見出し画像

我儘じゃなく、我のままな旅  その⑥

Cちゃんが
私の絵を描き進めてゆく。

とても、ダイナミックだけど
どこか可愛くて
整った絵だ。

Cちゃんが尋ねた。

「もっとこうしたいとかある?」

そう聞かれたから、

「もっとアンバランスな感じが
好き〜」
と答えた。

Cちゃんは
そこにあったバナナで
絵の3分の1ほどを
斜めに
シュッと塗り潰した。

「こう?」
        (バナナ😆笑)

「あ〜
もっと線が、
カーブしてる方が好き〜」

どんな感じか、自分で描こう描こう〜
と言われて
一緒に描くことに。

どこか、Cちゃんの作品だと
遠慮してしまいそうだけど

これは、Cちゃんのエゴが全くない
私の作品なんだね〜

一緒になって
絵の具を手のひらに出して
指先でのばしてゆく。

なんて自由で
オールオッケーの世界なんじゃろ

Cちゃんは、
その場にいる絵の具たちに
なりきって、
私に話かけてくる。

もっとだしてくれよ
手をつかってくれ〜

ほら、みんな
選んでもらわなきゃ
描いてもらえんよ〜
起きて起きて〜

って絵の具たちを
激励したり

それは、
まるで私の中の
出しきれない部分への
激励のようだった。

自分を出しきるのが
どこか苦手で
相手の状況を先読みして
気をきかせてしまう。

もっともっとと
この子たちが言っている。

私の好きを
溢れさせても良いんじゃ〜

夢中になって
描いていたら

Cちゃんが、

「そんなに描きたかったん」
「そうかそうか」
「もっともっと描きたいんじゃな〜」

って言いながら
2枚目のパレットにも
絵を描き始めていた。

(あっ、それは
彼女のために置いてたパレットじゃ…)
そう思いかけたけど、
Cちゃんに今そのことを
聞くのは違う気がして、
流れに任せようと思った。

気をきかせて
海を見に行ってた
彼女が帰ってくるころ

Cちゃんの絵は
完成した。

私の好きが
まっすぐに入ってる
私にとっての
サイコーな作品になった。

つづく…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?