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スクラッパーの手法を盗め! ㉗

いま、アニメ『推しの子』をようやく観ている(先日は原作を読んだのだ)。ファンの方にとっては今さらと思われるだろう。

どうしてこのアニメがこんなに受けたのか?

YOASOBIの主題歌「アイドル」が大ヒットしたのも大きいだろうが、この作品を見ることで今時の芸能界事情にくわしくなれた気がするし、アイドルをプロデュースする楽しさや、どうしたら売れるタレントになれるのかその戦略がリアルで面白いのだ。

実際の芸能人のエピソードをところどころに差し込んでいるのも上手い。

一方、私は何度か記事に書いているように古典芸能(特に落語)が好きだが、ここで五代目古今亭志ん生の破天荒な生き様や、名優藤山寛美のエピソードを述べても伝わらない気がするのである。

ファンにポンと高級時計をあげたとか、芸者と浮名を流したとか、億という借金を作りながら遊蕩していたとか、こういうことは殆ど藤山寛美は自分を売るための戦略として行ったサービスであり、世間に向けたポーズであり、嘘だったのだ。

星野アイが、絶対的、完全無敵のアイドル(嘘つき)であり、計算してファンやメディアをあやつり、手のひらで転がしていたのと本質は同じなのだ。

ただ、昭和初期では寛美のやり方が正しく、ハマっていただけで、現代に於いては、そのやり方では通用しないばかりか破滅を招くだろうが、現在売れたいのであれば、『推しの子』を観て研究するのも手かも知れない?

私はもちろん芸能界に躍り出る予定も誰かをプロデュース機会もないだろうが、いま、藤山寛美の事を伝えたいと思うなら、『推しの子』を観て考えるのも良いかも知れないと思ったのである。

みうらじゅんはスクラッパー(スクラップブックを作る人をそう呼ぶ)だが、

昨日も述べたように、自分の好きな写真や絵をハサミで切り抜いて、糊で貼りつけるなどと、なんだかアナログで面倒くさい作業を行っているが、

そのような手間をかけた編集作業をすることで、色々な事が分かるようになったそうだ。

この写真は、「もっと、こっちに置いたらもっと良くなる」「もっと、グッとくる」「こんなアングルにすべきではないのか?」「このコラボの方が魅力がずっと伝わる!!」など、新しいアイディアが生まれることがあるそうだ。

政治家のオジサンと、水着アイドルの組み合わせが面白い効果を生むこともあるなら、

藤山寛美と星野アイを並べて考察するのもありじゃない??

たぶん・・・・・




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