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reiselust
星と雲とお姫さま
夜空に燦然と輝く憧れの星
恋いこがれ
願いが届いたお姫さま
その星を
一生愛すると誓いました
ある日その星を
分厚い雲が隠してしまいました
いつか雲は晴れるはずと
待ち続けたけれど
雲は晴れず
お姫さまは雲に問いかけました
わたしの言葉は届きますか
聞こえているとも
星とお話したいのです
いつか必ず
お姫さまは
雲と何度も問いかけあった
いつも答えは
いつか必ず
そうして月日は経ち
お姫さまは
いつかという日は来ないことを
悟りました
お姫さまは雲に
最後の問いかけをしました
どうして星を隠しているの
星がそう望んだからさ
でも君のことはいつも思っている
お姫さまは
しばらく沈黙して言いました
わたしが主人公の人生ですもの
空ばかり見るのはやめます
その日
星にかかった雲は晴れた
しかし地上に
もうお姫さまの姿はない
星はまた
燦然と夜空に輝きはじめた
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