三月記　3/29　雨時々曇り

令和 6 / 3 / 29　(金曜)
天気　雨時々曇り　　気温　2 ~ 14 ℃

　今朝は、暖かい。
　昨夜は、ストーブを点けなくても良かったので、私はぐっすりと眠りました。

　が、夜中にテレビの音で目が覚めたのです。夫がテレビをつけっぱなしで眠ったからです。
　　(　はぁ～、又か～。)
「お父さん、テレビ消して、」
　お願いして、眠りました。

　毎度の事なので怒ったりしません。
怒りの感情は眠りを妨げるから、逆効果なのです。
　介護生活は、日々修行なのです。
如何に平常心を保てるか。古の僧呂の気持ちになれます。

　NHKの朝のニュースで、ウクライナから避難して、日本で暮らす人の紹介がありました。夫は、キュウイに一人残っているのでした。
　健気に二人の娘達を育てているのです。子供の為に明るく強く頑張っています。彼女は41歳です。
　スーパーで納豆を購入したりしながら、一年と２ヶ月の暮らしにも馴れてきていました。
　そんな彼女が、今の心境を語るのです。「辛い…。」と、だけど言葉では表せられない…。と、
　そして、彼女の頬に一筋の涙が溢こぼれるのです。

　私の目からも涙が溢こぼれました。

　この感情の吐露に、私は、わたしが幸せなんだと思うのです。

　私の人生の道のりに、感情機能を失った時期があったからです。
　感情を失った人間は、もはや人間ではないのです。
　痛みも悦びも優しさも苦しみも、一切排除された時、私は自分が恐ろしくなりました。
仮面を着けた人間のように。
　どうしたら、元に戻れるのか、誰にもこの秘密を打ち明けられずに、偽りの笑顔と偽りの同情を装うのでした。
　子供達にも悟られないように、偽りの人間を装うのでした。

　そうして、十年の月日が流れて、僅かですが、感情が戻って来ました。
　もう少し、もう少しだ。
私は、自分を励まし、とうとう、涙を手に入れたのです。

　ウクライナの人々の苦労を思うと、私は悲しみでいっぱいになります。

　どうか一日も早く戦争が終わってくれるように、神に祈らずにはいられません。

　今日は、花の雨です。暖かな雨です。
皆様、どうか幸せな一日をお過ごし下さい。　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　かしこ

─　了　─