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映画正欲と原作

映画正欲を鑑賞。原作ファンとしては、どうやって二時間に収めるのだろう、と心配していたが削ぎ落とされたものとして成立していた。そして鑑賞前から安定感のある出演者だな、と思っていたけど本当に全員演技が素晴らしかった。

映画版が好きだった人はぜひ原作も読んで欲しい。たぶんもう一撃喰らうことができると思う。

映画を観ることで自分の中で原作の好きだった要素に輪郭が現れた様に思う。一つは深い孤独の描写。もう一つは社会的生物としての秩序とその中の曖昧さ。最後に繋がりの力。神戸八重子は個人的には好きではないが、彼女の言った言葉は的を得ていると読了後の今、思っている。彼女の言葉があるからこそ、佳通と夏月の見つけた関係に一層愛おしさを覚える。手を組みませんかの台詞はずっと覚えていると思う。

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