後悔

仕事終わり電車に揺られながら、
父が使っていた携帯に残されていた下書きのままの、日記なのかエッセイなのか分からないけれど、
正しい文章とは言い難いそれを読み、必死に涙を堪えていた。

父の願望でしかないと思った。
幼い頃の記憶は不確かだとしても、綺麗な感動的な素晴らしい親子の絆なんて言えるようなことは全くしていないから。

ああ、申し訳ない。
ごめんなさい、お父さん、お母さんの一人娘が私で、失敗作です。

映画やドラマの中だったら、
闘病生活の、残り少ない時間を親子2人で一日一日を懸命に、大切に過ごす。
父が行ってみたかったと言っていた所まで2人で旅行する。
時には言い合いぶつかるが、最終的には2人涙を流して、またこれからも頑張っていこうと仲直り。
息を引き取る間際では、父の手を固く握り「ありがとう、大好き」

的なストーリーになるよね、 
ああどうしようもう涙が止まらなくなってきてしまった。


帰宅ラッシュを過ぎたせいか、車内は人が少なくて助かった。






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