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三月記 3/13

令和 6 / 3 / 13 (水)
天気 霙  気温 4 ~ 6 ℃

 今日は、比較的に暖かい朝だった。
夜中に夫は寒いと言ったので、私はストーブを点けました。
 温度設定はしていますが、3時間毎に、消火されます。
安全の為のプログラムなのですが、夫には理解できていません。

 一酸化炭素中毒にならない為に、3時間たったら換気を促します。
私が窓を開けようとすると機嫌が悪くなるのです。
 なるべく夫の居ない時を狙って換気をしています。
 そんな訳で、ここ何ヵ月も熟睡できていません。
3時間たつとアラームがなり、健気に私は起きて(私の側にあるので)スイッチを押すのです。
 
 寒さ暑さは、彼岸までと言います。
後少しの辛坊です。
 そして、私は熟睡する時を夢に描き、春を待っているのです。

 時に、夫を諭したりしますが、素直に聞き入れるはずもなく、流れにまかせて生活しています。
 
 夫の目には、良妻に映っているでしょうが、果して私は良妻なのでしょうか?

 ミステリー小説のように、悪意なき殺意のような気もするのです。

 今のところは、現状維持の状態なので問題はありません。
 彼が穏やかに暮らせるように、彼の喜ぶお菓子を買ったり、彼の要望を優先していますが、煙草とお酒は禁止しています。

 一緒に買い物に連れていけばいいのにと、思うお方もおられましょうが、以前、車に乗って出掛けた時に、煙草を買えと言って、車の後部座席で暴れたのでした。運転中なので事故にでもなったら大変です。
(退院まもなくの頃、狂暴になっていましたから、)

 そんな訳で、彼は自分の欲しい物を買いにいけないのです。
 それで、
「何か買って来て欲しい物ある?」
 と、聞くと、少し躊躇ためらってから
「酒と煙草!」と、笑って答えるのでした。
「そりゃ、駄目だわ~。」
 と、二人で大笑いするのでした。

 こんな楽しいやり取りも、いつまで続くかわかりません。
 一日でも長く穏やかに暮らせるように、神に祈るだけなのです。

─ 完 ─
 

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