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人間とメダルの『絆』 第1話 始まりのロボトル

『メダロット』

それは、テクノロジーが生み出した全く新しいロボットである。

『ティンペット』と呼ばれる基本フレームに、人工知能『メダル』を搭載。

さらに、様々な『パーツ』を合体させることで、無限の能力を引き出すことができるのだ。

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?1:何!?それは本当か

?2:はい。先程、奴らが本格的に『レアメダル』の捜索を始めたとの情報が

?1:そうか。ついにこの時が来たか……。
?2、 君に頼みがある

?2:何ですか?

?1:うちで開発した新型メダロットとメダル を『彼』の所に届けて欲しい。すぐにだ!

?2:わかりました

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○○宅

○○:あぁー、暇だなぁ

一ノ瀬○○
未だにメダロットを持っていない時代遅れな高校1年生。

○○は自分の部屋のベッドに寝転がりながらテレビを見ている。

すると、

\ピンポーン/

家のインターフォンが鳴る。

○○:ん?誰か来たみたい。まぁお母さんが出てくれると思うからいっか

そう思っていた○○だったが、

○○:あ、そういえば、今家には俺しかいないんだった

○○の父は仕事で1週間以上家に帰ってきておらず、○○の母は妹の美空と一緒に買い物へ行っていた。

そのため、家には留守番として残っている○○しかいなかった。

○○:仕方ないか

○○はダルそうに部屋から出て、玄関に向かい、ドアを開ける。

○○:はーい

宅配員:宅配便でーす

○○:はい

宅配員:えーと、あなたのお名前は?

○○:え、一ノ瀬○○ですが……

宅配員:ああ、それじゃあこの荷物は、君にだね

○○:は、はあ……

○○は宅配員から荷物を受け取る。

宅配員:ありがとうございましたー

そう言うと、宅配員は帰って行った。

○○は受け取った荷物を部屋に持っていく。

○○:これ、親父からだ。何が入ってるんだろう

そう思い、ダンボールの蓋を開ける

○○:こ、これは

ダンボールの中にはメダロット『クロスメサイア』一式と『ゼロメダル』が入っていた。

○○:これってメダロットじゃん!でもなんで急にメダロットなんか。それに、このメダロットもメダルも初めて見るし。まぁいっか、とりあえず組み立てよ

○○は説明書を見ながらメダロットを組み立てる。

○○:あとは、メダルを入れて……、よし、できた!

メダロットを組み立て終えた○○はスマホを取り出し、メダロッチアプリを起動する。

○○:よし、ついに俺もメダロッターになれるんだ!メダロット起動!

○○はメダロッチのメダロット起動ボタンを押す。

すると、○○のメダロットが起動した。

メダ:メダロッチを確認。メダロッチ内のデータを収集します。

メダロットは○○の目を見る。

メダ:一ノ瀬○○。乃木坂高校に通う1年生。好きな食べ物はハンバーガー。最近の悩みは妹のスキンシップが激しすぎること。

○○:いや、それは言わなくていいよ……

メダ:○○様、今日からあなたを私のマスターとさせていただきます。私に名前を付けてくだい

○○:な、名前?どうしようかな

どんな名前にしようか悩んでいると、机の上にある説明書が目に入る。

○○(クロスメサイア、クロスメサイア……、
クロス!)

○○:決めた!君の名前はクロスだ!

クロス:わかりました

すると、○○のスマホに通知が入る。

○○:ん?さくらからメールだ

○○はメールを開く。

さくら✉️:○○くん、今すぐ乃木公園に来て。

クロス:どんな内容でしたか?

○○:なんか、公園に来て欲しいってさ。ちょっと俺行ってくる

クロス:なら、私はメダロッチの中にいますので何かあったら呼んでください

○○:わかった

クロスは○○のメダロッチの中へワープした。

そして、○○は外出用の服に着替えて乃木公園に向かう。

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乃木公園

公園についた○○、そこで幼なじみのさくらと遥香、同級生の美緒を見つけ、駆け寄る。

○○:みんな!

さくら:○○くん

○○:何があったの?

美緒:実は……

話を聞くと、美緒が影山(かげやま)とのロボトルで負けてしまい、影山に美緒のメダロット、セーラーマルチの『ブラス』のメダルを奪われてしまったらしい。

○○:ひでぇ。影山はどこにいる

遥香:あっちにいる

遥香が指をさした方向を見ると、ベンチに座っている○○の同級生の影山と影山のメダロット『シアンドッグ』が居た。さらに、シアンドッグの右腕には『デスボム』が装備されていた。


○○:あいつ!

さくら:ちょっと、○○くん!

○○は、さくらの制止を無視して影山のところに向かう。

○○:おい!

影山:ん?これはこれは、まだメダロットを持っていない○○ではないか

○○:なんで人のメダルを奪うんだ!

影山:なんでって、俺がロボトルで勝ったからだよ

○○:ロボトルで勝ったならパーツをもらうはずだろ!なんで……

影山:うるせぇな、シアンドッグ、やれ!

影山が命令すると、シアンドッグは○○を殴り飛ばす。

○○:うわああああ!

さくら:○○くん!

遠くから見ていたさくら達が○○のもとに行く。

遥香:ちょっと、なんでメダロットに人を攻撃させるの!

影山:うるせぇ!メダロット持ってない奴がでしゃばってくんじゃねぇよ!はっははは!

○○:貴様!

??:○○様

○○のスマホから声が聞これる。

○○:クロス?

○○がスマホを取り出すと、画面にクロスが映っていた。

クロス📱:あんな奴に何を言っても無駄です。
ここはロボトルで奴に勝ちましょう

さくら:これって……

影山:お?お前、メダロット持ってたんだ。じゃあ俺とロボトルで勝負だ。もし君が勝ったら俺が手に入れたメダルは全て返すし、ついでにこのデスボムもくれてやる。しかし、もし俺が勝ったらお前のパーツとメダルを全ていただいてやる。

○○:わかった。受けて立つ!

さくら:○○くん、ダメだよ!

遥香:そうだよ!あんな奴に勝った人なんて今まで一人もいなんだよ?

美緒:私のメダルはもういいの。だから……

○○:それじゃあダメなんだ!

さくら:○○くん……

○○:誰かが困っているのに、何もしないで放ったらかしにするのは嫌なんだ!

遥香:○○……

○○:お前を倒して、今まで奪われたメダルを取り戻す!

美緒:○○……

影山:ふん、やれるもんならやってみろ!

○○:メダロット転送!

○○はメダロッチのメダロット転送ボタンを押す。

すると、○○の目の前にクロスが現れる。

影山:さぁ、始めようか

○○:もちろんだ!いくぜクロス!

クロス:はい。敵性メダロット確認。制圧開始
致します!

??:合意と見てよろしいですね?

○○:?

突然何者かが○○達の所へ駆け寄る。

??:只今よりこのロボトルは真剣ロボトルとして認定します!

○○:だ、誰ですか?

うるち:失礼しました。私は、ミスターうるち。世界メダロット教会公認レフェリーです。

○○:ほう

うるち:ルールは簡単。お互いのメダロットを戦わせ、先に相手のメダロットの機能を停止させた方が勝ちです。お二人とも準備はよろしいでしょうか

影山:いつでも

○○:こっちもOKだ!

うるち:それでは!ロボトル……ファイト!

影山:先手必勝!シアンドッグ、デスボム!

○○:まずい、クロス!よけろ!

シアンドッグはデスボムを発射する。

デスボムはクロスのもとに飛んでいき爆発する。

○○:クロス!

影山:ハーハッハッハッハー!所詮はこの程度なんだよ!

○○:(そ、そんな、こんな、こんなあっさり負けちまうのかよ。くそっ!)

爆発によって発生した煙が晴れていく。しかし、そこにクロスはいなかった。

影山:何?どこいった!

○○:クロス?

○○達が辺りを見回していると。

クロス:どこを狙ってるだ?

クロスはシアンドッグの背後に現れた。

影山:シアンドッグ!後ろだ!

シアンドッグはクロスに向かってアサルトライフルを放つが避けられる。

クロス:こっちだ!

シアンドッグはクロスに攻撃しまくるが、すべて避けられる。

影山:な、なんだアイツは

○○:早い……

クロス:マスター、次の指示を

○○:お、おう

影山:くそっ!シアンドッグ、デスボム!

シアンドッグはデスボムを構える。

○○:させるか!クロス、ビートルガン!

クロスは右腕の発射口部分を展開し、シアンドッグに向けてビートルガンを発射する。

シアンドッグはビートルガンを喰らい、吹き飛ばされる。

影山:なんだ、この威力は…

ナビ(影):右腕パーツ、左腕パーツ、脚部パーツ装甲共に0%、機能停止。頭パーツ装甲残り30%

影山:なに!?

○○:よし、一気にたたみかける!クロス、スタッグソード!

クロスは左腕のソード部分を展開し、シアンドッグのもとへ走り出す。

影山:図に乗るな!シアンドッグ、リニアカノン!

シアンドッグは胸部分の銃口を展開し、リニアカノンを発射する。

だが、クロスは次々と攻撃を避けていく。

すると、シアンドッグの攻撃が止まる。

影山:おい!何やってんだシアンドッグ!

ナビ(影):頭パーツの使用回数が限界に達しました。頭パーツは使用できません

影山:何だと!?

○○:いけえええ!クロス!

クロス:はぁあああああ!

クロスはシアンドッグの頭をスタッグソードで切りつける。

何も出来ず喰らってしまったシアンドッグはその場で倒れ、背中からメダルが出る。

うるち:機能停止!勝者、クロス!

○○:よっしゃー!やったねクロス!

クロス:はい!マスター!

さくら:す、すごい

遥香:あの影山に勝つなんて

美緒:かっこいい

影山:そ、そんな。この俺が、こんな奴に

○○はうなだれている影山のもとに歩み寄る。

○○:さぁ、約束通りメダルを全部返してもらおうか。それに、デスボムも俺によこせ

影山:くそっ!

影山は○○に向かってメダルを投げる。

○○:いてっ!おい💢!メダルを投げ……

○○が言い切る前に右腕パーツが飛んできて○○に直撃し、倒れる。

○○:グヘッ!

影山:覚えてろよ!

そう言うと影山はシアンドッグを抱えて走り去っていった。

クロス:全く、最後の最後まで酷いやつですね

○○:まぁ、そういう奴だからな

○○は取り返したメダルの中からブラスのメダルを見つけ、美緒に渡す。

美緒はメダルをに入れる。すると、ブラスが起動する。

ブラス:あれ?ここは……

美緒:ブラス!

ブラス:美緒ちゃん?何があったの?

美緒:実はね……

美緒はブラスに今まで何が起きたかを話す。

ブラス:そうだったんだ。○○さん、クロスさん、ありがとうございます

ブラスは○○とクロスの方を向いて深くお辞儀をする。

○○:いやいや、当たり前のことをしただけだから

クロス:そうです。礼には及びません

さくら:それにしても、いいなぁ○○くん。私もメダロット欲しいなぁ

遥香:私もぉ。まずはお小遣い貯めないと

○○:まぁ、せいぜい頑張りなぁ笑

さくら:むっ!なんかその言い方ムカつく💢!

遥香:まぁまぁまぁ落ち着いて

すると、ブラスが突然声を上げる。

ブラス:あ!美緒、そろそろ帰らないとじゃない?

美緒:あぁー!もうこんな時間!帰らないと!

遥香:私も帰らないと

さくら:私も早くしないとお母さんが心配する

○○:うちもそろそろお母さん達が買い物から帰ってくる頃かもな

美緒:それじゃあみんなまたね

遥香:じゃあね

さくら:ばいばい

○○:じゃあな

さくらと遥香と美緒はそれぞれ帰路につく。

クロス:さぁ、私達も帰りましょう

○○:そうだね。あ、その前に

クロス:?

○○はクロスに手を差し出す。

○○:今日からよろしくね!クロス!

クロス:はい。こちらこそ、よろしくお願い致します。マイマスター!

そう言うとクロスは、○○の手を取り、握手を交わすのだった。













今回のメダロット


KXK00  クロスメサイア

KBT型とKWG型の長所を掛け合わせたカブクワ型メダロット。
単機で格闘と射撃どちらの戦闘スタイルも高いレベルで両立することができる機体である。


DOG00  シアンドッグ

完成度の高いデザインで現在でも根強い人気を誇る初代イヌ型メダロット。
青いボディカラーで素早く正確なライフル射撃という設計コンセプトはこの機体で既に確立している。


to be continued

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