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奥の細道紀行 其の二

令和六年七月十四日 曇り

 長女達が昨夜遅くディズニーランドに出発しました。

 そして、猫達の様子は、テレビカメラで観ているようで、4時に空ちゃんの自動餌やり機から餌が出なくて慌てて電話をしたそうですが、気が付きませんでした。
 ペット達の世話を頼まれて、我が家から8時半頃に出る予定でいたのです。

 後片付けも済んで、一息し、携帯を取ると、
 長女から電話とLINEが来ていたのでした。

─お母さん、空ちゃんの自動餌やり機の設定ミスで、空ちゃんがご飯を食べれていなくて鳴いている。
 出来たら予定より早く行って下さい。お願いします。─

 急いで長女に電話をしました。
疲れた声で長女は、事の次第を説明してくれたのです。

 急いで着替え、頭の隅に空ちゃんの鳴いている姿を浮かべました。

(大丈夫、落ち着いて、一食くらい食べなくても死なないから。)

 と、自分に言い聞かせました。
慌てると失敗するからです。ですが、
どうも土壇場になると冷静に行動する性分で、端から見ると冷たく見える損な性格なのです。

 6時半に家を出発。昨日、車のエアコンのフィルターも交換し、準備万端なのでした。

 国道7号線は、空いていました。時々、バイクや観光バスと行き交いました。やっぱり三連休は、みんな旅に出るのですね。

 梅雨ではありますが、朝の空気は気持ち良いのです。普段は、途中のコンビニで用を足すのですが、そんな悠長なことは、言っていられません。空ちゃんが待っているのですから。
長女の家までまっしぐらに車を飛ばしました。

 10時頃に着きました。この後のミッションが問題なのです。物置小屋の鍵が今一開けられない不安が的中したのです。
 錆びていたので、昨日婿殿に頼んで油を注して貰ったのでしたが…。

 開かない、何度やっても開かない。
焦りました。このまま開かないとどうなるの? 最悪の事態を想像します。
 鍵屋に鍵を壊させる?
 鍵屋の電話番号は?
 長女に電話しょうか?
いや、いや、電話されても、長女が不安になるだけです。
悲しそうな長女の顔が浮かびます。
 このディズニーランド行きは、体調が悪く行きたく無さそうにしていたのでした。

 可愛い孫娘の最後の家族旅行の思い出に計画されていたのです。
 来年は大学受験があるのです。必死に勉強しないと危ないのです。そうでなくても、勉強嫌いなのだからと、長女の話しです。

 今、ここで電話をしたら台無しになってしまう。
 婆ちゃんの底力を出さないといけないのです。

 落ち着け、落ち着け、もう一度ゆっくり、右に回すのか?左か?いや、いや、確か右だ。左は回るのに右に回らないのだから。

 カチッ❗

 おお❗ 開いたではないか。
あきらめ無くて本当に良かった。

 急いで家に入り、空ちゃんの処へ。
空ちゃんは、ゲージの中でぽよよんとしていた。

「あなたは、誰?」
「私を助けに来た王子様?」

 みたいな感じだろうか?
因みにそうちゃんは♂です。

 長女と電話通信しながら、急いで空ちゃんの餌を計量しました。

「お母さん、12gだからね。」
「分かった。」
 餌を量り終わると、自動餌やり機の設定を電話で教えて貰いました。

 中々上手く行きません。ゲージの中に入れたままでしているので、姿勢が苦しく上手く指先に力が入りません。

 長女は焦らずに優しく教えてくれて無事に設定完了しました。

 猫の次はインコ達です。カーテンを開け、おはようの挨拶をしました。

 誰か覚えていないのですね。少しよそよそしい感じでした。
 各々のうんちシートを取り替え、新しい餌を小匙で三杯餌箱に入れました。

 栄養剤入りの飲み水も作らなければなりません。浄水を容器の線の位置まで入れ、スプーン1/3の栄養剤を溶かします。

 その容器を各々に飲ませます。手で持ちながら遣らないと悪戯をしてひっくり返すそうです。

 この水やりは、1日三回するのです。
10:00頃 14:00頃 16:00頃です。

 水やりは別にしなくても良いのだそうだけど、長生きさせたいみたいでした。😢❤️愛なんですね。母性愛が強いみたいです。

 「午後からはゆっくり休んで下さい」

 と、取り説に書いてありました。
どうやら、私の株が上がりそうです。

 そして、無事に任務を終えて帰宅しました。
 遅くなると夫がイライラするので、嫁さんに心配しないようにと伝えて欲しいとメールをしました。

 この先手せんての作戦が大切なのです。そうしないと戦争が始まります。

 案の定夫は、不貞腐れていました。
こんな時は、触らぬ神に祟りなしで、夫にお菓子を買って行きました。

─ 奥の細道紀行 其の二 ─

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