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若草日記 5/26 晴れ一時曇り

令和 6 / 5 / 26 (日曜)
天気 晴れ一時曇  気温 8 ~ 20 ℃

 夜中に夫が寒いと言いました。
私は、布団を掛けていたのですが、夫はここ数日掛け布団は暑いからと掛けていなかったのです。
 彼の掛け布団を私が掛けて眠っていました。私は、眠くて直ぐに反応出来ません。彼に彼の掛け布団を返そうとしましたが、要らないと言われました。
 そのまま眠ろうと思ったのですが、彼は脳梗塞の症状があるのを思い出しました。血の廻りが悪いと症状が進みます。
 私は、自分が暑くてストーブはちょっとと、ためらっていましたが、問題はそこに有りませんでした。
急いでストーブを点けました。

 人は自分の視点に立って行動してしまいます。もしも、暑いと判断してそのまま眠っていたら、夫の症状が進む可能性もあったのです。そうなれば、後悔しても後悔しきれません。

 私は、過去の経験で自分勝手な思い込みで、何度もこの後悔を経験しているのでした。取り返しのつかない後悔に、何度も自分を責めたのでした。
 もう、二度とそんな思いはしたくないと思いながらも、何度もするのでした。何故なのでしょう?

 それは、自分だけの視点で物事を考えるからでした。相手の事を深く洞察して、相手の気持ちを汲む事が出来なかったからです。悪意なき行動。

 介護の仕事は、相手の立場を考えてしなければなりません。
 自分が暑くても相手が寒いと言えば寒いのです。実際、昨夜の気温は8℃以下だったのでした。

 私は、いつも思うのです。謙虚に生きる事の大切さを。自分の中にある善とは?何か?
 それは、隣人を思いやる事。大切に思う事なのでした。そうしないと愛する者を失うのです。後悔しても後悔仕切れない後悔となるのですから。

 今日は、天気が良いのですが、気温が上がりません。我が家のストーブは、元気に稼働しています。

 そうして、私達老いた夫婦を幸せに温めてくれています。
 夫が脳梗塞になってから、私は灯油を勿体ないと思わなくなりました。
 何より国から光熱費の援助金を頂いた時には、有り難かったです。
 痒い所に手が届く政治を私は体感しました。

 今、自民党員の人は肩身の狭い思いをしています。私の夫も総理をよく言いません。
 ですが、私は涙が出ました。私達貧しい者に光熱費は有り難いのです。
 若い人は、光熱費を節約する事も出来るでしょう。私の息子はシャワーだけにしています。

 ですが、私達老いた者は、熱い風呂に浸かり、血液を循環させないと老化も進みますし、抵抗力も落ちるのです。身体中に酸素を送り細胞を活性化しないと明日を生きれないのです。
 これが現実なのです。

 その為に私は自らホームタンクの灯油を購入しています。
 今の私達老夫婦には、楽しみがありません。特に夫には熱い風呂に入るしか楽しみはないのです。

 生きる為には、楽しみが必要です。
芸術もです。二次元の世界が必要なのです。
 内なる小宇宙にも私達は生きているからです。戦争中であれ、災害に呑まれていても依存性に苦しんでいても病に嘆いていてもです。

 楽しみ無くして生きる意味がないのです。もしも今、力無く項垂れている人がいたら、何か一つ楽しみを見つけましょう。

 甘いお菓子でも、ゲームでもお酒でも、のんびりとする事もです。
 お金が無くても、それらは無駄遣いではないのです。生きる為に必要な投資と思うのです。

 季節はサクランボを育んでいます。
桜桃は高価ですが、あの可愛い二対の果実は、見ているだけでも幸せにしてくれます。

 私の普段の食生活は、極力節約します。これも老いたから出来る事です。
 沢山食べると身体を悪くするのです。
 それでも、孫がいるので孫の為にサクランボを買うつもりです。
 ワンパックです。
     ↑
(ここら辺が貧乏臭いと言われます。)

 ケチでも貧乏臭くても豊かな暮しが出来ます。
 ほんの少しの知恵があれば幸せを手に入れられるのです。

 今日は、ホームセンターからミニトマトの苗と大葉の苗を買って来ようと思います。
 夏になると庭に水やりをしないといけないからです。どうせ水やりをするのであれば、一石二鳥を狙っているのです。
 転んでもただでは起きない、強かなお婆ちゃんなのでした。

(やれ、やれ、長すぎ。文言が長すぎ。)
(きっと、又、腰を痛めるよ。)

(私もそう思う。)

(花埜さんも居たの?)

(梅こぶ茶社長は、思い込んだら真っ直ぐだから心配だよね。)

(あら、今畜生さんもそう思うの?)

 心配そうに木の陰から覗いている花埜と今畜生でした。

 あれ、何か視線を感じる?気のせいかな~?

 そう、言いながら梅こぶ茶は、どっこいしょと、立ち上がるのでした。
 めでたし、めでたし。

─ 🍀 ─


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