローBメローCメローDメローサビ」の5パートに分けられるほど、多彩な構成であり、ハーモニー的にも、一時転調 (借用) を多用した、非常に緻密なつくりになっています。
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・イントロ(8小節) {Key = Cm}
印象的なホーン・セクションのフレーズから入るイントロ。どっしりとしたスネアの音色に、存在感があります。
イントロの最後でブレイク (楽器が休み、ヴォーカルのみになる) がありますが、この曲は、あちこちでブレイクを多用し、アクセントを付けています。
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・Aメロ (8小節) "ドライなシェリー~♪"
前半は、歌い出しに見られるように、16分の裏を強調した、メロディーラインです。音数が少ないながら、ホーン・セクションのアクセントが効果的です。
後半 "本気か嘘つき~♪" は、メロディーも少し落ち着く (音符が長くなる)、反面ホーンのフレーズが細かく・対旋律的になり、前半と対比をつけています。
Aメロ終わりで、またブレイク。
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・Bメロ (8小節) "太陽に虹をかけたら~♪"
前半、メロディーの幅 (低音から高音) が広がります。
言葉がよく聴き取れない、少し怪しげな(笑)男性コーラスがアクセントになります。
後半、"じらせば 最初のkissが アナタを熱くする~♪"
ここのメロディーの骨格は「ソーラ♭ーシ♭ード」と音階をひとつずつ上るかたち (それを、下向きの刺繍音で飾っている音型です)。
それは、まさに歌詞のごとく「最初のkissをじらされている」ように、じわじわと上へ向かって昂ぶり・熱くなっていく音型です。
そのうえ、クライマックスの音である "(アナタ)を" の「ド」の音は、メロディー最高音に近い高さの音であり (音が、高くなればなるほど、人間は興奮する)、さらに、メロディーの中で最も長い音であり (アクセントが付く)、中原の歌声も、シャウトに近い力強いものになっています。
以上の点から、ここBメロ後半が、曲中で最もエモーショナルな山場と言えるでしょう。
そして、Bメロ終わりでまたブレイク。
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・サビ (8小節 ) "君たちキウイ~♪"
1・5小節目の4拍目に入る、破裂音的なパーカッションや、「ウィ.ウィ」という声ネタ的な音(中原によるものか?)などで、盛り上げます。
"(真夏の)噂" のメロディーでの、2拍3連のリズムは、中原の多くの楽曲のメロディーに表れる、特徴的なリズムです。
2回目の "(キウイ)・パパイヤ~♪" では、メロディーが、ベースに対し「♭9th」=「レ♭」という緊張感のある音であり、これもまた最高音に近い音であるという存在感も加わり、心臓をぎゅーっと鷲掴みにされるような、切なさです。
そして、サビの最後でも、ブレイク3連続です。
2番のあとで、サビを繰り返すところで、最後だけはアレンジを少し変えているところが、楽曲の風景が変わるミソです。
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<参加ミュージシャン>
この曲単独のクレジットは無いと思われるので、収録アルバム「ロートスの果実」アルバム全体のクレジットより抜粋します (ので、この曲に参加していない方も入っています)。
・Drums;青山純
・Bass;伊藤広規
・Guitar;松原正樹、椎名和夫、
・Percussion;斉藤ノブ
・Keyboards;新川博
・Horns;HORN SPECTRUM
新田一郎、兼崎順一、渕野繁雄、岩瀬富美夫、早川隆章、B.J.Johnson
・Background Vocal;桐ヶ谷仁、桐ヶ谷俊博、木戸やすひろ、比山貴咏史
・Synthesizer Programming;浦田恵司
・Rhythm Section Arrange;新川博、斉藤ノブ
・Brass Section Arrange;新田ヨロシク一郎
・Produced by 新川博
(文中・敬称略)
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