フレンチプレスとは?特徴や美味しい淹れ方も解説
コーヒー好きの方なら、「フレンチプレス」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
あまり聞きなじみのない方も多いかもしれませんが、フレンチプレスは良い豆さえ選べば誰にでも美味しいコーヒーを淹れることができる、初心者にもおすすめの抽出器具のひとつです。
今回は数ある抽出器の中でも、コーヒー豆本来の味を最大限に楽しめる、フレンチプレスの魅力をお伝えします。
フレンチプレスとは
フレンチプレスとはその名の通り、フランスが発祥の地とされるコーヒーの抽出器具です。コーヒーの粉とお湯を入れた後、付属する金属製フィルターを押し込み、そのままカップへと注ぐだけで美味しいコーヒーを淹れることが可能です。
1929年にイタリア人デザイナーの、フッティリオ・カリマーニ氏がフレンチプレスの特許を取得しました。次第にフランスのカフェを中心に広まり、その後改良された物がフランスで生産されるようになったことから、その名が付いたとされています。
なお、フレンチプレスは主に日本での呼び方で、海外では「コーヒープレス」や「カフェティエール」などの名称で呼ばれています。
フレンチプレスの特徴
フレンチプレスで淹れるコーヒーにはどのような特徴があるのでしょうか?
ここでは以下3つのポイントに絞って紹介していきたいと思います。
①豆本来の味を引き出す
②濁りのある個性派コーヒー
③誰でも美味しく簡単に淹れられる
豆本来の味を引き出す
フレンチプレスの金属製フィルターは、コーヒー豆に含まれているオイルを漉さずに通します。コーヒーのオイルには豆の美味しさや強い香りはもちろんのこと、えぐみや雑味などマイナスになるような部分も含まれており、良くも悪くも豆本来の味を丸ごと味わうことができるのです。
新鮮で上質な豆を使えばより美味しく、反対に劣化したものなど品質の低い豆を使うとより不味く仕上がってしまう、というのがフレンチプレスで淹れるコーヒーの特徴と言えます。
濁りのある個性派コーヒー
フレンチプレスは他の抽出器具と比べ、コーヒーの粉がお湯に浸っている時間は長めです。加えて、フレンチプレスの金属製フィルターは布や紙のものよりも粗く、細かい粉やオイルがそのまま混ざるので、コーヒーに深いコクと独特な濁りが生まれるのです。
細かなコーヒーの粉が残ってしまうので、舌触りが気になってしまう方も多いかもしれません。気になる場合は、カップにコーヒーを注ぐ時、最後まで注ぎ切らずに少し残すようにするとザラつきが軽減します。
誰でも美味しく簡単に淹れられる
フレンチプレスは非常にシンプルな構造の抽出器具です。コーヒーを淹れる際、お湯を注ぐ量を一定にしたり、「の」の字を書くようにポットの注ぎ口を回したりなどのテクニックも必要ありません。
必要なのは、コーヒーの粉とお湯の分量を計量すること、抽出時間を計ること、品質の良い豆を使うことです。これさえ守れば誰でも美味しく簡単にコーヒーが淹れられます。
特別な技術を必要としないので、コーヒーを淹れる人の技量の差が反映されにくく、安定した味が出せるので初心者の方にもおすすめです。
フレンチプレスの素材は主に3種類
フレンチプレスの素材は、主にガラス・ステンレス・プラスチックの3種類です。
ここでは材質別に、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。
ガラス製
ガラス製のフレンチプレスは、洗練された印象を与えるデザインのものが多いのが特徴です。高級感のある見た目で、かつ比較的安価なものが多く販売されています。外側にメモリや使い方の説明がついているものもあるため、使いやすさで選ぶならガラス製がおすすめです。
ただし、繊細で壊れやすいので、使用する際は注意が必要です。もし破損が心配な場合は、ガラスポットの部分のスペアが別売りで用意されているメーカーのものを選ぶと安心です。
ステンレス製
ステンレス製のフレンチプレスは、容量が大きいものが多く販売されています。保温力がある程度高いので、一度にたくさんのコーヒーを淹れるならステンレス製がおすすめです。
また、汚れも落としやすく、衛生的に使用することができます。
多少値が張るところが欠点ではありますが、丈夫で壊れにくいので、一度購入してしまえば長く使うことができます。
ちなみに、カフェなどで使用されているフレンチプレスも、ステンレス製のものが多めです。
プラスチック製
プラスチック製のフレンチプレスは、軽くて扱いやすく、価格も安価で手に取りやすいのが特徴です。
特に、プラスチックならではのカラーバリエーションが豊富なところは、大きな魅力のひとつと言えます。
注意したいのは、プラスチックは材質的に傷が付きやすいというところです。傷付いたところから雑菌が繁殖する可能性もあるので、汚れたら新しいものに買い替えるのがおすすめです。
サイズは1回に飲みたい量にあわせる
フレンチプレスはサイズのバリエーションも豊富ですが、選ぶ際には1回に飲みたい量にあわせるのが失敗しないコツです。
フレンチプレスは構造上、コーヒーの粉が常にお湯に浸された状態になっています。適切な抽出時間を越えてしまうとコーヒーのえぐみや雑味が出すぎてしまうので、普段一度に淹れるコーヒーの量にあわせた大きさのものを選ぶようにしましょう。
1人用なら350ml程度のもの、3人分以上なら1000ml程度のものが目安となります。
フレンチプレスでの美味しいコーヒーの淹れ方
フレンチプレスでのコーヒーの淹れ方はとっても簡単です。分量や手順さえしっかりと守れば誰にでも美味しいコーヒーが淹れられるので、気軽にチャレンジしてみましょう!
①コーヒーの粉をポットに入れる
粉の挽き方は中粗引き程度で、計量はしっかりとします。350mlのお湯に対して15g程度が目安です。
②お湯を注ぐ
沸騰してから少し落ち着かせたお湯をゆっくりとポットに注ぎ入れます。粉が膨らんでくるのであふれる前にいったん手を止めます。
③粉とお湯をなじませる
テーブルにポットの底を何度かトントンと軽く打ち付けて、表面に膨らんできた粉とお湯をなじませます。
④残りのお湯を注ぐ
入りきらなかった分量のお湯を、このタイミングでゆっくりと注ぎます。
⑤蓋をセットして抽出時間を置く
蓋をセットします。フィルターはまだ押し下げません。抽出時間は4分間が目安です。これ以上抽出すると味が悪くなってしまうので注意が必要です。
⑥フィルターを押し下げてカップへ注ぐ
フィルターをゆっくりと押し下げ、温めておいたカップへと注ぎます。この時、ポットの中のコーヒーを少し残すようにして注ぐと舌触りが良くなります。
好みにあうフレンチプレスを探してみよう
フレンチプレスはデザインや素材、大きさや価格帯など、選ぶ基準となるポイントが多くあります。
ただ、他の抽出器具と違って紙フィルターや専用ケトルなどをそろえる必要がありません。その上、コーヒーを美味しく淹れるための特別な技術も必要ないので、今からコーヒー抽出器をそろえようとしている初心者の方にもフレンチプレスはおすすめです。
本記事を参考にしていただき、まずは自分が気に入る一品を探してみましょう。
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